③AI時代、仕事はこう変わる──2027〜2031年、雇用・賃金・「人間に残る仕事」を考える

身体を使う仕事は残る。しかし簡単ではない
では、AIによって仕事を失った人が、身体を使う仕事へ移ればよいのでしょうか。
私は、ここにも大きな問題があると思います。
一般的な清掃、物流、飲食、補助作業、単純な建設作業などは比較的参入しやすいため、ホワイトカラーから人が大量に流れてくれば、労働者が余る可能性があります。
そうなれば、仕事自体は残っても賃金は上がりにくい。
場合によっては、実質賃金が下がる可能性さえあります。
つまり、
身体を使う仕事=高賃金になる
とは限りません。
高くなるのは「特殊な身体仕事」
一方で、特殊技能を必要とする仕事は別です。
例えば、
電気工事、設備工事、特殊溶接、重機操作、整備、プラント保守、高度な建設補修、ロボット設備の保守などです。
こうした仕事には、
身体を使う
専門知識が必要
現場経験が必要
毎回状況が違う
失敗すると大きな損害が出る
AIだけでは完結できない
という特徴があります。
このような仕事は、簡単に人を増やすことができません。
そのため今後は、高度な特殊技能を持つ人の賃金が大きく上がる可能性があります。
ただし、身体を使う仕事も今より難しくなる
ここが非常に重要です。
AI時代に残る身体仕事は、昔ながらの単純肉体労働ではないと思います。
単純な運搬、計測、記録、診断、計算などは、AIやロボットが担当するようになります。
すると人間に残るのは、
異常時の判断
現場ごとの対応
複数機械の操作
安全管理
故障対応
顧客との調整
最終責任
といった仕事です。
例えば電気工事でも、単に配線ができるだけではなく、
太陽光、蓄電池、EV、スマートホーム、AI制御まで理解できる人。
整備士でも、部品を交換するだけではなく、AI診断を使いながら複雑な故障原因を見抜ける人。
重機オペレーターでも、1台を操作するだけではなく、自動運転重機を複数管理できる人。
こうした方向へ進んでいくでしょう。
つまり、
身体を使う仕事も、ホワイトカラーも、残る仕事ほど今以上に複雑になる。
私はこれが、AI時代の大きな特徴だと思います。
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