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- ロキッドAI眼鏡で見届けたテスラ・ロードスター発表――世界は異次元の速さで変わる
楽しみにしていた、テスラの新型ロードスターの発表がありました。 今回は、テスラ・ロードスター発表を、ロキッドAI眼鏡を使って視聴しました。 しかも、ちょうどそのタイミングで眼鏡のアップデートもありました。発表を見ながら、最新のAI眼鏡も試す。私にとって、技術の変化を一度に体験する時間になりました。 空中を走るテスラ・ロードスタ発表から感じたテスラ・ロードスター発表で感じた可能性 今回の発表で注目を集めたのは、ロードスターのデモです。 車は大きなランプを走り、逆さになった状態を見せたあと、短時間空中に浮かび、回転して着地しました。 テスラは、SpaceXとの協力による推進装置などを紹介し、量産開始の目標を2028年としています。 ただ、これは「車が空を自由自在に飛び回る時代が、もう始まった」ということではないと思います。 今回見せられたのは、あくまで市販に向けた技術開発の一端です。 公道を走る量産車に、どこまでの機能が搭載されるのかも、これから明らかになっていくのでしょう。 それでも、かつては映画の中の話に思えた技術が、実物の車を使ったデモとして披露された。その事実には驚かされます。 しかしこれには何か意味があるはずだ。 そう考えたときに浮かんだのは、車が空を飛ぶ未来だけではありませんでした。噴射の力で事故を防ぐ未来です。 これは、今回の発表を見て私が考えた仮説です。 ロードスターの噴射装置が実際にどのような形で市販車に活用されるのか、これからも注目したいと思います。 ロキッドAI眼鏡のオフライン同時音声通訳に驚いた もう一つ、私が驚いたのは、ロキッドAI眼鏡のオフライン同時音声通訳です。 アップデート後に実際に使ってみると、正直、今回は驚きました。 発表の内容が次々と日本語に通訳され、私が試した範囲では、完璧な同時通訳と言ってもよいと感じるほどでした。 ロードスターの発表を眼鏡を通して視聴したことで、言葉の壁がここまで低くなるのかと、その便利さを自分の体験として実感しました。 ロキッドの案内では、オフライン翻訳は日本語を含む6言語に対応しています。もちろん、話し方や環境によって結果は変わるでしょう。 それでも、ネット接続に頼らず、ここまで自然に内容を理解できることは大きな進歩だと感じました。 技術の進化を、自分で体験する時代 テスラのロードスターと、ロキッドAI眼鏡。 分野は違いますが、どちらにも共通しているのは、これまで「まだ先の話」と思われていた技術が、目の前で少しずつ形になっていることです。 発表を見ただけで、すぐに何もかも実現したと考えるのは早いでしょう。 実用化には、安全性や法規制、価格、量産など、越えなければならない課題があります。 それでも、不可能だと思われていたことが、技術開発の対象になり、実演されるところまで来ています。 今回の発表をロキッドAI眼鏡で視聴したことで、私は技術の進歩をニュースとして読むだけでなく、自分で体験することができました。 これから世界は、私たちが想像している以上の速さで変化していくのかもしれません。 今回の体験は、その変化がすでに始まっていることを実感させてくれました。
- シベリア抑留――戦争に翻弄された人々、満州からシベリアへ、苦難と絆の記憶
先日、100歳の方から貴重な戦争資料を届けていただきました。 満州での暮らし、戦争による混乱、シベリア抑留、そして帰国。 そこには、教科書だけでは知ることのできない、一人ひとりの人生が記録されています。 今回、お預かりした新聞資料をPDFにまとめました。 戦争を実際に経験した方々の記憶を、次の世代へ伝えるため、ここに紹介します。 【新聞資料集を読む|PDF・全26ページ】 ※資料は別画面で閲覧できます。 協同組合かけはし/KAKEHASHI HUMAN MONGOL LLC 後藤友亮/GOTO YUSUKE 静岡県浜松市/モンゴル・ウランバートル 公式サイト:https://www.kakehasi.biz/
- 100歳のおじいさんが今日、資料を届けてくれました――80年前の記憶が少しずつつながり始めた。100歳の男性が語るシベリア抑留の記憶
先日、毎朝5時半ごろから公園を掃除している100歳のおじいさんについて記事を書きました。 そして今日、そのおじいさんが私のところへ、たくさんの資料を届けてくれました。 戦争が終わった後、中国で捕虜となり、その後、旧ソ連へ送られ、現在のカザフスタンにあるカラガンダで炭鉱の仕事をしていた方です。 前回の記事はこちらです。 100歳が語るカラガンダ抑留――中国で捕虜となり炭鉱へ送られた記憶 そして今日。 そのおじいさんが、私のところへたくさんの資料を届けてくれました。 古い新聞記事。 満州の地図。 100歳の男性が語るシベリア抑留の記憶 シベリア抑留についての記事。 当時の鉄道や収容所を示した資料。 満蒙開拓青少年義勇軍や満州開拓団についての記事。 そして、その中には、おじいさん自身が以前インタビューを受け、写真とともに掲載された資料もありました。 私は、それを見て少し驚きました。 私が最近聞き始めた話は、本人の中だけに残っていた記憶ではなかったのです。 これまでにも何度か取材を受け、自分の経験を残してきた方だったのです。 中学2年生くらいの年齢で志願し、満州へ 以前、本人から、 「中学2年生くらいで志願して中国へ行った」 という話を聞いていました。 最初はあまりにも若いので、私自身、 「本当にそんな年齢だったのだろうか」 と思ったほどです。 しかし、今回持ってきてくれた資料を見ていくと、当時は14歳、15歳ほどの少年たちが満蒙開拓青少年義勇軍として満州へ渡っていたことが分かります。 本人から聞いていた話と、当時の制度や資料が少しずつ重なってきました。 まだ学校や訓練所の正式名称、満州で過ごした場所など、本人にもう一度確認したいことがあります。 ただ、前回まで断片的だった話が、資料によって少しずつ一本につながってきています。 ウラジオストクを経由し、貨物列車ですし詰めに 本人から直接聞いて、特に印象に残っているのが移送の話です。 戦争に負けて捕虜となった後、ウラジオストクを経由し、その後もずっと列車で移動したそうです。 しかも客車ではありません。 貨物列車に大勢の人がすし詰めにされた状態だった。 この時のことについては、本人も、 「あれはひどかった。つらかった」 とはっきり話していました。 炭鉱の仕事については、 「中は暖かかったから、それほど苦ではなかった」 と話す人が、貨物列車での移送については「つらかった」と言う。 その違いが、私にはとても印象的でした。 カラガンダが載った収容所分布図もあった 今回の資料の中には、旧ソ連各地の日本人収容所を示した地図もありました。 そこには、 カラガンダ の名前もはっきり載っています。 これまで私は本人から、 「カラガンダで約2年間、炭鉱で働いた」 と聞いてきました。 今回、そのカラガンダが地図の上に現れました。 もちろん、地図に地名が載っているからといって、それだけで本人のすべての行動が証明されるわけではありません。 しかし本人の証言と、残されている歴史資料を一つずつ照らし合わせていけば、80年ほど前の移動経路をかなり詳しく再現できるかもしれません。 「炭鉱は暖かかった。でも伐採は……」 本人から聞いた話の中で、もう一つ忘れられないものがあります。 カラガンダの冬は、外がマイナス40℃ほどになることもあったそうです。 ところが地下の炭鉱は暖かかった。 そのため本人は、 「炭鉱はまだ良かった」 と話しています。 一方、屋外の木材伐採に回された捕虜については、寒さが非常に厳しく、多くの人が亡くなったという記憶を話してくれました。 今回持ってきてくれた新聞資料の中にも、旧ソ連で木材伐採などの強制労働を経験した別の抑留者の記事がありました。 極寒。 飢え。 長時間の労働。 仲間の死。 本人が話していることと、別の抑留経験者の証言が重なる部分があります。 ただ、ここは慎重に残したいと思っています。 本人が実際に体験したこと。本人が当時聞いたこと。他の人の新聞証言。 この三つは、混ぜずに分けて記録していきます。 「ロシア人の方が良かった」の意味も分かってきた 前回の記事を書いた時点では、 「ロシア人の方が扱いは良かった」 という言葉の意味が、まだよく分かっていませんでした。 その後、詳しく聞いてみました。 比較していたのは、ロシア人と、日本人の上官や中国側の人たちだったようです。 本人の話では、捕虜になった後も、日本人の上官の中には部下に暴力を振るったり、威張ったりする人がいたそうです。 その一方で、本人の記憶の中ではロシア人の方が扱いが良かった。 戦争で捕虜となり、旧ソ連へ送られた人から、 「ロシア人の方が良かった」 という言葉が出てくる。 私は、この話を単純に「どこの国が良い、悪い」という話にはしたくありません。 極限の状況に置かれた一人の人間が、80年以上たった今でも、 誰が自分にどう接したのか を覚えている。 そこに価値があると思っています。 そして今日、資料をわざわざ届けてくれた それにしても、私は今日のことがうれしかったです。 101歳の方が、自分で大切に残してきた資料を、 「これを見てみな」 というように私のところまで持ってきてくれた。 私は以前、この方が私の姿をしばらく見なかっただけで心配してくれていたことを書きました。 モンゴルから帰って公園へ行ったときには、私を見つけて背中をポンポンとたたき、とても喜んでくれました。 そして今度は、自分の人生に関わる資料を持ってきてくれました。 もしかすると、 「もう少し話を聞いてほしい」 と思ってくれているのかもしれません。 そう考えると、いい加減には扱えません。 次は、記憶を一本の線にしてみたい 次に会った時には、資料と地図を机に広げて聞いてみようと思います。 14歳くらいで何に志願したのか。 日本のどこから満州へ渡ったのか。 最初に着いた町はどこだったのか。 4年間、どこで何をしていたのか。 終戦の日はどこにいたのか。 中国での捕虜生活はどのくらい続いたのか。 ウラジオストクへどう移動したのか。 貨物列車で何日くらい移動したのか。 そしてカラガンダ。 炭鉱。 帰国。 本人は地名を驚くほど細かく覚えています。 前に話を聞いた時など、あまりに次々と地名が出てくるので、聞いていた私たちの方が覚えきれず、思わず笑ってしまったほどです。 次は覚えようとはしません。 本人の了承をもらい、きちんと記録に残そうと思います。 1000記事を書く途中で、こんな出会いがあるとは思わなかった 私はホームページの記事を1000本書くことを一つの目標にしています。 経済やAI、モンゴル、不動産、車など、いろいろなことを書いてきました。 でも最近、 記事を書くということは、検索されるためだけではない と感じることがあります。 今回もそうです。 毎朝の犬の散歩で偶然知り合った101歳のおじいさん。 いつも公園を掃除している、ごく普通のおじいさんだと思っていました。 ところが話を聞いてみると、その人の中には、80年以上前の満州、戦争、捕虜、ウラジオストク、カラガンダ、炭鉱、そして帰国までの記憶が残っていた。 そして今日、その記憶を裏付けたり、当時の時代背景を知るための資料を、本人が私のところへ届けてくれました。 この話は、もう少し時間をかけて聞いてみようと思います。 歴史の本だけでは分からない、 実際にその時代を生きた人が、100年以上の人生の最後に何を覚えているのか。 それを、できるだけ本人の言葉のまま残してみたいと思っています。 協同組合かけはし/KAKEHASHI HUMAN MONGOL LLC 後藤友亮/GOTO YUSUKE 静岡県浜松市/モンゴル・ウランバートル 公式サイト:https://www.kakehasi.biz/
- 海外で稼ぎまくる日本企業、なぜ国内企業は豊かにならないのか――1000記事を目標に調べて見えたこと
日本企業の海外投資は、国内経済にどう影響したのか 私は、1000記事を書くことを目標に、さまざまなことを調べてきました。 AIが進化し、海外の情報や公的な統計を以前より短い時間で確認できるようになったことで、これまで見えていなかったことが少しずつ見えてきます。 その一つが、噂では聞いたことあった日本の金融資産の大きさでした。 2024年の国会答弁 第213国会 財務金融委員会 第14号(令和6年4月5日) では、家計に加えて国と企業の金融資産を合わせた「国内全体の金融資産」は、約9704兆円と説明されました。約1京円という規模までふくれあがってます。 企業が国内で稼いだ利益の一部が、海外へ向かってきたことは国会でも議論されています。 企業の利益が、現預金として積み上がるだけでなく、海外直接投資やM&Aに使われてきたという認識が、国会答弁で示されました。 国内より海外の方が、収益面で魅力的だったのではないかという指摘も出ています。 そこで、私は考えるようになりました。 日本企業は海外で利益を伸ばしてきたのに、その成果は国内の賃金や暮らしに、どれほど戻っているのだろうか。 グローバル日本企業の株主も、海外の成長から利益を得る ここで比べたいのは、海外株と日本株ではありません。 日本のグローバル企業は、日本に本社を置きながら、海外で事業を展開しています。 海外の市場で利益を伸ばせば、その成果は企業の業績や資産に反映され、株主は配当や株価の上昇を通じて利益を得る可能性があります。 つまり、日本のグローバル企業の株を持つ人も、海外の成長から利益を得られるということです。 一方、国内で自ら事業を営む経営者は、人を雇い、設備を整え、税金を払い、資金繰りを続けます。 事業がうまくいくかどうかだけでなく、現場の問題や人手不足にも向き合わなければなりません。 株主と経営者では、背負うものも利益の受け取り方も違います。 だから単純に比べることはできません。 それでも、国内で事業の責任を負う人より、海外でも稼ぐ企業の株主の方が、資本に対する利益を得やすい場面が増えていたのではないか。 私はそう感じています。 企業の海外投資は、企業にとって合理的な判断だった 企業が海外へ投資するのは、特別なことではありません。 より大きな市場や高い収益が見込める場所を選ぶのは、経営者にとって自然な判断です。 内閣府の分析でも、日本企業は国内投資より期待収益の高い海外投資を拡大させ、その結果として対外資産を積み上げてきたと説明されています。一方、海外投資で得た利益が、国内の生産性向上や賃上げに明確につながっているとは限らないという課題も示されています。 企業の判断を責めるより、考えるべきなのは、なぜ国内より海外の方が投資先として魅力的になったのかということではないでしょうか。 もし国内で設備を増やすより海外に投資した方が高い利益を見込めるなら、企業が海外を選ぶのは合理的です。そこには金利や市場の成長性だけでなく、税や規制、労働力、将来の需要など、さまざまな条件が関わります。 経営者として実感した、利益と資金繰りのずれ 私自身、事業を続けるなかで、税金や会計の仕組みを十分に理解できていなかったと感じることがありました。 特に設備投資では、現金は先に出ていくのに、税務上の減価償却費は耐用年数に応じて複数年に分けて計上されます。 そのため、実際の資金繰りと、帳簿上の利益や税金の計算が一致しないことがあります。 設備を導入した年に支出した金額が、そのまま全額経費になるわけではありません。 帳簿上は利益が出ているように見えても、手元資金には余裕がなく、納税のために借入れが必要になる。私は、そうした状況を経験しました。 もちろん、減価償却は設備の価値が長期間にわたって使われることを会計に反映する仕組みです。 ただ、設備投資の多い会社では、帳簿上の利益だけで経営の実態を判断しにくいことがあります。 経営者には、利益だけでなく、現金の出入りや将来の納税資金まで見通す必要があります。 問題は、企業の海外進出そのものなのか コロナ後、世界各国で大規模な金融緩和が行われ、資産価格の上昇が目立つようになりました。 その時期を振り返ると、海外でも稼ぐ日本企業の株を持つ人は、企業の成長や世界の資産価格上昇から利益を得てきたように見えます。 ただし、株価の動きが金融緩和だけで決まるわけではありません。 企業の業績、技術革新、為替、各国の政策なども影響します。 金融緩和がすべての原因だと断定することはできません。 また、海外投資が必ず国内に悪影響を与えるわけでもありません。 海外で得た利益が、国内の賃金や設備投資、研究開発、取引先への発注に回ることもあります。 問題は、海外で稼いだ利益がどれだけ国内に戻り、国内で暮らす人たちの所得や生活を支えているかです。 企業が利益を求めて海外へ向かうのは、経営判断として合理的です。 だからこそ、問いたいのは企業の姿勢だけではありません。 国内で事業をするより海外に投資した方が有利だと企業が判断する。 その仕組みをつくってきた政治や制度に、見直すべき点はなかったのか。 これから確かめたいこと 私は、自分の経営経験だけで日本の仕組みがすべて間違っていたと断定するつもりはありません。 ただ、国内で事業を営む経営者として感じてきた資金繰りの難しさと、日本企業が海外で利益を伸ばしてきたという公的データを重ねると、疑問が浮かびます。 日本のグローバル企業は海外で成長し、その株主も利益を得てきた。では、国内で事業を営む人や、そこで働く人たちは、その成長の恩恵を十分に受けられてきたのだろうか。 そして、国内の事業より海外投資を選びたくなる環境をつくったのは、企業の経営判断だけだったのでしょうか。 これから、税や減価償却、低金利、企業の投資先、海外利益の国内還流について、データと自分の経験の両方から考えていきたいと思います。 協同組合かけはし/KAKEHASHI HUMAN MONGOL LLC 後藤友亮/GOTO YUSUKE 静岡県浜松市/モンゴル・ウランバートル 公式サイト:https://www.kakehasi.biz/
- 悪天候で発表延期になったテスラ新型ロードスターを、想像してみた
テスラ 新型ロードスターの外観を想像 テスラの新型ロードスターが、いよいよ公開される――そう期待されていた発表イベントは、悪天候の予報を受けて延期されました。 当初は2026年10月1日に予定されていましたが、テスラは「屋外でしか開催できないこと」と悪天候の予報を理由に、イベントを10月15日に変更したと報じられています。車そのものの発表が取りやめになったのではなく、公開イベントの日程が延期された、ということです。 新型ロードスターは、2017年に次世代モデルの計画が発表されて以来、何度も登場時期が見直されてきました。 今回はどんな姿で、どんな性能を見せてくれるのでしょうか。 実車の公開を待ちながら、私なりに想像してみました。 私が想像したロードスター 今回のイメージでは、低く構えた車体に、赤いボディと横一文字のテールライトを組み合わせました。 ライトの上には「TESLA」の文字を配置し、後ろ姿に一目で分かる特徴を持たせています。 そして、リアディフューザーの中央には、噴射ノズルを思わせる開口部を加えました。 イーロン・マスク氏は、SpaceXの技術を使ったスラスターについて語ってきましたが、実際の採用方法や形状、性能はまだ分かりません。 画像のノズルは、公式仕様を再現したものではなく、その構想から私が考えたデザインです。 ボディの艶も、コンセプトカーのような鏡面仕上げではなく、一般的な赤い車に見える自然な塗装に調整しました。 曇天の山岳路に置くことで、派手さだけでなく、実際に走る車としての雰囲気も出しています。 もちろん、これはテスラが公開した新型ロードスターの写真でも、流出画像でもありません。発表を待つ間に、これまで語られてきた要素をもとに私が組み立てた想像図です。 実車は想像を超えてくるのか 本当に噴射装置が搭載されるのか。横一文字のテールライトになるのか。 実車はどんなデザインで登場するのか。答えは、テスラの発表を待つしかありません。 延期されたイベントは、現地時間の10月15日に予定されています。長く待たれてきたロードスターが、今度こそどんな姿を見せるのか。 今回の想像図と見比べるのも楽しみです。 ※掲載画像は、テスラ公式画像ではなく、筆者が新型ロードスターを想像して作成したイメージです。 噴射ノズルの配置や車体デザインは、公式仕様を示すものではありません。 協同組合かけはし/KAKEHASHI HUMAN MONGOL LLC 後藤友亮/GOTO YUSUKE 静岡県浜松市/モンゴル・ウランバートル 公式サイト:https://www.kakehasi.biz/
- バルダン・ベレーヴェン寺院の歴史と復興
バルダン・ベレーヴェン寺院の歴史と復興 バルダン・ベレーヴェン寺院は、モンゴル東部・ヘンティー県の山あいに建つ、かつてモンゴル有数の大寺院でした。 静かな自然に囲まれたこの場所には、宗教弾圧による破壊と、失われた記憶を取り戻そうとする復興の歴史があります。 日本人が知らないモンゴルの英雄・バトエルデネから興味をもった場所 私がこの寺院に関心を持ったきっかけは、日本ではあまり知られていないモンゴルの英雄、バトエルデネでした。彼の人生とモンゴルへの貢献を調べる中で、寺院復興にも関わってきたことを知り、バルダン・ベレーヴェン寺院の歴史をさらに調べてみたくなりました。 関連記事: 日本ではあまり知られていないモンゴルの英雄――大横綱バトエルデネ、その人生とモンゴルへの貢献 今回は、バトエルデネの記事から辿り着いた、この寺院の歴史と復興についてまとめます。 私は以前、日本ではあまり知られていないモンゴルの英雄、バトエルデネについて記事を書きました。 柔道家として世界で活躍し、国会議員としても長く活動してきた人物です。そして彼を調べる中で、もう一つ強く興味を持ったのが、彼が復興に関わってきたバルダン・ベレーヴェン寺院でした。 大自然の中に建つ、かつての大寺院 バルダン・ベレーヴェン寺院は、モンゴル東部・ヘンティー県の山あいにあります。 周囲を山々に囲まれた、美しく静かな場所です。しかし、この寺院には、モンゴル近代史の中でも非常に重い歴史が残されています。 寺院は17世紀に始まり、19世紀にはモンゴル有数の大寺院として栄えました。 約6,000人もの僧侶がここで学び、祈り、人々の精神的な支えとなっていた場所です。 今、現地を訪れると、自然と寺院跡が一体になったような独特の空気を感じます。 1937年、寺院は破壊された モンゴルでは社会主義時代、宗教への厳しい弾圧が行われました。 1937年、バルダン・ベレーヴェン寺院も破壊され、多くの僧侶が寺院から引き離されました。命を落とした人、収容所へ送られた人、還俗を強いられた人もいます。 建物だけが壊されたのではありません。 長年受け継がれてきた信仰、学び、地域の記憶、人々の心のよりどころまで、一度に断ち切られたのだと思います。 今回、AIで当時の一場面を映像として再現してみました。 もちろん実際の映像ではありません。しかし、静かな寺院が破壊され、人々の日常が失われた時代を想像すると、モンゴルの歴史を知る入口になるのではないかと考えました。 民主化後に始まった復興 長い間、寺院跡は失われたままでした。 しかし1990年の民主化以降、かつて幼い僧侶としてこの場所にいた人々や、地域の人々の思いによって、少しずつ復興が始まりました。 バトエルデネも、柔道や政治の世界だけでなく、モンゴルの歴史と精神的な土台を守ることに関心を持ち、寺院の復興に関わってきた人物の一人です。 一度壊された寺院を建て直すことは、建物を元に戻すだけではありません。 失われかけた記憶を取り戻すこと。次の世代へ、自分たちの歴史を渡していくこと。 それが復興の本当の意味なのだと思います。 英雄を知ると、その国の歴史が見えてくる バトエルデネを調べていなければ、私はバルダン・ベレーヴェン寺院の歴史にも、ここまで関心を持たなかったかもしれません。 一人の人物を知ることで、その人物が守ろうとした場所や文化、そして国の過去へ関心が広がっていく。 これが、海外の歴史を知る面白さだと思います。 モンゴルは、雄大な自然や相撲、チンギス・ハーンの国として知られています。 しかし、その奥には、宗教弾圧、民主化、そして失われた文化を取り戻そうとする人々の努力があります。 バルダン・ベレーヴェン寺院は、その歴史を静かに伝える場所です。 映像を見て興味を持った方には、まずバトエルデネの記事から読んでいただければと思います。 そして、一人の英雄から辿っていくモンゴルの歴史に、少しでも関心を持っていただけたらうれしいです。 協同組合かけはし/KAKEHASHI HUMAN MONGOL LLC 後藤友亮/GOTO YUSUKE 静岡県浜松市/モンゴル・ウランバートル 公式サイト:https://www.kakehasi.biz/
- モンゴル口座開設の方法|日本との違いと現地体験を紹介
モンゴルで銀行口座を開設したい方に向けて、外国人の口座開設に必要な書類や手続き、口座維持手数料、日本との送金方法、預金保険について紹介します。私自身の個人口座・法人名義口座の開設経験を交え、現地で感じた日本との違いもまとめました。条件は銀行や口座の種類によって異なるため、手続き前には最新情報を確認してください。 モンゴルの口座開設は目的に合わせて検討を モンゴルで口座開設する前に知っておきたいこと 私は、相手の事情や立場を大切にし、その方にとって何がよいかを考えて行動することを心がけています。 この記事も、モンゴルでの口座開設を考えている方の事情や目的に合わせて判断するための参考になれば幸いです。 この記事も、モンゴルでの口座開設を考えている方が、手続きや送金の実情を知り、自分に合った選択をするための参考になればと思い、私の経験を交えてまとめました。 モンゴルで口座を開設する際は、必要書類や口座維持手数料、送金方法、為替コスト、定期預金の途中解約条件を事前に確認しておきましょう。日本からの送金は、個人宛てか法人宛てかによって、利用できるサービスが異なる場合があります。 私自身は、現地の様子を見ながら口座を開設する方法をおすすめしています。 銀行やサービスの条件を確かめ、自分の利用目的に合った口座と送金方法を選ぶことが大切です。 モンゴルで仕事をしてみたい方や、将来モンゴルへの移住を考えている方には、現地口座がかならず役立つでしょう。 一方、日本へ資金を戻すことを重視する場合は、送金の手間や手数料、為替コストも含めてさまざまなリスクを考える必要があります。 そうした点を踏まえると、日本にお金を戻すことを前提にした場合、口座開設の魅力はあまり大きくないというのが、私自身の結論です。 それでも、モンゴルには銀行口座の利便性だけでは語れない魅力があります。 私はこれまでさまざまなアジアの国を訪れ、渡航回数は100回を超えていると思います。 その中でも、モンゴルは唯一、一度訪れて好きになった国です。 人々の温かさや治安の良さ、心の自由を感じられること。 そして何より、大自然に触れて心をリセットできること。 時間に追われがちな日本とは対照的に、現地の方々の自由な生き方に触れ、ゆったりとした時間の流れを味わえることも、モンゴルならではの魅力だと感じています。 日本の蒸し暑い夏とモンゴルの氷点下の冬を、時期を決めて毎年行き来しながら体験したい方や、モンゴルに長期滞在したい方にとっては、現地口座が必要になる場面もあると思います。 口座開設だけでなく、現地でどのように暮らし、資金を管理するかも含めて検討してみてください。 モンゴルで銀行口座を開設する前に知っておきたいことや、開設後の使い方、日本との送金、預金保険について、私自身の経験を交えながらまとめます。 口座の条件や手数料、送金サービスの利用可否は変更されることがあります。 ここでは、私が経験したことと、銀行などが公表している情報を分けて紹介します。 モンゴルで口座開設を検討している方は、手続き前に利用する銀行や送金会社へ最新条件を確認してください。 モンゴルで口座開設する前に知っておきたいこと 日本在住者・外国人でも口座を作れる? 基本的には外国人でも口座を作れます。 私が個人口座を開設した際は、待ち時間を除いて手続きにかかった時間はおよそ1時間でした。 法人名義口座の場合は、公証役場での手続きが必要となるため、半日ほどかかりました。 ただし、最近は手続きが厳格化しているため、個人口座でも以前より時間がかかる可能性があります。渡航前に、必要書類や所要時間を銀行へ確認しておくと安心です。 TDBの案内では、外国人の個人口座開設にパスポートとモンゴルの在留カードが必要とされています。 観光ビザの場合は在留カードが不要とされ、業務目的の滞在でも、契約書や職務内容を示す書類があれば不要となる場合があります。 必要書類は滞在資格や口座の種類によって変わる可能性があるため、事前に銀行へ確認しましょう。 TDB公式サイト 個人口座と法人名義口座の違い 個人口座は、本人が日常の入出金や送金に使う口座です。 法人名義口座は会社の資金を管理するための口座で、会社の代表者や口座管理者、署名権限などを銀行に届け出て運用します。 窓口でしかできない手続きでは、登記簿や会社印が必要です。 法人名義口座では、口座を扱う人や権限を管理できる点が個人口座と異なります。 ただし、法人名義にすれば自動的に安全性が高まるという意味ではありません。 口座の利用者や承認方法など、どのような管理設定ができるかを銀行に確認しましょう。 口座維持手数料・最低残高 TDBの個人向けトグログ普通預金口座は、開設手数料が無料で、月額口座管理料は500トグログです。 通常の最低残高はありませんが、特定のカードを連携する場合は5,000トグログ、約220円です(2026年9月29日時点の為替レートでの概算)が必要です。 5,000トグログは、約220円です(2026年9月29日時点の為替レートでの概算)。実際の換算額はレートや手数料によって変わります。 wise.com 米ドルや日本円など、通貨によって最低残高や手数料は異なります。これはTDBの一例で、他行や定期預金口座の条件とは異なります。 TDB公式サイト 日本からモンゴルの口座開設手続きを進められる? 共同管理者として申し込む方法や、現地の弁護士に委任状を渡す方法が考えられます。 ただし、銀行が認めるかどうかや必要書類はケースによって異なります。 確実性を重視するなら、現地に渡航し、支店や手続きを確認しながら口座を開設する方法が分かりやすいと感じています。 現地の様子を知る機会にもなります。口座開設代行を利用する場合は、委任する範囲、費用、口座の管理者、開設後のカードや暗証番号の受け渡し方法を事前に確認しましょう。 モンゴルの銀行口座を開設した後の使い方 キャッシュカード・ATM カードの種類やデザインは銀行によって異なります。 ATMは英語表示があるため、私には比較的使いやすく感じました。 モバイルアプリ・インターネットバンキング モバイルアプリやインターネットバンキングの操作方法は、画面を使って追記で説明する予定です 日本との送金方法 日本からモンゴルへの送金では、送金サービスや受取銀行によって利用条件が異なります。私の経験では、PayForexからTDBへは個人口座宛ての送金に限られていた一方、トランスバンクへは法人名義口座にも送金できました。 法人への送金を予定している場合、トランスバンクの口座も選択肢の一つになると感じています。サービスの対応状況は変わることがあるため、送金前に最新条件を確認してください。 私の経験では、100万円までの送金は、送金先銀行の口座情報を示す書類を添付することで比較的スムーズに進みました。 口座情報の書類は、ネットバンキングから取得できる場合があります。 100万円を超える送金では、送金目的や資金の使い道について確認される可能性が高くなります。必要書類や審査内容は、送金サービスや送金元の金融機関によって異なります。 TDBはSWIFTによる国際送金に対応しています。私が利用した際は、着金までおよそ3営業日かかりました。送金元や中継銀行の手数料が別途かかる場合もあります。 送金手数料だけでなく、為替レートや着金額、必要書類、日数を含めて確認しましょう。 TDB公式サイト 円・米ドル・トグログの両替と為替コスト 円・米ドル・トグログの両替では、為替レートや手数料によって受取額が変わります。 表示されたレートだけでなく、手数料を含めて最終的にいくら受け取れるかを確認することが大切です。 私は、トグログに対して円高が進んだときなどを見て交換することが多いです。ただし、為替の動きを正確に予測することはできないため、必要な時期や金額に応じて慎重に判断しています。ここは重視すべき点です。 モンゴルの銀行口座の維持手数料・最低残高 TDBの個人向けトグログ普通預金口座は、開設手数料が無料で、口座維持手数料は月額500トグログです。 年額では6,000トグログとなり、円換算すると数百円程度が目安です。 通常の最低残高はありませんが、特定のカードを連携する場合は5,000トグログ(約220円)が必要です。 米ドルや日本円など、通貨や口座の種類によって最低残高・手数料は異なります。 また、これはTDBの公式案内に記載された一例です。実際に口座を開設する際は、利用する銀行に最新条件を確認してください。 www.xe.com 定期預金の金利と途中解約 定期預金の金利は、銀行、通貨、預入期間、預入額によって異なります。 私がトランスバンクで年14.5%の定期預金を利用したことがありますが、これは私自身が利用した時点の商品・条件についての経験です。現在の金利や他行の商品と同じとは限りません。 金利が高い商品を検討するときは、銀行の規模や情報開示、預金保険の対象かどうかなども合わせて確認しましょう。 途中解約が可能な場合でも、受け取れる利息が減ることがあります。 TDBの定期預金にも、途中解約時に適用される利息条件が示されています。 契約前に満期、途中解約、利息の計算方法を確認してください。 TDB公式サイト モンゴルの預金保険と銀行選び 預金保険の対象と補償上限 モンゴルの預金保険は、対象となる預金について、預金者1人・1銀行あたりの補償上限は2,000万トグログ(約88万円)です。 為替レートによる概算で、実際の円換算額は変動します。 wise.com複数の口座を同じ銀行に持っている場合も、口座ごとではなく合算して補償額が計算されます。 外貨預金も対象ですが、補償はトグログで行われ、適用為替レートは保険事故発生日のモンゴル銀行のレートとされています。 モンゴル預金保険法 注意 : 法律上の上限は「預金者」ごとに定められています。 個人・法人の扱いについては、法人の種類や預金者の立場による例外があり得るため、法人名義口座については、該当する預金が保険対象となるかを確認するのが確実です。銀行関係者や一部の公的機関など、保険対象外となる預金者も法律に定められています。 モンゴル預金保険法 補償上限が限られているため、私は預金を複数の銀行に分けることも資金管理の方法の一つだと考えています。 銀行を選ぶときは、規模や金利だけでなく、日本語で相談できるスタッフの有無、送金や両替の使いやすさ、口座管理の方法も比べてみましょう。 現地で感じた便利さ・銀行選び 私が利用していて、特に困ったと感じたことは今のところありません。 銀行を選ぶ際は、日本語で相談できるスタッフがいるかどうかも判断材料になります。 現地では、日本で感じるような「自分の銀行のメリットだけ言って勧める」営業色が比較的小さく、会社への愛着とは別に、相手との利益や条件を考えて対応しているように感じました。 これは私自身の経験から受けた印象ですが、モンゴル全体に感じた安心感の一つです。 協同組合かけはし/KAKEHASHI HUMAN MONGOL LLC 後藤友亮/GOTO YUSUKE 静岡県浜松市/モンゴル・ウランバートル 公式サイト:https://www.kakehasi.biz/
- Second Life 音声案内を3言語で対応!かけはし未来ラボ【動画あり】
「Second Life 音声案内」を日本語・英語・モンゴル語で用意し、仮想空間の「かけはし未来ラボ」に設置しました。 仮想空間のビルに入ると、日本語・英語・モンゴル語の音声案内が流れる。 受付にはAIアバターがいて、文字で質問すると答えを返し、ホームページも案内してくれる。 Second Lifeで整備を進めている「かけはし未来ラボ」が、少しずつそんな場所になってきました。 今回は、音声案内と、翻訳を生かした多言語でのやり取りをご紹介します。 まずは、建物の外から中へ入る動画をご覧ください。 下の動画では、ビルの外から入口を通り、中に入ると3言語の音声案内が流れるところまでをご覧いただけます。 案内しているのは、こんな内容です。 「こんにちは。かけはし未来ラボへようこそ。 ここは、日本とモンゴルをはじめ、世界の人と情報をつなぐ、仮想空間の小さな窓口です。」 暮らしやビジネス、不動産、食品や車の取引などを紹介し、詳しい内容はホームページへとつなぎます。 日本語の案内文をもとに英語とモンゴル語の文章を用意し、ElevenLabsで女性の音声を作りました。入口で流れるのは、あらかじめ用意した案内音声です。 受付AIにも、3つの言語で質問してみました。 音声案内とは別に、受付AI「YusukeAIJapan」との個別チャットも試しています。 日本語で「ここはどんな場所ですか」と聞く。 英語で、ラボの説明と公式サイトを尋ねる。 モンゴル語でも、同じように質問してみる。 今回のテストでは、それぞれの言語で返事があり、ホームページへのリンクも案内されました。掲載した画像は、その実際のやり取りです。 ただし、まだ調整中です。日本語で聞いても英語で返ってくることがあり、翻訳の自然さや案内の正確さも、引き続き確認していく必要があります。 また、自由な質問への返事は現在、文字での対応です。その返事まで自動で声にする仕組みは、これからの課題です。 自分が外国語を話せなくても、最初の案内を届けられる。 今回、私が面白いと感じたのは、この部分でした。 これまでなら、日本語で書いた情報を外国の人に伝えるには、翻訳を用意し、説明できる人を探す必要がありました。 今は、AIの力を借りながら、一人でも複数の言語で案内する入口を形にできます。 もちろん、実際の取引や専門的な相談には、人による確認が必要です。それでも「何をしている場所なのか」「詳しくはどこに問い合わせればよいのか」を伝えられるだけで、人と人がつながるきっかけは増えると思います。 まだ小さな実験ですが、看板を置き、受付をつくり、声が流れるようになると、仮想空間にも少しずつ自分の拠点ができていく実感があります。 日本とモンゴル、そして世界の人と情報をつなぐ窓口へ。 かけはし未来ラボは、試しながら、少しずつ育てていきます。 協同組合かけはし/KAKEHASHI HUMAN MONGOL LLC 後藤友亮/GOTO YUSUKE 静岡県浜松市/モンゴル・ウランバートル 公式サイト:https://www.kakehasi.biz/
- 「5年後、わざわざ飛行機に乗って商談へ行く理由は、残るのだろうか?」
Second Lifeを体験して、想像を超えた世界があることを知った 「自分のAIが会議に参加する時代」 5年後には、AIアバターを使った海外商談が、現在のオンライン会議と同じくらい身近になっているかもしれません。 最近、私はSecond Lifeという仮想空間を実際に体験しています。 最初は、自分のAI研究所を作り、そこにAIアバターを配置してみようという、ちょっとした好奇心から始まりました。 ところが、実際に中へ入ってみると、想像していた以上の世界が広がっていました。 高層ビル、住宅、海辺の別荘、マリーナ、大型クルーザー、鉄道、店舗、そして上空にまで広がる建物。 土地を購入し、建物を建て、家具を配置し、アバター同士で交流する。 そして、私が特に驚いたのは、仮想空間の土地を購入するだけでなく、決して安くない維持費を毎月支払いながら、長年所有し続けている人たちがいることです。 実際に海沿いの土地を探してみると、立地の良い場所には住宅やマリーナが並び、すでに多くの土地が利用されていました。 しかも、一等地と思われる場所では賃貸物件が目立ち、購入できる土地は意外なほど少なかったのです。 現実の不動産と同じように、立地によって価格が大きく違うことにも驚きました。 もちろん、売り物件が少ないからといって、必ずしも需要が高いとは限りません。 それでも、仮想空間の土地に継続してお金を使う人たちがいるという事実は、私にとって非常に興味深い発見でした。 私自身も土地を購入し、ビルを設置し、AIアバターを受付に配置するところまで体験しました。 正直なところ、ここまでできるとは思っていませんでした。 ただし、現在のSecond Lifeには大きな課題もあります。 それは、操作が非常に複雑なことです。 建物を設置するにも、位置や高さの調整、土地の設定など、覚えることがたくさんあります。 AIアバターを動かすだけでも、何度も試行錯誤しました。 さらに驚いたのは、仮想空間の海でクルーザーを楽しむ場合です。 現実世界と同じように、海には浅い場所と深い場所があり、船の種類や設定によっては、浅瀬で船底が引っかかり、座礁することもあるそうです。 私は大型クルーザーで航海してみたいと思い、海沿いの土地をいくつも見て回りました。 ところが、海が広がっているように見えても、実際にはその先へ進めない場所があったり、他人の所有する水域を通らなければ外海へ出られなかったりするのです。 仮想空間なのだから、もっと自由で簡単な世界だと思っていました。しかし実際には、現実世界に似た制約まで存在していたのです。 これには驚かされました。 今のままでは、誰もが簡単に利用できる世界とは言いにくいでしょう。 しかし、私はここで一つ考えました。 今のSecond Lifeを基準に未来を判断するのではなく、AIがさらに進化した5年後を想像したらどうなるのだろうか。 現在は人間が一つずつ覚えて操作していることを、AIが代わりに行ってくれるようになったら。 そのとき、仮想空間の可能性は一気に広がるのではないでしょうか。 操作の多くをAIが代行し、現実の建物を簡単に仮想空間へ再現できるようになったら。 そして、世界中の人が自分のAIアバターとともに、言語の壁を意識せずに交流できるようになったら。 そのとき、私たちの商談や会議、そして働き方そのものが、大きく変わるのではないでしょうか。 現実の会社や会議室を、そのまま仮想空間へ持っていく 例えば、現実に存在する会社の会議室を考えてみてください。 現在でも、LiDAR(ライダー)や写真測量という技術を使えば、建物や室内を3Dデータとして記録できます。 そのデータを加工すれば、仮想空間に現実の会議室を再現することも可能です。 今はスキャン後のデータ修正や軽量化などが必要ですが、AIが進歩すれば、こうした作業の多くが自動化される可能性があります。 5年後には、現実の会議室をスキャンし、仮想空間に再現するまでの手間が、現在より大幅に少なくなっているかもしれません。 そして、その会議室には世界中から人が集まります。 日本、モンゴル、スリランカ、アメリカ。 現実には何千キロも離れた場所にいる人たちが、同じ会議室にアバターとして参加するのです。 もちろん、仮想空間はSecond Lifeである必要はありません。 Second Life自体が進化する可能性もあれば、もっと簡単に利用できる新しい仮想空間が登場する可能性もあります。 また、Second Lifeには、長年利用している人たちや、すでに作られた建物、土地、コミュニティがあります。 今後、新しい技術が普及したとき、こうした利用者が新しい仕組みに移行していく可能性もあるでしょう。 重要なのは、特定のサービスではなく、現実世界と仮想空間を結びつける仕組みそのものです。 全員が自分の母国語で会話できる 私は、これが仮想空間の大きなメリットになると考えています。 例えば、日本人とモンゴル人が商談する場合、現在は通訳者を手配したり、翻訳アプリを利用したりすることがあります。 しかし、AIが組み込まれた仮想空間ならどうでしょう。 日本人は日本語で話す。 モンゴル人はモンゴル語で話す。 スリランカ人はシンハラ語やタミル語など、自分が使いやすい言語で話す。 それぞれのアバターが、相手に合わせた言語で話してくれる。 日本人には、全員が日本語で会話しているように聞こえる。 モンゴル人には、全員がモンゴル語で会話しているように聞こえる。 しかも、音声だけでなく、資料や画面上の文字まで、それぞれの言語で表示される。 通訳機を持つ必要も、翻訳アプリを操作する必要もありません。 現実世界でも自動翻訳技術は進むでしょう。 しかし仮想空間なら、音声、文字、資料、アバターの発言を一つの仕組みの中で処理できます。 私は、この違いは大きいと思います。 これまで国際的なビジネスでは、語学力が大きな強みでした。 しかし、言葉の壁が低くなれば、語学力だけではなく、その人が何を知っているか、何を考えているかが、より重要になるかもしれません。 表現することが苦手な人にも、新しい可能性が生まれる 先日、私は次のような記事を書きました。 「伝えたいのに、うまく表現できない――AIアバターが世界に届ける『埋もれた知恵』」 今回の構想は、その続きでもあります。 世の中には、豊富な経験や知識を持っていても、人前で話すことが苦手な人がいます。 頭の中には考えがあるのに、それをうまく言葉にできない。 会議では、必ずしも最も知識のある人が、最も多く発言するとは限りません。 話すことが得意な人、説明が上手な人の意見が目立つこともあります。 しかし、自分専用のAIアバターがあればどうでしょう。 本人がAIに考えを伝える。 AIがその内容を整理する。 必要であれば、図表や3Dモデルを使って説明する。 本人が内容を確認したうえで、AIが会議の参加者へ伝える。 これなら、これまで発言をためらっていた人にも、新しい参加の機会が生まれるかもしれません。 AIが人間の代わりに考えるのではなく、人間が持っている知識や経験を、相手に伝わる形にする。 私は、ここに大きな価値があると思っています。 商談中に、工場や製品をその場で見られる さらに、仮想空間なら会議室だけで終わる必要はありません。 例えば、日本の製造会社が海外企業と商談しているとします。 製品について詳しい説明が必要になったら、会議室から仮想工場へ移動する。 そこには、現実の工場をもとに再現された設備が並んでいます。 製品を実物大で表示する。 内部構造を見せる。 部品を取り外して説明する。 必要なら、設計変更後の姿をその場で比較する。 こうしたことができれば、写真やカタログだけでは伝わりにくかった情報も、理解しやすくなるでしょう。 しかも、現実の機械や設備を海外へ運ぶ必要はありません。 もちろん、最終的な品質確認や実物の検査は現実世界で行う必要があります。 それでも、商談の初期段階や技術説明では、大きなメリットが生まれる可能性があります。 高価なロボットを連れて歩く必要もない 私は、AIロボットの進化にも関心を持っています。 ただ、今回の仮想空間を体験して、一つ考えが浮かびました。 情報を伝える仕事のために、必ずしも人型ロボットが必要なのだろうか。 現実のロボットには、機体、電源、保守、輸送、安全対策などが必要です。 一方、仮想空間のAIアバターには、物理的な身体が必要ありません。 世界中の仮想オフィスや展示場で、AIが案内や説明を担当できるようになれば、物理的なロボットを配置するより低コストで運営できる場合もあるでしょう。 もちろん、荷物を運ぶ、設備を修理する、実物を加工するといった仕事には現実のロボットが必要です。 しかし、会議、商談、説明、案内、教育など、情報を扱う仕事では、AIアバターの方が合理的な場面が増えるかもしれません。 移動にかかる時間、費用、危険も減らせる 例えば、日本からモンゴルへ商談に行くとします。 航空券、ホテル、現地での移動、通訳、そして移動に費やす時間。 商談の内容によっては、これだけの費用と時間をかける必要が本当にあるのか、考えることがあります。 もし、仮想空間で相手の会社や工場を確認し、AIによる翻訳を使って商談できるなら、現地訪問の回数を減らせるかもしれません。 海外への移動が減れば、交通事故や渡航に伴う危険も減らせます。 もちろん、現実に会うことで築ける信頼関係もあります。 すべての商談が仮想空間に置き換わるとは思いません。 しかし、最初の打ち合わせから何度も飛行機に乗る必要は、今より少なくなるのではないでしょうか。 そして、浮いた時間や費用を、本当に現地へ行く必要がある仕事に使えるようになります。 自分のAIが会議に参加する時代 さらに5年後を考えると、人間が毎回アバターを操作して会議に参加する必要さえ減るかもしれません。 自分の仕事、知識、過去の判断、会社の方針などを参照できるAIが、自分の代わりに会議へ参加する。 AIが相手の質問に答え、資料を説明し、議論を整理する。 重要な判断や契約については、本人に確認する。 会議が終われば、AIが議事録を作成し、必要な資料を整理する。 人間は、最終的な判断に集中する。 そんな働き方も考えられます。 ただし、AIが勝手に約束したり、本人の意図と異なる発言をしたりしないよう、権限や確認の仕組みは必要です。 それでも、人間が自分のAIを連れて世界のビジネスに参加する時代は、決して遠い未来だけの話ではないと感じます。 5年後、仮想空間を選ぶ理由は何になるのか 私は、仮想空間が普及する理由は、現実世界をそっくり再現できるからだけではないと思います。 むしろ、現実世界よりも便利になるから、人々が自ら仮想空間を選ぶようになるのではないでしょうか。 例えば、会議に参加するために移動する必要がない。 通訳を手配する必要がない。 資料を大量に持ち歩く必要がない。 現実の製品を輸送しなくても、3Dモデルで説明できる。 表現が苦手でも、AIが考えを整理して伝えてくれる。 しかも、AIアバターなら物理的なロボットを用意する必要もありません。 現在のオンライン会議でも、移動費用を減らすことはできます。 しかし、AIによる翻訳、表現支援、3D空間での製品説明などが一体化すれば、従来のオンライン会議とは違う価値が生まれます。 単に現実世界の代用品として使うのではなく、現実世界より合理的だから仮想空間を選ぶ。 私は、そこが大きな変化になると思います。 Second Lifeは、未来を考えるきっかけになった ここまで書いてきたことは、すべてが現在のSecond Lifeで実現しているわけではありません。 現在は操作も複雑ですし、AIアバターとの会話にも不安定な部分があります。 私自身、AIを配置するだけでも何度も試行錯誤しました。 しかし、実際に仮想空間を歩き、土地を探し、建物を設置し、AIアバターと会話したことで、以前とは違う見方ができるようになりました。 Second Lifeには、すでに長年利用している人たちがいて、住宅、店舗、海、鉄道、さまざまなコミュニティが存在しています。 今後、Second Lifeそのものが進化するのか、別のサービスに利用者が移っていくのかは分かりません。 ただ、どちらにしても、仮想空間の技術が今後さらに発展していく可能性は十分にあると思います。 そして、その価値は、現実世界を美しく再現することだけではありません。 現実世界にある距離、費用、言語、表現力という制約を小さくできること。 そこに本当の可能性があるのではないでしょうか。 5年後、わざわざ飛行機に乗って商談へ行く理由は、今ほど残っているのだろうか? 私は、海外へ行くこと自体がなくなるとは思いません。 現地の人と直接会うこと、実物を見ること、その国の文化を感じることには、これからも価値があるでしょう。 しかし、情報を交換するためだけの移動は、今より大幅に減らせる可能性があります。 そして、さらに重要なのは、これまで国際的な商談や会議に参加しにくかった人たちにも、機会が広がることです。 語学力がなくても。 人前で話すことが苦手でも。 遠くまで移動することが難しくても。 自分の知識や経験を、AIの力を借りて世界に届けられるようになる。 私は、そんな未来に期待しています。 5年後、私たちは現実世界の不便を解消するために、あえて仮想空間を選ぶようになっているのかもしれません。 今回のSecond Lifeでの体験は、そんな未来を考えるきっかけになりました。 これからも実際に試しながら、その可能性を確かめていきたいと思います。 協同組合かけはし/KAKEHASHI HUMAN MONGOL LLC 後藤友亮/GOTO YUSUKE 静岡県浜松市/モンゴル・ウランバートル 公式サイト:https://www.kakehasi.biz/
- 伝えたいのに、うまく表現できない――AIアバターが世界に届ける「埋もれた知恵」
仮想世界に入り、アバターとして活動する。Second Lifeの魅力は、家やお店をつくり、自分の居場所を持てることでした。 けれど、私がSecond Lifeに入って最初に思い浮かんだのは、家や建物ではなく、仮想オフィスの可能性でした。 すでに、自分の知識をもとに活動するAIスタッフも配置しています。 今はまだ実験と準備の段階ですが、これから何ができるのかを試しています。 仮想世界が、LINEやWeChatのように人々の日常に広がっていけば、交流だけでなく、営業や案内、仕事の相談などにも使われるようになるかもしれません。 特に面白いと感じるのは、自分の知識や考えを持ったAIアバターが、24時間活動し、訪れた人と会話できることです。 多言語で応対できれば、国や言葉の壁を越えて人とつながる可能性もあります。 これまでは、頭の中にどれほど良い考えや知恵があっても、それを人に伝えるには、記憶力や話す力、文章を書く力、表現力、人脈、資金、時間などが必要でした。伝えるのが苦手だったり、人前で話すのに自信がなかったりするために、自分の力を十分に発揮できない人もいます。 しかし、世界には、伝える手段がなかっただけで、すばらしい知恵や経験を持つ人がたくさんいます。 これまでは、チャットに書かれた考えや経験を、AIが文章にまとめ、分かりやすく伝えることが中心でした。 次は、アバターが会話を通じて、その人の考えや知恵を、より自然に表現する時代が来るのではないでしょうか。 AIは、言葉を整理し、相手に伝わる形にすることが得意です。 頭では分かっていてもうまく説明できなかったことも、文章や音声、アバターを通じて伝えられるようになる。 さらに多言語で会話できれば、これまで出会うことのなかった人たちにも、その知恵が届くかもしれません。 そうなれば、埋もれていた知恵を持つ人たちが、会社経営や政治などの場に参加し、自分の考えを伝えられる可能性もあります。 これまで発信力や表現力を持つ人が優位だった場面でも、AIの助けによって、知恵や経験そのものが見てもらえるようになるかもしれません。 それは、参加する人だけでなく、経営側にとっても新しい可能性を生みます。 AIアバターとの対話を通じて、話し方や経歴だけでは分かりにくかった、その人の知識や経験、考え方、課題への向き合い方を知る手がかりが得られるかもしれません。 AIが人の本質を決めつけるのではなく、これまで見過ごされていた力に気づくきっかけになるのです。 AIアバターは、その人の知恵や魅力を伝える助けになります。 一方で、AIが人の本質を確実に見抜くわけではありませんが、発言や行動の記録から、矛盾や繰り返される傾向が見えやすくなることは考えられます。 良さも、課題も、その人の言葉や行動を通して表に出てくる。 そんな時代になるのかもしれません。 今はまだ、AIアバターや仮想オフィスが広く実用化されているとは言えません。 それでも、進化を続けるAIを見ていると、こうしたものが世間で当たり前に使われる日は、そう遠くないように感じています。 私がSecond Lifeに感じているのは、仮想の家やお店をつくることだけではありません。 これまで伝えられなかった知恵や経験が、AIアバターと多言語の力を借りて、世界に届くようになること。 そこに、仮想世界の大きな可能性があると思っています。 協同組合かけはし/KAKEHASHI HUMAN MONGOL LLC 後藤友亮/GOTO YUSUKE 静岡県浜松市/モンゴル・ウランバートル 公式サイト:https://www.kakehasi.biz/
- ものづくりは、専門家・技術者・研究AIと仕事の未来――仕事とものづくりは専門家・技術者・研究者だけのものではなくなる
Second Lifeでの体験を通じて、私はAIと仕事の未来について考えるようになりました。Second Lifeは、私の想像を超える世界だったからです。 その体験をきっかけに、AIへの見方が変わり、使い方も大きく変わりました。 自分の知識を持つ分身AIアバターが、受付や営業を担う 受付や営業のあり方も、大きく変わるかもしれません。 自分がこれまでに身につけた知識や経験、商品やサービスの情報を持つ「分身AIアバター」が、仮想空間で受付や案内、営業を行う。 訪れた人の質問に多言語で答え、必要な情報を漏れなく説明する。 人が一人ずつ対応するのではなく、自分の知識を学んだアバターが、いつでも相手に合わせて説明してくれる。そんな働き方が生まれるのではないでしょうか。 自分が何度も説明してきた内容や、経験から得た知識をAIに学ばせておけば、説明のばらつきや伝え忘れを減らせます。 言葉の違いがあっても、相手の言語で案内できるようになるかもしれません。 もちろん、「落ち度なく説明する」ためには、AIに知識を覚えさせるだけでは足りません。 情報を正確に整理し、古くなった内容を更新し、答えられない質問は人につなぐ仕組みも必要です。 それでも、自分の知識や経験を持つ分身AIアバターが、受付や営業の前線で働く未来は、十分に考えられると思います。 AIと仕事の未来――コードと3Dプリンターで広がるものづくり 最近、Second Lifeで建物を置いたり、位置を調整したりしています。 最初は、建物を一つ置くことにも戸惑いました。操作方法を調べ、何度もやり直しながら、少しずつ自分の場所を形にしています。 そこで感じたのは、ものを作ることの入口が、以前より広がっているということです。 仮想空間で建物を作る。AIにコードや設計を作らせる。 3Dプリンターで現実の形にする。 こうしたことがつながっていけば、専門家でなくても、自分の考えたものを形にできる時代が来るのではないでしょうか。 Second Lifeで感じた「自分で作る」面白さ Second Lifeの中で建物を置くことは、現実の建築とは違います。材料費も、法律も、建物の強度も気にせずに試せます。 それでも、何もない場所に建物を置き、位置を直し、少しずつ空間を作っていくと、自分の考えたものが形になる面白さがあります。 もちろん、仮想空間でできたことが、そのまま現実で実現できるわけではありません。 ただ、画面の中でアイデアを試し、形や配置を確かめることはできます。 現実の製品を作る前に、仮想空間で試作や検討を行う場面は、今後さらに増えていくと思います。 AIがコードを作り、3Dプリンターが現物にする 私が考えているのは、AIに文章や画像を作らせるだけの話ではありません。 たとえば、エンジンや機械、さまざまな製品を作るために、目的に合わせた専用のコードや設計データをAIに作らせる。 人間には、その内部の仕組みをすべて理解できないほど複雑なものでも、実際に動き、必要な機能を果たすものが作られるかもしれません。 そして、そのコードや設計データを使い、3Dプリンターで部品や製品を形にする。 仮想空間で考え、AIにコードや設計を作らせ、現実の材料で出力する。 頭の中にあったアイデアが、画面の中だけでなく、手に取れるものになっていくのではないでしょうか。 AIを使った設計案の作成と3Dプリントを組み合わせる方法は、すでに製造分野で紹介されています。 ただし、動けばそれでよいわけではありません。 エンジンや機械のように人の安全に関わるものは、強度や耐久性、故障した時の動きまで確かめる必要があります。 AIが作ったコードや設計に誤りがないか、専門家が検査し、実際に試験することは欠かせません。AI生成コードにも安全上のリスクがあり、確認が必要だと指摘されています。 人間がすべての仕組みを一つずつ作るのではなく、AIに作らせたものを試し、正しく機能するかを確かめる。ものづくりの工程は、そうした形へ変わっていくかもしれません。 仕事は「自分で作る」から「AIに作らせ、確かめる」へ ソフトウェア開発では、作業を依頼するとAIがコードを書くコーディングエージェントも、すでに使われ始めています。 これからは、人間がすべてを自分の手で作るのではなく、AIに目的や条件を伝え、コードや設計を作らせる仕事が増えると思います。 何を作りたいのか。 誰が使うのか。 どんな機能が必要なのか。 どこまでできれば完成なのか。 こうしたことを整理してAIに伝え、できあがったものを試し、問題があれば修正を指示する。 つまり、人間の仕事は 「作業すること」から、 「目的を決めること」 「指示を出すこと」 「結果を確かめること」 へ移っていくのではないでしょうか。 ただ、指示を出せば何でも完成するわけではありません。 何を作るべきかを考え、結果が本当に役に立つかを判断する力は必要です。 AIの作ったものを正しく評価するために、専門知識が重要な場面も残ります。 専門家や技術者がいらなくなるというより、専門家の力をAIと組み合わせたり、専門家ではない人もAIの助けを借りて仕事やものづくりに参加したりする。 私は、まずそのような変化が進むと思います。 10年後、今の仕事のあり方は大きく変わっている 私自身は、これから10年で、今の仕事のあり方のほとんどが置き換わるのではないかと感じています。 ここでいう「置き換わる」とは、すべての仕事がなくなるという意味ではありません。 仕事の進め方や、人間と機械の役割分担が大きく変わるということです。 人が時間をかけていた調査、設計、プログラミング、試作、事務作業などをAIが手伝う。 複数のAIや機械を組み合わせ、一人で進められる仕事の範囲が広がる。 仮想空間で試し、AIに設計させ、3Dプリンターで試作品を作る。 こうした流れがつながれば、これまで人手や費用が足りずに実現できなかった仕事にも取り組めるでしょう。 一人でできることが増えれば、仕事の数や生み出せる成果が大きく増える可能性があります。 一方で、今までの仕事が縮小したり、必要な人の数が減ったりすることも考えられます。仕事が増えるか減るかは、AIだけで決まるものではありません。 それでも、仕事のやり方や求められる役割が大きく変わることは避けられないと、私は見ています。 AGIが進んだ時には、さらに別の段階へ さらにAGIが進んだ時には、今考えている変化とは別の段階に入るかもしれません。 現在は、人間が目的や条件を伝え、AIに作業を依頼する形が中心です。 しかし、AIがより広い範囲を理解し、自分で計画を立て、複数の仕事を続けて進めるようになれば、人間が担う役割そのものが変わるでしょう。 その時、 人間は何を決めるのか。 どこまでAIに任せるのか。 作られたものの責任を誰が持つのか。 技術の進歩だけでなく、仕事の価値や社会の仕組みも考え直すことになると思います。 AGIがいつ、どこまで実現するのかは、今の時点では断言できません。 ただ、そこまで進めば、現在のAIによる仕事の変化とは別の問題として向き合う必要があります。 作れる人が増えた時、何を作るのか Second Lifeで建物を置く。AIに専用のコードや設計を作らせる。 3Dプリンターで現実の形にする。 こうした技術がつながれば、ものづくりは専門家・技術者・研究者だけのものではなくなっていくかもしれません。 それは専門家が不要になるという意味ではありません。 安全性や性能を確かめる専門家の役割は残ります。 その一方で、専門家でなかった人も、自分のアイデアをAIに伝え、試作品を作り、ものづくりに参加できるようになるということです。 私は、これから10年で、仕事の進め方は大きく変わると感じています。 そしてAGIが進んだ時には、さらに別の世界が始まるかもしれません。 Second Lifeで建物を置く小さな体験は、仮想空間と現実空間のものづくり、そして仕事のあり方が変わっていく未来を考えるきっかけになりました。 協同組合かけはし/KAKEHASHI HUMAN MONGOL LLC 後藤友亮/GOTO YUSUKE 静岡県浜松市/モンゴル・ウランバートル 公式サイト:https://www.kakehasi.biz/
- モンゴルでガソリン泥棒――バイクのタンクに穴を開ける被害から考えた、燃料と食糧の備え
モンゴル ガソリン泥棒の投稿から考える燃料不足 モンゴルの知人から、バイクのタンクに穴を開けてガソリンを盗む投稿が送られてきました。 今回の「モンゴル ガソリン泥棒」の投稿は、燃料不足が人々の生活にまで影響していることを感じさせます。 写真には、黒いバイクのタンクに穴が開いた様子が写っています。 投稿には「バイクに乗る人は気をつけて」と注意が添えられ、コメント欄にも、近くの住宅地で同じようなことがあったという声がありました。 ガソリンを盗むだけでなく、タンクまで壊してしまう。 被害にあった人は、燃料を失うだけでなく、修理費や仕事への影響も受けます。 もちろん、SNSの投稿だけで被害がどれほど広がっているかまでは分かりません。 それでも、燃料不足が人々の不安や切実さにつながっていることは伝わってきます。 3〜5時間並んでも、給油できるとは限らない 私が前回モンゴルにいた時も、給油は簡単ではありませんでした。 タンクが空であることを確認して、1人20リットルまでと聞きました。給油所では3時間から5時間も待つことがあり、列に並んでいても、燃料がなくなればそこで終了。 給油所は閉店してしまいます。 ガソリンは、ただ車を走らせるためのものではありません。 車やバイクを使って働く人にとっては、収入を得るための道具です。燃料がなければ仕事に行けない。 商品を運べない。 商売も止まる。 「食事ができないのと同じくらい切実だ」という言葉には、そうした暮らしの重さが表れていると思います。 モンゴル政府も、燃料不足の影響を認めている モンゴル政府は2026年10月、長い給油待ちや高値での販売が起き、燃料不足が家計や企業に支障を与えていると説明しました。 9月に輸入されたAI-92ガソリンは64,573トンで、通常の消費には足りる量だった一方、買いだめなどで需要が急増すると月75,000〜80,000トンに達するとのことです。 詳しくはモンゴル政府の発表にあります。 政府はロシアからの調達に加え、中国や韓国からも燃料を確保しようとしています。 ただし、契約した量がすべてすぐに届くとは限りません。 10月上旬にも、給油所によって販売状況に差があり、行列や品切れが続いていると現地報道で伝えられました。 モンゴルは燃料需要の大部分を輸入に頼り、ロシアが主要な供給元です。 ロシア側の製油所被害や供給制約がモンゴルにも波及したとReutersは報じています。 ロシアが政府間契約に基づいて供給を続けていても、供給元の事情が変われば、モンゴル国内の給油にも影響が出ます。 石炭資源は強み。でも、ガソリンの代わりにはならない モンゴルは石炭を国内で産出でき、電力や暖房の多くを石炭火力で支えています。 これは大きな強みです。しかし、自動車やバイクを動かすガソリン・軽油は別の問題です。 国内に石炭があっても、輸送燃料が不足すれば、仕事や物流は止まってしまいます。 エネルギー規制委員会によると、2024年のモンゴルの電力消費は国内発電で約75%をまかない、残り約25%を輸入していました。 資源国であっても、すべてのエネルギーを国内だけでまかなえているわけではありません。エネルギー規制委員会の資料で確認できます。 日本も他人事ではない 日本でも、太陽光発電所のケーブルや銅などを狙う金属盗が問題になっています。 警察庁によると、金属盗の認知件数は2024年に20,701件となり、前年から27.2%増えました。 また、2025年の窃盗犯全体は前年比2.5%増、自動車盗は5.0%増、オートバイ盗は25.0%増、侵入窃盗は9.8%増でした。 すべての盗難が増えているという意味ではありませんが、身近な窃盗の一部が増えていることは確かです。 警察庁も金属盗対策法を整備し、盗品の流通や犯行用具への規制を進めています。 法務省の犯罪白書と警察庁の犯罪情勢に資料があります。 もし日本でもガソリンが手に入りにくくなったら、燃料をめぐる盗難がさらに増えるのではないか。 私は、モンゴル以上に増える可能性さえあるように感じます。 ただし、これは私の懸念であり、燃料不足と盗難増加の関係を示す統計があるわけではありません。 国ごとの状況も違うため、どちらが多くなるか断定はできません。 それでも、銅やケーブルの盗難がすでに問題になっている今、燃料不足を遠い国の出来事として片づけることはできないと思います。 自給率だけでなく、備蓄と流通も必要 この問題は、食糧にも当てはまります。 国内で作る力があっても、保管する場所がなければ長く持ちません。必要な時に加工し、運ぶ仕組みがなければ、食卓まで届きません。 何でも国内だけでまかなうのは、費用や気候、土地の条件を考えると現実的ではありません。 それでも、燃料・食糧・医薬品・肥料など、供給が止まると生活や産業への影響が大きいものは、国内生産、備蓄、輸入先の分散を組み合わせる必要があります。 備蓄は、問題をすべて解決するものではありません。しかし、輸入が止まった時に、別の調達先を探し、物流を立て直すための時間をつくります。 備蓄量だけでなく、どこに保管するか、誰に優先して配るか、使った分をどう補充するかまで決めておくことが大切です。 「安く買える」だけでは、国の安心は守れない 平時には、海外から安く買えることが効率的に見えます。 しかし、供給が途絶えた時に、国民の生活や仕事をどこまで維持できるかも考えておかなければなりません。 自給率を高めることは、すべてを自国で作ることではないと思います。 国内で作れるものは作り、難しいものは備蓄し、輸入先を分散する。 そして、必要な人に届ける流通網を保つ。そうした仕組みがあって初めて、資源の豊かさや海外との取引が、国民の暮らしを支える力になります。 バイクのタンクに穴を開けてガソリンを盗む投稿を見て、燃料不足は数字だけの話ではないと感じました。食糧もエネルギーも「買える時に買う」だけでは足りない。 自国にない重要なものほど、平時から備えておく。 その当たり前の準備が、いざという時に仕事と暮らしを守るのではないでしょうか。 参考資料 モンゴル政府:燃料を円滑に供給するよう事業者に要請(2026年10月2日) Reuters:ロシアの燃料不足がモンゴルにも波及(2026年9月3日) IBTimes Mongolia:モンゴルの燃料供給と備蓄状況(2026年9月29日) モンゴル・エネルギー規制委員会:2024年の電力需給 警察庁:金属盗対策 法務省:令和7年版 犯罪白書・金属盗の状況 警察庁:令和7年の犯罪情勢 参考資料 モンゴル政府:燃料を円滑に供給するよう事業者に要請(2026年10月2日) Reuters:ロシアの燃料不足がモンゴルにも波及(2026年9月3日) IBTimes Mongolia:モンゴルの燃料供給と備蓄状況(2026年9月29日) モンゴル・エネルギー規制委員会:2024年の電力需給 協同組合かけはし/KAKEHASHI HUMAN MONGOL LLC 後藤友亮/GOTO YUSUKE 静岡県浜松市/モンゴル・ウランバートル 公式サイト:https://www.kakehasi.biz/












