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  • 弱りきった日本へ──市場は政府の「税金の使い方」に厳しい評価を下した

    7月21日以降の市場の反応を見る限り、政府が掲げた政策について、市場は「十分な成長や税収増につながる」という期待よりも、「財政負担が増える」という懸念を強く抱いたと考えられます。 言い換えれば、日本市場は、政府が使うお金が将来の成長や税収増として十分に回収されるのかについて、必ずしも高い信頼を置いていないということです。 その背景には、長年にわたる低い経済成長率に加え、公共事業や補助金の費用対効果を巡る議論、そして国と地方を合わせた巨額の債務残高があります。 こうした状況の中で、市場は新たな大型財政支出を「成長への投資」と見るよりも、「将来の財政負担が増える可能性」として受け止めたため、円安の進行や長期金利の上昇という反応につながったと考えられます。 協同組合かけはし/KAKEHASHI HUMAN MONGOL LLC  後藤友亮/GOTO YUSUKE 静岡県浜松市/モンゴル・ウランバートル     公式サイト:https://www.kakehasi.biz/

  • ついに市場が日本に迫る「金融正常化」の時

    また、日本政府が強く警戒するドル円相場は、おおむね1ドル=160円前後が一つの重要な節目として市場でも意識されているようです。 今回、日米協調による為替介入が行われたものの、市場の反応は期待されたほど大きくはありませんでした。このことは、為替介入だけでは円安を抑え続けることの限界を市場が意識している可能性を示しています。 そのため、市場では今後、日銀が政策金利をさらに引き上げる必要性が高まるとの見方も強まっています。仮に円安圧力や物価上昇が続けば、政策金利が1.5~1.75%程度まで引き上げられる可能性も、一つのシナリオとして十分考えられます。 もちろん、実際の金利は景気や物価、海外経済など複数の要因によって決まるため断定はできません。しかし、為替介入だけでは市場の流れを変えにくいことが示された以上、金融政策の正常化へ一段と踏み込まざるを得ない状況に近づいているようにも見えます。 日本はこれまで超低金利という特殊な環境を維持してきましたが、世界的な金利正常化の流れの中で、政治的には望まなくても、市場の力によって日本経済も正常化へ向かわざるを得ない局面を迎えているのかもしれません。 協同組合かけはし/KAKEHASHI HUMAN MONGOL LLC  後藤友亮/GOTO YUSUKE 静岡県浜松市/モンゴル・ウランバートル     公式サイト:https://www.kakehasi.biz/

  • 日銀は、できることなら利上げを避けたいという思惑から、最後の手段として日米協調による為替介入に踏み切ったように見えます。

    しかし、市場の反応は期待されたほどではありませんでした。 これは単に円が売られているというより、日本経済の将来に対する市場の期待そのものが弱くなっている可能性を示しています。 市場が見ているのは「お金をどれだけ使うか」ではなく、「そのお金が将来の成長や税収につながるのか」という点です。これまで成長率が伸び悩む中で、税金の使い方に対する信頼が十分に得られてこなかったことが、現在の市場評価につながっているとも考えられます。 株価も同じで、企業の将来性や成長への期待があれば買われます。反対に、期待が薄れれば資金は離れていきます。 国債市場も本質は同じです。将来への期待や財政運営への信頼が低下すれば、投資家はより高い利回りを求めるため、長期金利は上昇しやすくなります。 もちろん、金利上昇の背景にはインフレや海外金利など複数の要因がありますが、現在の日本では財政運営への信認も重要な要素の一つと考えられます。 そのような状況で市場の信頼を取り戻すには、財政運営への期待を高める政策とともに、円安やインフレへの対応として日銀がより踏み込んだ利上げを行うことも、有力な選択肢になるという見方があります。 協同組合かけはし/KAKEHASHI HUMAN MONGOL LLC  後藤友亮/GOTO YUSUKE 静岡県浜松市/モンゴル・ウランバートル     公式サイト:https://www.kakehasi.biz/

  • 円の弱さが浮き彫りに──為替介入が「外貨を買うチャンス」になってしまう現実

    最近の為替相場を見ていると、改めて円の弱さを感じます。 円安が進めば政府は為替介入で円を買い支えます。しかし、介入だけでは海外との金利差は変わりません。 しかも現在は、市場から**「165円前後まで円安が進めば介入警戒が一気に高まる」**というラインまで意識され始めています。 そうなると、 円を売る → 介入を待つ → 円高になったところで再び外貨を買う という動きまで生まれかねません。 実際、海外でも生活している私自身、為替のタイミングを見ながら円を外貨へ換えています。 今回も介入によって円高に動いたタイミングをチャンスと考え、円建てで保有していたまとまった資金をモンゴル・トゥグルグへ換金しました。 つまり私自身の行動を振り返っても、為替介入による一時的な円高が、逆に外貨を買う絶好のタイミングになっているのです。 これでは介入だけで円安を止めるのは難しいと思います。 必要なのは、 「円安になれば介入する」という発信ではなく、「早期に利上げを進め、必要ならさらに金利を上げる」という強い姿勢を市場に示すこと。 円を売れば利益が出る、介入されたらまた外貨を買えばいい。 市場にそう思われている状況そのものを変えなければ、根本的な円安対策にはならないのではないでしょうか。 為替介入で時間を稼ぎ、その間に金利政策で円そのものの魅力を取り戻す。 海外で実際に生活し、円を外貨へ換えている立場だからこそ、今はその必要性を強く感じています。 協同組合かけはし/KAKEHASHI HUMAN MONGOL LLC  後藤友亮/GOTO YUSUKE 静岡県浜松市/モンゴル・ウランバートル     公式サイト:https://www.kakehasi.biz/

  • 日米の金利差が現在と大きく変わらない場合のシナリオレンジ(AIと私ほぼ同意見)

    今後は「次に0.25%上げるか」より、「日銀が最終金利を1.5%・1.75%・2%のどこまで市場に意識させるか」を一番見ます。そこが変わったときが、円相場の本当の転換点になりそうです。 150円〜170円 1.50% 90% ほぼ確実 2027年3月までに累計+0.50%を完全に織り込み済み 145円〜160円 1.75% 70% 本命に近い 110円〜145円(私) 125円〜145円(AI) 2.00% 40% あり得るが、ハードルあり あわせて読みたい ① 金利1.50%・ドル円150〜170円のシナリオ ② 金利1.75%・ドル円145〜160円シナリオ。 ③ 金利2.00%・ドル円125〜145円(AI)/110〜145円(自身)シナリオ

  • ① 金利1.50%・ドル円150〜170円のシナリオ「企業には比較的耐えやすいが、家計にはまだ厳しい」

    輸出企業、とくに自動車、機械、電子部品など海外売上比率が高い企業にはかなり有利です。150〜170円なら海外利益を円換算したときの利益が大きくなり、日本国内で生産して輸出する企業の価格競争力も維持されます。反対に、原油、LNG、食料、原材料などを輸入する企業には引き続き重い負担です。円安による仕入れ高を価格転嫁できない中小企業ほど苦しくなります。 家計にとっても、150〜170円はかなり円安です。輸入物価を通じて、ガソリン、電気・ガス、食品、海外旅行などの負担が残ります。そのため、政策金利を1.5%まで上げても、物価面では「利上げしたのに生活がまだ楽にならない」という状態になりやすいです。 住宅ローンは逆に確実に重くなります。日銀によれば、新規住宅ローン利用者の約75%が変動金利を選んでおり、変動型は政策金利上昇に伴って上がっています。 ただし1.5%程度なら、住宅市場が急停止するほどではなく、購入能力が徐々に落ちる段階だと思います。 企業借入も同じです。利益率の高い大企業にはまだ耐えられますが、建設、不動産、飲食、運送、小売など、借入依存が高く利益率の低い企業には効いてきます。 総合すると、 輸出企業 ◎ 輸入企業 × 家計 △〜× 住宅市場 △ 中小企業 △ 銀行 ○ あわせて読みたい 3つの為替 • 金利シナリオでみる日本経済の影響比較 3シナリオを、実際の企業・業種に落としてみました。 協同組合かけはし/KAKEHASHI HUMAN MONGOL LLC  後藤友亮/GOTO YUSUKE 静岡県浜松市/モンゴル・ウランバートル     公式サイト:https://www.kakehasi.biz/

  • ② 金利1.75%・ドル円145〜160円。私はここが一番バランスが変わるゾーンだと思います。

    145〜160円まで円高になると、輸入企業にはかなり助けになります。エネルギーや原材料、食品の輸入コストが下がり始め、物価上昇圧力も弱くなります。 輸出企業にとっては、まだ145円以上なら「円高で苦しい」という水準ではありません。むしろ歴史的には十分円安です。ただし、170円近辺を前提に利益計画を立てていた企業なら為替差益が減るため、利益の伸びは鈍ります。 ここで一番影響が強くなってくるのが借金をしている側です。 住宅ローンでは、1.75%まで政策金利が上がれば、変動金利の負担増がかなり目立ってきます。特に近年、大きな住宅ローンを長期・変動で組んだ世帯ほど効きます。日銀も、変動型住宅ローンが多数を占めるため、利上げで名目利払いが増えると明確に指摘しています。 企業も、借入金が多い会社では「売上は同じなのに利息だけ増える」という状態になります。 例えば借入10億円なら、平均調達金利が1%上がるだけで単純には年間1,000万円の追加利息です。利益1億円の会社なら利益の10%が消えます。 したがって1.75%あたりから、 ゾンビ企業・低収益企業・過大借入企業の淘汰 がかなり進みやすくなると思います。 銀行は逆に、貸出金利上昇によって利ざや改善の恩恵を受けやすいです。実際、日銀は大手・地域銀行の利益が国内貸出の利息収入増加などで改善しているとしています。 総合すると 、 輸出企業 ○ 輸入企業 ○〜◎ 家計 △ 住宅市場 △〜× 中小企業 △〜× 銀行 ◎ というところだと思います。 私はこの1.75%・145〜160円が、日本経済にとってかなり現実的な「痛みはあるけれど、円安も少し抑えられる」ゾーンだと思います あわせて読みたい 3つの為替 • 金利シナリオでみる日本経済の影響比較 3シナリオを、実際の企業・業種に落としてみました。 協同組合かけはし/KAKEHASHI HUMAN MONGOL LLC  後藤友亮/GOTO YUSUKE 静岡県浜松市/モンゴル・ウランバートル     公式サイト:https://www.kakehasi.biz/

  • ③ 金利2.00%・ドル円125〜145円(AI)/110〜145円(自身) ここまで来ると、景色がかなり変わります。

    まず輸入企業には非常に大きなプラスです。 ドル円130円前後になれば、160円と比べてドル建て輸入品は円換算で約19%安くなります。原油、LNG、穀物、飼料、化学原料、部品などのコスト低下が大きく、日本国内の物価上昇をかなり抑える方向に働きます。 つまり、 ガソリン 電気・ガス 食品 輸入品 には強い恩恵です。 一方、輸出企業には逆風です。特に110〜125円まで円高になると、自動車や機械などは為替差益がかなり消えます。ただ、今の日本の大手企業は海外現地生産も多いため、「円高=即壊滅」ではありません。むしろ国内から直接輸出する比率が高い企業ほど影響が大きいです。 一番怖いのは、金利2%そのものです。 政策金利2%なら住宅ローン・企業融資・不動産融資の金利も現在よりかなり高くなる可能性があります。 日銀によれば、日本の家計金融資産は約2,400兆円、負債は約400兆円で、家計全体では資産超過です。そのため利上げは預金金利上昇というプラスもあります。 ただし「平均的な日本人」という統計と、住宅ローンを抱える現役世代は別です。 高齢者・現金預金の多い世帯 → 利上げメリット 住宅ローンを多く抱える若い世帯 → 利上げデメリット になります。 ここは世代間でかなり差が出ます。 企業も同じで、 無借金・現金豊富な企業 → 強い 借金が多い企業 → 苦しい という二極化が進みます。 特に不動産業はかなり影響を受けます。物件利回りが4%なのに借入金利が3%近くなれば、投資妙味が急激に薄れます。結果として不動産価格にも下落圧力がかかりやすくなります。日銀も現在、実物不動産関連融資の伸びが加速している点をリスクとして注視しています。 さらに政府も無関係ではありません。 日本国債の借り換えが進むにつれて政府の利払い費が増えるため、2%の世界が長期間続けば財政にはかなり大きな負担になります。だからこそ市場が「日銀は本当に2%まで上げられるのか」と疑うわけです。 総合評価すると、 輸出企業 △〜× 輸入企業 ◎ 家計 ○〜✖️(資産構成で極端に分かれる) 住宅市場 ✖️✖️ 借入の多い中小企業 ✖️ 無借金企業 ◎ 銀行 ○〜◎ 政府財政 ✖️ あわせて読みたい 3つの為替 • 金利シナリオでみる日本経済の影響比較 3シナリオを、実際の企業・業種に落としてみました。

  • 3つの為替 • 金利シナリオでみる日本経済の影響比較

    3シナリオを、実際の企業・業種に落としてみました 「政策金利2%は、円安を止めるための一つの着地点になり得る。しかし、2%にすれば日本経済全体が良くなるわけではない。むしろ、円安による痛みが減る一方で、金利上昇による別の痛みが強くなる。」 つまり、「円安の副作用」と「高金利の副作用」を交換するような面があります。 たとえば円高になれば、原油・LNG・食料・原材料などの輸入価格が下がりやすく、家計や輸入企業には大きなプラスです。一方、2%まで政策金利が上がれば、住宅ローン、企業融資、不動産投資、設備投資などにはかなり強いブレーキがかかります。日銀自身も、金利上昇は企業や個人の借入コストを上げ、経済活動を抑制する方向に働くと説明しています。 さらに重要なのは、同じ日本国内でも勝ち負けが大きく分かれることです。預金・現金を多く持つ家計や無借金企業、輸入企業には追い風。一方、変動住宅ローン世帯、借入金の多い中小企業、不動産・建設などには逆風です。日銀も「借入超過主体は負担増、貯蓄超過主体は受取利息増」と整理しています。

  • 3シナリオを、実際の企業・業種に落としてみました。これはかなり見え方が変わります。「円高なら日本に良い」「円安なら輸出企業に良い」とは限りません。

    対象 1.50%・150〜170円 1.75%・145〜160円 2.00%・125〜145円 トヨタ ◎ ○〜◎ △〜○ ユニクロ △ ○ ◎ イオン等小売 △〜× ○ ◎ 電力会社 △〜× ○ ◎ 不動産会社 ○〜△ △ × 銀行 ○ ◎ ○〜◎ 住宅ローン世帯 △ × ×× トヨタ:1.5%・150〜170円ならかなり強い トヨタのようなグローバル輸出企業は、円安ほど海外で稼いだ利益を円換算したときに膨らみやすいです。トヨタ自身も為替変動を重要な経営リスクとして明示しています。 150〜170円なら、為替面ではかなり有利です。ただし、原材料や海外部品の輸入コストは上がります。 1.75%・145〜160円くらいなら、私はむしろトヨタにとってかなり健全なゾーンだと思います。まだ十分円安なので輸出採算が良く、極端な円安による国内コスト上昇も多少抑えられます。 2%・125〜145円になると為替差益はかなり減ります。ただ、トヨタは海外現地生産も非常に大きいため、昔の日本企業ほど「円高=即大打撃」ではありません。 なので、 170円→150円は利益減少要因ですが、 150円→130円になったら経営危機 というほど単純ではないです。 ユニクロ:むしろ円高メリットがかなり大きい これは非常に分かりやすい企業です。 ユニクロ日本事業は海外から大量の商品を仕入れています。実際、ファーストリテイリング自身が2026年度について、円安になった為替予約によって日本事業の原価率が悪化した一方、円高側で確保できた為替予約では原価率が改善したと説明しています。 したがって、 170円 → かなり厳しい 150円 → まだ高い 140円 → かなり改善 125〜130円 → 日本事業には強烈な追い風 になります。 ただしユニクロは現在、海外事業の方が非常に大きくなっています。2026年5月までの9カ月では、ユニクロ海外事業の売上高は約1.83兆円に達しています。 だから円高になると、海外利益を円に換算した数字は逆に小さくなります。 つまりユニクロは、 国内事業 → 円高メリット 海外事業 → 円安メリット という両面があります。 企業全体では、125円くらいまでの円高なら「大打撃」というより、利益の出る場所が変わるという感じです。 イオンなど小売:円高の恩恵がかなり大きい スーパー、ドラッグストア、家具、衣料、家電などは、直接・間接に輸入商品が非常に多いです。 円が160円から130円になれば、ドル建て商品は単純な為替換算なら約19%円価格が低下します。 もちろん実際には、 物流費 人件費 原材料価格 為替予約 などがあるので商品価格が19%下がるわけではありません。 それでも仕入れ原価には相当効きます。 そのため、 1.50%・150〜170円 → ×寄り 1.75%・145〜160円 → ○ 2.00%・125〜145円 → ◎ です。 消費者に値下げとして還元する余地も増えるので、実質賃金にもプラスになります。 電力会社:2%+円高のメリットはかなり大きい これは日本全体への影響が大きいです。 日本はLNG、石油、石炭などを大量に輸入しています。 ドル円160円から130円なら、同じ100ドルの燃料でも、 160円なら 16,000円 130円なら 13,000円 です。 約19%違います。 資源価格そのものが変わらないとすれば、円高は燃料費をかなり押し下げます。 すると、 電気代 ガス代 ガソリン代 物流費 工場の電力費 まで波及します。 ここが2%利上げ+円高の最大のメリットだと思います。 ただし電力会社自身も巨額の設備投資・借入を抱えているので、金利2%は金融費用の面ではマイナスです。 つまり、 為替では大幅プラス 金利ではマイナス ですが、日本経済全体から見ると円高によるエネルギーコスト低下の効果は非常に大きいです。 不動産会社:2%が一番厳しい ここは為替より金利です。 例えば収益物件を、 利回り4% で持っているとします。 借入金利が1%ならかなり利益が出ます。 しかし、 借入2% 借入2.5% 借入3% となってくると、利益幅が急速に縮みます。 特に、 土地を借金で購入 建設費も借金 完成後も借金を残す という事業モデルはかなり影響を受けます。 だから、 1.50% → まだ対応可能 1.75% → 採算案件を選別 2.00% → 不採算案件が急増 という流れになりやすい。 マンション価格にも効きます。 「物件価格1億円でも金利1%なら買える」 人が、 「金利3%なら7,000万円じゃないと買えない」 ということが起こります。 したがって、2%まで政策金利が上がれば、私は不動産価格が一番調整しやすい分野の一つだと思います。 銀行:1.75%くらいが一番おいしい可能性 銀行は基本的に、 預金金利より貸出金利の方が速く・大きく上がれば利益が増えます。 すでにMUFGなど大手銀行は金利正常化の恩恵を受ける環境になっています。MUFGの2026年3月期の連結粗利益は前年から約1.13兆円増えています。 そのため、 1.50% → ○ 1.75% → ◎ あたりは非常に良い可能性があります。 しかし2%になると事情が少し変わります。 借り手の倒産 不動産価格下落 住宅ローン延滞 企業の設備投資減少 が増える可能性があるためです。 銀行にとっては、 高金利=無限に良い ではありません。 「貸出金利が上がるけれど、借り手はまだ元気」という1.5〜1.75%付近が最もおいしい可能性があります。 住宅ローン世帯:ここだけは非常に分かりやすくマイナス 日本では変動金利型住宅ローンが多数派です。日銀も、金利上昇によって住宅ローンの名目利払い負担が増えると指摘しています。 例えば4,000万円の住宅ローンなら、単純化すると金利差1%だけでも年間40万円相当です。 実際の返済額は残存期間や元利均等返済などで違いますが、 1.5% → じわじわ負担 1.75% → 家計でかなり実感 2% → 高額ローン世帯には相当効く という世界です。 特に問題なのが、 若い世代ほど住宅ローンが多い 高齢世代ほど預金が多い ということです。 金利2%になると、 預金5,000万円の高齢世帯 → 金利収入増 住宅ローン5,000万円の現役世帯 → 利払い増 となります。 日銀自身も、住宅ローンが家計負債の中心であり、累積的な返済負担増を注意して見る必要があるとしています。 ここから見える日本全体の「最適点」 私はやはり1.75%・ドル円145〜160円付近が非常に興味深いと思います。 1.5%だと、 輸出企業には良い しかし円安物価高が残る 2%だと、 円高・輸入物価低下には非常に良い しかし住宅・不動産・借入企業へのダメージが大きい その中間の1.75%なら、 輸出企業はまだ十分利益が出る 輸入企業も多少楽になる エネルギー価格も改善 銀行は利益を取りやすい 住宅ローンへのショックも2%より小さい というバランスになります。 そして、ここで面白いのが先ほどの話につながります。 市場が「1.75%で止まる」と思えば、ドル円145〜160円程度。 市場が「2%まで確実に行く」と信じれば、実際に2%になる前から円高になる。 つまり日本にとって重要なのは、単純に金利を上げることではなく、どの水準まで上げる意思を市場に信用させるかなのだと思います。 協同組合かけはし/KAKEHASHI HUMAN MONGOL LLC  後藤友亮/GOTO YUSUKE 静岡県浜松市/モンゴル・ウランバートル     公式サイト:https://www.kakehasi.biz/

  • 「海外に出ると分かる円安の恐怖──2,800万円が、かつてなら1,400万円の感覚」

    日本にいると、円安の影響として最初に感じるのは、食料品やガソリン、電気・ガスなどの値上がりです。 日本はエネルギーや食料、原材料の多くを海外から輸入しているため、円が安くなれば、その負担が生活費に直接跳ね返ってきます。 しかし、実際に海外で生活してみると、円安の恐ろしさはそれだけではないことを強く感じます。 「日本人から見た世界そのものが、高くなってしまう」からです。 1ドル80円だったら、同じマンションが約1,400万円 今回、私が購入したモンゴルの約90㎡のマンションは、日本円にすると約2,800万円でした。 もちろん単純計算ではありますが、もし為替がかつての1ドル80円前後のような円高水準だったとすれば、日本円で見た負担感は大きく変わり、感覚的には約1,400万円程度の世界になります。 そう考えると、モンゴルの不動産が突然ものすごく高くなったというより、 「円の価値が下がったことで、日本人から見て高くなった」 という側面も非常に大きいと思います。 食事についても同じです。 今の為替では「モンゴルも意外と食費が高い」と感じることがありますが、円が現在の倍近い購買力を持っていた時代の感覚なら、決して高いとは感じなかったでしょう。 問題は「世界から見ても高いのか?」 ここで不動産を見るうえで大切だと思ったことがあります。 日本人の感覚だけで「高い・安い」を判断してはいけないということです。 円安によって日本人には高く見えていても、ドルやユーロなど他の通貨を持つ外国人から見れば、同じように高くなっているとは限りません。 しかもモンゴル、特にウランバートルは現在も都市開発が続いています。 マンションや高層ビルが次々と建設され、半年ほど離れただけでも街の景色が変わったと感じるほどです。 そうした成長を考えると、外国人投資家の目線では、現在の価格でも「まだ高すぎない」と判断される物件があっても不思議ではありません。 私は「今の倍くらい」が一つの高値の目安ではないかと考えている もちろん未来の不動産価格は誰にも分かりません。 それでも、実際に現地を見てきた私の感覚では、立地の良い不動産については、現在の価格からさらに上昇する余地があり、今の倍程度までが一つの長期的な高値の目安になる可能性もあると考えています。 ただし、モンゴルならどこの不動産でも良いという意味ではありません。 これから重要になるのは、 「外国人も欲しがる場所かどうか」 だと思います。 世界のお金が国境を越えて動く現在、不動産も国内だけを見て価格が決まる時代ではなくなっています。 交通、商業施設、治安、街のブランド、眺望、教育環境、将来の都市開発など、外国人から見ても魅力のあるエリアには資金が集まりやすくなります。 「不動産は預金」という感覚 私は不動産を短期間で売買して利益を出すというより、**「預金するような感覚で持つ」**ことを基本に考えています。 ただし、「不動産なら買えば損をしない」という意味ではありません。 人口が減る地域や供給過剰の地域、外国人需要のない場所では、価格が下がる可能性も当然あります。 だからこそ、 成長する国 × 成長する都市 × 外国人も欲しがる場所 という3つを重視します。 その条件を満たす物件を長期保有するのであれば、単なる値上がり狙いではなく、資産を別の国・別の通貨圏に置いておくという意味も出てきます。 円安で気づいた、本当に怖いこと 円安の本当の怖さは、スーパーの商品が100円、200円高くなることだけではありません。 日本人の「世界に対する購買力」が落ちていくことです。 海外旅行、海外留学、海外不動産、海外企業への投資、輸入品……。 同じものを買うために、日本人だけが以前より多くの円を必要とするようになります。 逆に考えれば、円だけで資産を見るのではなく、 「世界から見たら、この資産はいくらなのか?」 という視点を持つことが、これからますます重要になるのではないでしょうか。 モンゴルで生活し、不動産を実際に購入してみて、円安というものをニュースの為替レートではなく、自分自身の財布で実感しました。 私にとって今回の経験は、**「円安とは物価高ではなく、日本人の世界での購買力が低下すること」**だと改めて考えるきっかけになりました。 「この記事を読んだ人におすすめ」→ 関連記事 モンゴル中心部新築マンションはいくら? Eco Tower Oneだけじゃない モンゴルはインフレに悩み、日本は低成長に悩む 協同組合かけはし/KAKEHASHI HUMAN MONGOL LLC  後藤友亮/GOTO YUSUKE 静岡県浜松市/モンゴル・ウランバートル     公式サイト:https://www.kakehasi.biz/

  • 日本はなぜ減税しにくく、税負担が重くなっていくのか?

    30年という期間で見るなら、これはもう**「期待が持てない」では少し弱くて、「過去の実績から、市場が高い成長力を前提に財政を評価しなくなった」**と表現した方が近いです。 日本はこの30年、何度も景気対策、補助金、公共投資、金融緩和、成長戦略を実施してきました。それでも、名目GDP・賃金・生産性・潜在成長率が、財政問題を自然に解消するほど持続的に伸びたわけではありません。 市場は未来を予測しますが、その予測の土台にあるのは当然、過去の実績です。 だから現在の市場から見ると、 「今回こそ政府支出が成長につながり、将来の税収が大幅に増える」 と言われても、それを最初から国債価格に織り込むのは難しい。 むしろ、 過去30年の実績→ 巨額の政府支出を続けた→ 債務は膨張した→ 十分な高成長にはつながらなかった→ 今後は高齢化で社会保障費も増える→ 金利まで上昇してきた という実績を見て判断します。 だから、 ここから食料品の消費税を減税すると、市場がまず計算するのは、 「減税によって経済が成長して、数年後に税収が増える」 ではなく、 「年間の税収が減る。その穴をどう埋める?」 になってしまうわけです。 そして歳出削減も成長率の大幅上昇も確実視できなければ、残る答えは、 税収を維持する、あるいは増やす。 です。 ここはかなり皮肉ですが、重要です。 市場は必ずしも、 「日本人からもっと税金を取るべきだ」 と考えているわけではありません。 むしろ、 「日本政府が集めたお金を使って経済を大きく成長させる、という前提では日本国債を評価できない。ならば、少なくとも現在の税収を減らさないでほしい」 ということです。 私は今回の日経の記事の背景には、この心理がかなりあると思います。 「世界でも真面目に働く日本人なのに、なぜこうなったのか」という疑問にもつながります。 問題を単純に、 「国民の負担が足りない」 とすると、本質を外します。 むしろ30年間の結果から考えるなら、 国民から集める力はある。しかし、そのお金を将来の所得・企業利益・GDP・税収を増やす方向へ変換する力について、市場から十分な信用を得られていない。 ここだと思います。 協同組合かけはし/KAKEHASHI HUMAN MONGOL LLC  後藤友亮/GOTO YUSUKE 静岡県浜松市/モンゴル・ウランバートル     公式サイト:https://www.kakehasi.biz/

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