日本はなぜ減税しにくく、税負担が重くなっていくのか?
- 後藤 友亮

- 8月13日
- 読了時間: 2分

30年という期間で見るなら、これはもう**「期待が持てない」では少し弱くて、「過去の実績から、市場が高い成長力を前提に財政を評価しなくなった」**と表現した方が近いです。
日本はこの30年、何度も景気対策、補助金、公共投資、金融緩和、成長戦略を実施してきました。それでも、名目GDP・賃金・生産性・潜在成長率が、財政問題を自然に解消するほど持続的に伸びたわけではありません。
市場は未来を予測しますが、その予測の土台にあるのは当然、過去の実績です。
だから現在の市場から見ると、
「今回こそ政府支出が成長につながり、将来の税収が大幅に増える」
と言われても、それを最初から国債価格に織り込むのは難しい。
むしろ、
過去30年の実績→ 巨額の政府支出を続けた→ 債務は膨張した→ 十分な高成長にはつながらなかった→ 今後は高齢化で社会保障費も増える→ 金利まで上昇してきた
という実績を見て判断します。
だから、
ここから食料品の消費税を減税すると、市場がまず計算するのは、
「減税によって経済が成長して、数年後に税収が増える」
ではなく、
「年間の税収が減る。その穴をどう埋める?」
になってしまうわけです。
そして歳出削減も成長率の大幅上昇も確実視できなければ、残る答えは、
税収を維持する、あるいは増やす。
です。
ここはかなり皮肉ですが、重要です。
市場は必ずしも、
「日本人からもっと税金を取るべきだ」
と考えているわけではありません。
むしろ、
「日本政府が集めたお金を使って経済を大きく成長させる、という前提では日本国債を評価できない。ならば、少なくとも現在の税収を減らさないでほしい」
ということです。
私は今回の日経の記事の背景には、この心理がかなりあると思います。
「世界でも真面目に働く日本人なのに、なぜこうなったのか」という疑問にもつながります。

問題を単純に、
「国民の負担が足りない」
とすると、本質を外します。
むしろ30年間の結果から考えるなら、
国民から集める力はある。しかし、そのお金を将来の所得・企業利益・GDP・税収を増やす方向へ変換する力について、市場から十分な信用を得られていない。
ここだと思います。




コメント