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- 序章 : 人生の研究者――なぜか、その時々に必要な人が偶然現れる不思議なご縁
私は57年間生きてきて、ずっと不思議に感じていることがあります。 それは、人生の節目になると、なぜかその時の自分に必要だったと思える人が現れることです。 仕事を始めた時。 大きな問題にぶつかった時。 人生の方向が変わった時。 海外へ出た時。 そして、自分では想像もしていなかった世界へ進むことになった時。 振り返ってみると、そこにはいつも「人との出会い」がありました。 最初から、その人が重要な人物だと分かっていたわけではありません。 たまたま同じ場所にいた。 誰かから紹介された。 仕事で知り合った。 旅先で偶然話をした。 中には、その時にはむしろ「出会わなければよかった」と思った人さえいたかもしれません。 ところが何年、何十年と経って振り返ってみると、その出会いがあったから、その後の人生が変わっていたことに気づくことがあります。 私は子どもの頃から、 天は、その時の自分に必要なものを、「良いもの」も「悪いもの」も含めて、その都度与えてくれるのではないか。 そんなことを感じてきました。 もちろん、これは証明できる話ではありません。 単なる偶然なのかもしれません。 私自身が若い頃から仕事を始め、多くの人と出会い、さまざまな場所へ行ってきたため、普通より偶然が起きる機会が多かっただけなのかもしれません。 人間には、過去を振り返った時に、偶然の出来事に意味を見つけようとする性質もあるでしょう。 それでも私には、どうしても不思議に思える出会いや出来事がいくつもあります。 そして、そう感じていたのは私だけではありません。 昔から私の人生を近くで見てきた人たちからも、 「それにしても、見ていて出来すぎている」 「なぜ、そんなタイミングでそんな人と出会うのか」 と、不思議がられることが何度もありました。 もちろん、周囲の人まで不思議に感じたからといって、それが運命だったことの証明になるわけではありません。 ただ、自分一人が後から都合よく意味をつけているだけではなく、周囲から見ても不思議に映るようなことが、私の人生では何度も繰り返されてきました。 なぜ、あの時だったのか。 なぜ、あの場所だったのか。 なぜ、あの人だったのか。 一つだけなら偶然でしょう。 しかし、それが人生の中で何度も繰り返されると、私はどうしても考えてしまいます。 人生とは、本当に偶然だけでできているのだろうか、と。 良い出来事だけが「ご縁」ではなかった 私は最近、自分のことを「人生の研究者」と表現するようになりました。 研究といっても、学問として研究しているわけではありません。 研究材料は、私自身の人生です。 成功したこと。 失敗したこと。 人に助けてもらったこと。 人に裏切られたこと。 時には、人から嫉妬され、思いもしなかった出来事に巻き込まれたこと。 そして、人生を変えることになった人との出会い。 私にとって「ご縁」とは、良い人との出会いだけではありません。 むしろ、その時には「なぜ自分がこんな目に遭うのだろう」と思った出来事が、後になって大きな意味を持っていたことが何度もありました。 その時には最悪だと思っていたのに、何年か経って振り返ってみると、その出来事によって、それまでいた場所から半ば強制的に動かされていた。 そして、その先で新しい人と出会ったり、それまで考えもしなかった道が開けたりしていました。 もし、あの悪い出来事が起きていなかったら、私はそこへ行かなかった。 その人とも出会わなかった。 その仕事もしなかった。 今とはまったく違う人生になっていたかもしれない。 そんな経験が、一度ではなく何度もありました。 最悪の出来事に対する見方まで変わった そうした経験を何度も繰り返してきたからでしょうか。 今の私は、一見すると最悪だと思える出来事が起きても、以前ほど「悪いことが起きた」とは思わなくなりました。 もちろん、その瞬間は大変ですし、苦しいこともあります。 それでも、心のどこかで、 「これは、何か良い方向へ変わる始まりなのかもしれない」 と思ってしまいます。 そして、 「今度は、この出来事が自分をどこへ連れていくのだろう」 と考えるようになりました。 これは、無理に前向きに考えようとしているわけではありません。 過去に「最悪だ」と思ったことが、その後の人生を思いもしなかった方向へ動かしてくれた経験を、実際に何度もしてきたからです。 だから私は、良い出来事だけを「良いご縁」だとは考えていません。 良い人との出会いも、嫌な人との出会いも、成功も失敗も、その時には意味の分からなかった出来事も、長い時間で見ると一つにつながっているように感じることがあります。 地球は学校なのではないか それらを一つずつ振り返ってみると、私には、 「地球は学校なのではないか」 と思えることがあります。 学校には、楽しい授業だけがあるわけではありません。 難しい問題もあります。 嫌いな先生もいるでしょう。 失敗することも、怒られることも、思い通りにならないこともあります。 しかし、卒業する頃になって初めて、 「あれも必要な授業だったのかもしれない」 と思うことがあります。 人生も、それに似ているのではないでしょうか。 自分を苦しめた人が、自分を変えるきっかけになることもあります。 大きな失敗につながった出会いが、その後の人生で同じ失敗をしないための授業だった可能性もあります。 そう考えると、人生で出会った人たちは、それぞれ違った役割を持っていたようにも見えてきます。 もちろん、本当にそうなのかは私にも分かりません。 だからこそ、自分の人生を材料にして、これから考えてみたいと思っています。 モンゴルでも繰り返された、不思議なご縁 最近の出来事にも、同じようなことがあります。 モンゴルのホテルの飲食店で偶然知り合ったMunkhsukh Frunzyeさん、通称モギさんとの出会いも、その一つです。 最初はホテルで偶然知り合っただけでした。 それがモンゴルを訪れるたびにご縁が深くなり、国会議事堂や宮殿ゲルへ案内していただき、やがてご家族と一緒に旅をするところまでつながりました。 さらに、国家宮にある「国家儀礼・賓客用の宮殿ゲル」の中にも案内していただきました。 後になって調べてみると、国家宮には一般市民が公式行事などで見学する機会はあるものの、通常の観光施設のように自由に見学する場所ではありません。 特に宮殿ゲルまで案内していただいたことは、改めて貴重な経験だったのだと感じています。 Төрийн хан хуурыг эгшиглүүлсэн Монгол Төрийн золголт болов 2026-02-18 —Улсын Их Хурлын дарга https://www.parliament.mn/nn/76718/ 最初に会った頃には、まったく想像していなかったことです。 そして、不思議なのはモギさんとの出会いだけではありません。 モンゴルと関わるようになってからの、わずか1年半ほどの間だけでも、私はモギさんとの出会いを含めて、 「なぜ、このタイミングでこの人と出会ったのだろう」 と思うような不思議なご縁に、たくさん遭遇しています。 もちろん、モンゴルへ行き、自分から行動しているからこそ、人と出会う機会が増えているという見方もできます。 それでも、それぞれの出会い方や、その後につながっていった出来事を振り返ると、私自身、 「またなのか」 と思ってしまうほど不思議に感じています。 そして実は、こうしたことはモンゴルに始まったことではありません。 私の人生では、若い頃から何度も繰り返されてきました。 このシリーズで考えてみたいこと このシリーズでは、私が57年間の人生で経験してきた「不思議なご縁」や出来事を、一つずつ振り返っていきます。 有名な人だから取り上げるわけではありません。 お金持ちだったからでも、社会的な地位があったからでもありません。 良い出会いだけを取り上げるつもりもありません。 私が振り返ってみたいのは、 「なぜ、この人と、このタイミングで出会ったのだろう」 「なぜ、あの出来事が、後になって別の道につながったのだろう」 と思った人や出来事です。 過去を振り返れば、まだいくつもあります。 これから、それらを一つずつ書き残してみようと思います。 そして最後に知りたいのは、一つです。 人生は、ただの偶然の積み重ねなのか。 それとも、 人との出会いや、一見すると悪い出来事にさえ、その時には分からない何かの意味があるのか。 答えは出ないかもしれません。 だからこそ面白いのだと思います。 自分の57年間の人生を材料に、一つずつ振り返り、考え続けてみる。 それが「人生の研究者」として、これから私がやってみたいことの一つです。 シリーズ共通タグ:不思議なご縁・地球は学校
- 3: EcoFlowの家庭用蓄電池、設置が完了しました-2025年9月6日の記事
今回は業者さんにお願いして、EcoFlow製のポータブル型家庭用蓄電池を家庭の電気設備に接続してもらいました。 今回EcoFlowを選んだ大きな理由は、一般的な据え置き型の家庭用蓄電池とは少し考え方が違うところです。 家庭用蓄電池としてしっかり使える一方で、必要になれば移動させることもできる。 設置場所を変えたり、将来的に使い方を変更したり、必要に応じて容量を拡張したりできる。 「家に固定してしまう設備」ではなく、生活の変化に合わせて使い方を変えられる蓄電池。 私はこの自由度に大きな魅力を感じて、EcoFlowを選びました。 実際に設置が終わってみると、かなり面白い設備だと感じています。 約12kWhの電気を家庭に蓄えておける安心感 今回の構成では、EcoFlow DELTA Pro 3本体と専用エクストラバッテリー2台を組み合わせ、 合計約12kWhの蓄電容量になっています。 普段は電気代を抑えるために活用しながら、いざというときには非常用電源として使える。 この「普段使い」と「もしもの備え」を一つの設備で兼ねられるところも、EcoFlowの良さだと思います。 設置して初めて、 「自宅に約12kWhの電気を蓄えておける」 という安心感を実感しました。 停電したら、実際に何日使えるのか 設置してくれた業者さんのお話では、家庭で使用する電力量にもよりますが、太陽光発電からの充電がない状態でも、使い方を工夫すれば5日程度まかなえる可能性もあるのではないか、とのことでした。 もちろん、これは使う家電や季節、エアコン・IH・給湯設備などの使用状況によって大きく変わります。 ですから私は、この数字だけで判断するつもりはありません。 むしろ、 「実際に自分の家では何日使えるのか?」 をこれから試してみたいと思っています。 さらに太陽光発電から日中に充電できれば、停電が長引いた場合の使い方も大きく変わってくるはずです。 家庭用蓄電池と太陽光発電を組み合わせる面白さは、ここにあると思います。 EcoFlowを選んで良かったかは、これから実際に検証します 現時点では、設置まで含めてEcoFlowにはかなり良い印象を持っています。 特に私が気に入っているのは、単純な蓄電容量や出力性能だけではありません。 持ち運べる。容量を拡張できる。家庭用として使える。非常時にも使える。そして生活環境が変わっても、使い方を変えられる。 この柔軟性です。 一方で、本当に電気代はどのくらい安くなるのか。 停電時には実際に何日使えるのか。 太陽光発電との組み合わせはどのくらい有効なのか。 長期間使用した場合の耐久性はどうなのか。 そして、購入費用を含めて考えたとき、本当に費用対効果があるのか。 これは実際に使ってみなければ分かりません。 せっかく自分で購入して設置しましたので、メーカーのカタログだけでは分からない部分まで、これから実際の数字を見ながら記録していきたいと思います。 良かったことだけではなく、「ここは少し不便だった」というところが出てくれば、それもそのまま書きます。 EcoFlowのポータブル型家庭用蓄電池は、本当にこれからの家庭用蓄電池の選択肢になり得るのか。 自宅で実際に使いながら、じっくり確かめていきたいと思います。 今のところは、 「EcoFlowを選んで良かった」 というのが、設置を終えた時点での率直な感想です。 私が実際に使用している EcoFlow DELTA Pro 3 Amazonで現在の価格・在庫状況を確認できます。 ※当サイトはAmazonアソシエイト・プログラムに参加しています。 「この記事を読んだ人におすすめ」→ 関連記事 デメリット: EcoFlow DELTA Pro 3を実際に使って分かったデメリット:2025年10月17日 10: EcoFlow DELTA Pro 3を取り付けて初めての夏――20畳用エアコンを一晩動かしてみました 11: EcoFlow DELTA Pro 3を約12kWhに増設|8%から満充電まで実際に何時間かかる? 8: EcoFlow DELTA Pro 3が故障――2度目のトラブルで感じた、サポートと設置の大切さ2026年6月26日
- 4: EcoFlow DELTA Pro 3を家庭用蓄電池として一晩使ってみた――我が家にはこれで正解でした-2025年9月9日 の記事
EcoFlow DELTA Pro 3を家庭用蓄電池として設置したので、実際に一晩使ってみました。 今回一番知りたかったのは、カタログ上の数字ではありません。 「停電したとき、本当にこれで生活できるのか?」 ということです。 実際に一晩使ってみた結論から言うと、 災害・停電時の非常用電源として考えれば、我が家では十分使えると感じました。 それ以上に驚いたのは、普段の生活でも思っていたほど不便を感じなかったことです。 DELTA Pro 3は4,096Wh・AC出力3,600W・200V対応 今回導入したEcoFlow DELTA Pro 3は、容量4,096Wh、AC出力3,600Wで、200Vにも対応しています。 我が家ではさらに専用エクストラバッテリーを2台追加し、合計約12kWhの蓄電容量にしています。 家庭用蓄電池として使うには、かなり現実的な容量になりました。 もちろん、3,600Wですから家中の電化製品を何でも同時に使えるわけではありません。 大型エアコン、IHヒーター、電子レンジ、ドライヤーなど、消費電力の大きな機器を一斉に使えば限界があります。 ところが、実際に使ってみると印象が少し変わりました。 20畳用大型エアコン+大型IHヒーター内3kWコンロ1か所でも使えました 我が家で実際に試したところ、 20畳用の大型エアコンを動かしながら、大型IHヒーターをコンロ1か所使う程度であれば問題なく使用できました。 ここは少し驚きました。 3,600Wという数字だけを見ると、 「家庭用としては少し足りないのでは?」 とも思っていました。 しかし、実際の生活ではすべての家電を同時に最大出力で使うわけではありません。 少し使い方を意識すれば、一晩生活していても、それほど大きな不便を感じませんでした。 災害時ならなおさら、冷蔵庫、照明、通信機器、エアコン、最低限の調理など、必要なものを優先して使います。 そう考えると、3,600Wでも非常時の生活に必要な電力をかなりカバーできるというのが、実際に使ってみた感想です。 足りなければ、我が家では通常電源へ切り替えられる さらに我が家では、DELTA Pro 3の電力だけでは足りない場合、停電時などに使用する切替ブレーカーを操作して通常の電源側へ切り替えられる構成にしてあります。 そのため通常時なら、 普段はEcoFlowに蓄えた電気を使い、足りなくなれば通常電源へ切り替える。 という運用ができます。 これが思った以上に便利です。 もちろん、本当に地域全体が停電しているときには通常電源へ切り替えても電気は来ません。 その場合には、EcoFlow側で使う家電を選びながら生活することになります。 しかし日常的な節電目的で使う場合には、この「逃げ道」があります。 そのため、3,600Wという出力を必要以上に心配する必要はないと感じました。 約12kWhあると、災害時の安心感はかなり大きい 我が家ではDELTA Pro 3本体に専用エクストラバッテリーを2台接続し、合計約12kWhの容量にしています。 実際に設置してみると、 「自宅に約12kWhの電気を蓄えておける」 という安心感は想像していた以上でした。 設置してくれた業者さんのお話では、太陽光発電からの充電がまったくない状態でも、使い方をかなり抑えれば5日から7日程度使える可能性もあるのではないか、とのことでした。 もちろん、これは家庭の消費電力によって大きく変わります。 エアコンをどのくらい使うのか。 IHを使うのか。 冷蔵庫や給湯設備はどうするのか。 季節によってもまったく違います。 ですから、今後は実際に我が家では何日使えるのかも試してみたいと思っています。 さらに太陽光発電から日中に充電できれば、長期停電時の使い方も大きく変わるはずです。 EcoFlowの最大の魅力は「使い方を変えられること」 一晩使ってみて、改めてEcoFlowを選んで良かったと思った理由があります。 それは単純な容量や出力ではありません。 自由度です。 一般的な家庭用蓄電池は、一度設置すると基本的にはその家の設備になります。 しかしEcoFlowは、普段は家庭用蓄電池として使いながら、必要になれば移動させるという選択肢があります。 別の場所で電源が必要になれば移動する。 生活環境が変われば設置場所を変える。 必要になれば対応するバッテリーやシステムを追加する。 つまり、 「家に蓄電池を付ける」のではなく、「自分で大容量の電源を持つ」 という感覚に近いのです。 私は、この考え方がとても気に入っています。 最初から巨大な設備にしなくてもいい EcoFlowには、さらに大容量・高出力に対応できるDELTA Pro Ultraなどの選択肢もあります。 電気自動車を含めて大きな電力を使いたい家庭や、大容量の太陽光発電を設置している家庭などでは、そうした上位システムの方が向いている場合もあると思います。 しかし我が家の場合、一晩実際に使ってみて、 DELTA Pro 3の容量・出力・機動性のバランスが非常に合っていると感じました。 最初から最大のシステムを導入するのではなく、自分に必要なところから始めて、必要なら後から拡張する。 これもEcoFlowの面白いところだと思います。 設置工事も想像していたよりシンプルでした 今回の設置工事は業者さんにお願いし、2時間以内で完了しました。 実際に工事を見ていると、システムの考え方も比較的分かりやすいものでした。 ただし、家庭の分電盤や固定配線に関わる工事は電気工事士の資格が必要になる場合がありますので、誰でも自分で施工できるという意味ではありません。 それでも、大掛かりな据え置き設備とは違い、将来的に移動や構成変更を考えられるところには魅力を感じます。 一晩使った結論――我が家にはDELTA Pro 3で正解でした 実際に一晩使ってみた現在の感想は、 我が家にはEcoFlow DELTA Pro 3で正解だった というものです。 3,600Wという出力には当然限界があります。 しかし実際には、20畳用の大型エアコンを動かしながら、大型IHヒーターを1台使うこともできました。 通常時に電力が足りなければ、切替ブレーカーで通常電源側へ自動で切り替えされます。 そして停電したときには、約12kWhの容量の蓄電池を非常用電源として使うことができます。 さらに太陽光発電から充電できれば、災害時の安心感はもっと大きくなると思います。 何より、 普段は家庭用蓄電池。停電時は非常用電源。必要になれば移動できる。そして将来、使い方を変えることもできる。 この柔軟性が、私には非常に合っていました。 以前の私は「ポータブル電源=キャンプや停電のときに使うもの」というイメージを持っていました。 今回の導入目的は、最初から**「節電のため」ではなく「災害・長期停電への備え」**を主役てす。 しかし、ここまで大容量・高出力になると少し違います。 私には、 「持ち運ぶこともできる家庭用蓄電池」 という表現の方がしっくりきます。 もちろん、まだ一晩使っただけです。 これから、 電気代は実際にどのくらい下がるのか。 太陽光発電との組み合わせはどうなのか。 停電したら本当に何日使えるのか。 長期間使った場合の耐久性はどうなのか。 そして、購入費用まで含めて本当に費用対効果があるのか。 良かったところだけではなく、不便だったところも含めて、実際に使いながら記録していきたいと思います。 ただ、一晩使ってみた時点での率直な感想は、 「EcoFlow DELTA Pro 3を選んで良かった」です。 私が実際に使用している EcoFlow DELTA Pro 3 Amazonで現在の価格・在庫状況を確認できます。 ※当サイトはAmazonアソシエイト・プログラムに参加しています。 「この記事を読んだ人におすすめ」→ 関連記事 デメリット: EcoFlow DELTA Pro 3を実際に使って分かったデメリット:2025年10月17日 5 : EcoFlow DELTA Pro 3を「昼は太陽光で充電・夜は100%その電気を使う」ために工夫してみました-2025年11月1日 4 EcoFlow DELTA Pro 3を家庭用蓄電池として一晩使ってみた――我が家にはこれで正解でした-2025年9月9日 の記事
- 10: EcoFlow DELTA Pro 3を取り付けて初めての夏――20畳用エアコンを一晩動かしてみました
EcoFlow DELTA Pro 3を取り付けてから、初めての夏を迎えました。 少し前までモンゴルの住まいに滞在していたため、まだ数日間だけですが、暑い時期に実際に使ってみた結果をご紹介します。 昼間は太陽光で充電 昼間の DELTA Pro 3の出力は、家の電源を電力会社からの電気に直接切り替え、DELTA Pro 3本体からのAC出力はオフにしています。 その間、太陽光発電から最大の1.5kWでDELTA Pro 3を充電します。 天候にもよりますが、今のところ夕方にはほぼ満充電になっています。 そして午後5時ごろ、バッテリー残量が約99%になったところで、家の電源をDELTA Pro 3に切り替えます。(外付けタイマーで自動) 約8年前の20畳用「AI白くまくん」で実験 今回使用したエアコンは、約8年前に購入した、20畳用の大型エアコン「AI白くまくん」です。 最新の省エネ型エアコンではありませんが、これを午後7時ごろから翌朝まで、DELTA Pro 3の電力だけで動かしてみました。 エアコン単体の出力を計測してみると約1キロワットのようです。部屋が冷えて安定してくると500W程度です。 翌朝にバッテリー残量を確認すると、約10%。 正直なところ、もう少し早く電池がなくなるかもしれないと思っていました。 しかし、数日間試してみた範囲では、途中で充電切れになることはなく、毎日朝までエアコンを動かすことができました。残量は約10%~20% 朝まで使えましたが、余裕はほとんどありません 今回の結果を簡単にまとめると、 昼間に太陽光で充電した電気を使って、夜は20畳用の大型エアコンを朝まで動かすことができたという結果です。 ただし、朝の残量は約15%ですから、ほぼギリギリです。 設定温度や外気温、建物の断熱性能によっても変わりますし、エアコン以外の家電を多く使えば、朝まで持たない可能性もあります。 そのため、「どの家庭でも必ず同じ結果になる」とは言えません。 それでも、約10年前の20畳用エアコンを一晩動かせたことは、私にとっては予想以上の結果でした。 電気代の節約以上に感じた安心感 昼間に太陽光でつくった電気を蓄え、夜にエアコンで使う。 実際にやってみると、とても分かりやすく、電気を有効に使えている感覚があります。 また、停電が発生した場合でも、少なくとも一晩はエアコンを使用できる可能性があると分かったことは、大きな安心材料になりました。 まだ数日間の結果なので、これからも気温や天候、設定温度によって、どの程度違いが出るのかを試してみたいと思います。 現時点での率直な感想は、 「DELTA Pro 3単体で、約8年前の20畳用エアコンを朝まで動かすことはできた。ただし、バッテリー容量としてはほぼギリギリだった」 というものです。 これからEcoFlowの導入を考えている方にとって、一つの実例として参考になれば幸いです。 私が実際に使用している EcoFlow DELTA Pro 3 Amazonで現在の価格・在庫状況を確認できます。 ※当サイトはAmazonアソシエイト・プログラムに参加しています。 「この記事を読んだ人におすすめ」→ 関連記事 デメリット: EcoFlow DELTA Pro 3を実際に使って分かったデメリット:2025年10月17日 2 : EcoFlowの設置工事で来たのは中国人の職人さん2人――最初の印象が、最後には完全に変わりました 11: EcoFlow DELTA Pro 3を約12kWhに増設|8%から満充電まで実際に何時間かかる? 9: DELTA Pro Ultraを1台か、DELTA Pro 3を複数台か――約1年使って感じた家庭用蓄電池の選び方2026年6月29日
- 7: EcoFlow専用の切替分電盤が故障――連絡から約1週間で交換修理が完了しました-2026年1月6日記事
我が家で使用している、EcoFlow DELTA Pro 3専用の切替分電盤が故障しました。 ただし、EcoFlowそのものが完全に使えなくなったわけではありません。 不具合が発生したのは、蓄電池の残量がゼロになったときや、停電が発生したときに電源を切り替える、自動切替機能の部分です。 故障は残念でしたが、EcoFlowへ連絡してから約1週間で交換修理が完了しました。 今回は、故障の状況とサポート対応について記録しておきます。 EcoFlowのサポートと一緒に動作確認 不具合に気づき、EcoFlowのサポートへ連絡しました。 今回のやりとりは、電話だけではありませんでした。電話とメールの両方を使い、動作確認の状況を写真や動画で送信しながら進めました。 サポートからも確認してほしい箇所を示した写真が送られてきました。 その写真には、確認する場所や操作方法などの指示が記入されており、どこを見ればよいのか分かりやすくなっていました。 電話では、担当者から確認してほしい操作を一つずつ案内され、私がその手順に従って動作を確認しました。確認した結果は写真や動画で共有し、メールで補足しながら原因を絞り込んでいきました。 対応してくれた担当者は中国国籍の方でした。EcoFlowは中国で製造されている製品ということもあり、中国国籍の担当者の方が製品の仕組みや内部の構成をよく理解しているように感じました。 今回のサポートでも、確認すべき箇所や手順について、非常に詳しく案内してくれました。 いくつかの確認作業を行った結果、切替分電盤の故障と判定されました。 電話だけで判断するのではなく、写真や動画を使いながら、利用者とサポートが一緒に順番に原因を絞り込んでいく対応でした。 私自身で確認できることを試したうえで故障と判断されたため、その後の交換手続きもスムーズに進みました。 前回取り付けた施工業者が交換に来てくれた 故障と判定された後、前回の設置を担当した施工業者から、すぐに連絡がありました。 新しい切替分電盤が自宅に届き次第、交換工事に来てくれるとのことでした。 私は近いうちにモンゴルの住まいへ行く予定があったため、できれば出発前に修理を終えてほしいとお願いしました。 すると施工業者が予定を調整し、3日後に来てくれることになりました。 今回来てくれたのは、前回の取り付け工事を担当した方でした。すでに我が家の配線や設置状況を把握しており、EcoFlowのシステムについてもかなり詳しい方です。 そのため、交換作業も手際よく進み、こちらから状況を説明し直す必要もほとんどありませんでした。 新しい分電盤への交換も無事に終わり、EcoFlowへ最初に連絡してから約1週間で、すべての修理が完了しました。 こちらの事情を伝えたところ、できる限り早く対応してくれたことには、とても助かりました。 故障は残念ですが、対応の速さは高評価 購入して間もない設備に不具合が出たこと自体は、もちろん残念です。 特に切替分電盤は、蓄電池の残量がなくなったときや停電時に電源を切り替える大切な設備です。 普段は問題なく電気を使えていても、いざというときに自動切替機能が動かなければ、停電対策として不安が残ります。 一方で、今回のサポート対応については高く評価しています。 電話で一つずつ動作を確認 写真や動画をメールで送信しながら状況を共有 サポートから確認箇所を記入した写真が届いた 中国国籍の担当者が製品について詳しく案内 その場で故障と判定 前回取り付けを担当した施工業者からすぐに連絡 新品の切替分電盤を手配 こちらの予定に合わせて訪問日を調整 連絡から約1週間で交換完了 製品は壊れないことが一番ですが、機械である以上、故障の可能性を完全になくすことはできません。 そのため、実際に不具合が起きたとき、メーカーがどのように対応してくれるかも重要だと感じます。 今回のように、電話とメールを組み合わせ、写真や動画を確認しながら対応してもらえると、状況を正確に伝えやすく、利用者側も安心できます。 また、前回の設置を担当した施工業者が交換に来てくれたことで、作業もスムーズでした。設置状況を把握している方が対応してくれるのは、大きな安心感があります。 新しいシステムには不具合もあるかもしれない この家庭用蓄電システムは、比較的新しい仕組みです。 新しい製品やシステムには、実際に多くの家庭で使われ始めてから分かる不具合もあると思います。 不具合が出ることを当然と考えるつもりはありませんが、ある程度は覚悟しておく必要があるのかもしれません。 一方で、不具合が確認された部品には、その後の製品で改良が加えられることもあります。 今回届いた交換部品についても、以前より改善されているのであれば、保証期間中に問題が見つかり、新しい部品へ交換してもらえたことは、長く使ううえでは悪いことばかりではありません。 少し冗談のようですが、 「どうせ不具合が出るなら、保証期間中に早く出て、一通り新しい部品に交換してもらった方がよい」 とも思いました。 もちろん、交換された部品が実際にどのように改良されているかは、利用者側からは分からない部分もあります。今後、同じ不具合が再発しないかを見ていきたいと思います。 5年保証と、設置まで任せた安心感 我が家が購入したDELTA Pro 3と切替分電盤のセットには、5年間の長期保証が案内されています。 今回、切替分電盤を新品へ交換してもらえたことで、保証期間の長さだけでなく、実際のサポート体制も重要だと分かりました。 また、最初の設置をEcoFlow側の施工業者へ依頼していたため、故障後も同じ施工業者が交換に来てくれました。 前回取り付けた方が来てくれたため、我が家の設置状況をよく理解しており、作業も安心して任せることができました。しかも、EcoFlowのシステムについてかなり詳しい方だったので、交換作業だけでなく、こちらの疑問にも丁寧に答えてくれました。 電気設備は、本体だけでなく、分電盤や配線、施工方法まで関係します。 少し費用がかかっても、メーカー側に設置までお願いしておくことは、万が一のときの安心につながると改めて感じました。 今回の率直な感想 切替分電盤が故障したことは残念でした。 しかし、EcoFlowのサポートと施工業者の連携は早く、電話とメールを使いながら写真や動画で状況を確認してもらえたため、原因の特定もスムーズでした。 特に、サポートから送られてきた写真に確認箇所や指示が記入されていたことは、作業を進めるうえで分かりやすく助かりました。 また、中国国籍の担当者が製品について詳しく説明してくれたことも印象に残っています。EcoFlowは中国で製造されているため、中国の担当者の方が製品の仕組みをよく理解しているように感じました。 交換作業には、前回取り付けを担当した施工業者が来てくれました。設置状況を把握しているうえ、EcoFlowについてもかなり詳しい方だったため、安心して任せることができました。 こちらの予定にも合わせてもらい、連絡から約1週間で修理が完了しました。 今回の率直な感想は、 「故障は困りましたが、その後の対応が早く、詳しい担当者や施工業者に対応してもらえたので助かった」 というものです。 新しいシステムだからこそ、これからも不具合が出る可能性はあります。 製品の性能だけでなく、保証期間や修理体制、電話・メールによるサポート、写真や動画を使った確認、設置状況を把握した施工業者との連携まで含めて選ぶことが、高額な家庭用蓄電設備では大切なのだと思います。 私が実際に使用している EcoFlow DELTA Pro 3 Amazonで現在の価格・在庫状況を確認できます。 ※当サイトはAmazonアソシエイト・プログラムに参加しています。 「この記事を読んだ人におすすめ」→ 関連記事 デメリット: EcoFlow DELTA Pro 3を実際に使って分かったデメリット:2025年10月17日 8 EcoFlow DELTA Pro 3が故障――2度目のトラブルで感じた、サポートと設置の大切さ2026年6月26日 1 : 大容量ポータブル電源型の家庭用蓄電池を購入してみました――EcoFlow DELTA Pro 3――2025年8月10日記事 7 : EcoFlow専用の切替分電盤が故障――連絡から約1週間で交換修理が完了しました-2026年1月6日記事 9 : DELTA Pro Ultraを1台か、DELTA Pro 3を複数台か――約1年使って感じた家庭用蓄電池の選び方2026年6月29日
- 中国・ロシア主導の上海協力機構から考える――世界が多極化したとき、日本と円はどうなるのか?
中国・ロシア主導で対米結束確認 上海協力機構首脳会議、イランも 2026年9月1日、上海協力機構(SCO)の首脳会議が開かれました。 中国、ロシアを中心に、インド、イラン、パキスタン、ベラルーシ、中央アジア諸国などが参加する大きな枠組みです。 ニュースでは、 「中国・ロシア主導で対米結束」 という表現も使われています。 しかし私は、このニュースを単純な「反米」という視点だけで見ると、本当に重要な部分を見落としてしまうのではないかと思っています。 私が注目しているのは、 「米国やドルに依存しなくても経済活動ができる仕組みを、各国が少しずつ作り始めていること」 です。 ドルが突然終わるわけではない まず誤解してはいけないのは、ドルが突然、基軸通貨ではなくなるという話ではありません。 米国には巨大な経済力、金融市場、軍事力があります。 ドルに代わって、人民元が明日から世界の中心になるという話でもありません。 しかし、 「国際取引をするなら、とにかくドルが必要」 という世界は、少しずつ変化しています。 中国とロシアだけではありません。 インド、中東、中央アジアなどでも、自国通貨による貿易決済を増やそうという動きがあります。 SCOでも自国通貨決済の拡大が議論され、さらに独自の開発銀行構想まで進められています。 これは非常に重要だと思います。 政治的な声明よりも、 決済、銀行、融資、貿易という実際のお金の流れが変わるかどうか。 私はここを見ています。 世界は「米国対中国」だけではなくなる これからの世界は、 「米国側か、中国側か」 という単純な二つの陣営にはならないと思います。 インドは中国と協力する部分もあれば、対立する部分もあります。 中東諸国も米国、中国、ロシアのすべてと関係を持とうとしています。 つまり、 米国圏中国圏インド圏中東圏ロシア・中央アジア圏 などが重なり合う、多極化した世界になっていく可能性があります。 各国は一つの陣営だけに所属するのではなく、自国に有利な相手とそれぞれ取引する。 私は、こちらの世界の方が現実的だと思っています。 日本にとって本当に怖いのは「ドルの崩壊」ではない ここから日本を考えてみます。 私は、日本にとって一番怖いシナリオは、 ドルが暴落することではない と思っています。 むしろ、 ドルは依然として強い。人民元の存在感も大きくなる。インドや中東も力を持つ。しかし円だけが相対的に小さくなる。 こちらの方が気になります。 例えばイメージとして、 ドルの力が100から80になる。 一方で、 人民元が30から60、ルピーが10から30、その他の通貨圏も拡大する。 ところが円だけが20から10になる。 そんな世界です。 これは十分考えておく必要があると思います。 2030~2035年を3つのシナリオで考えてみる 将来を正確に当てることは誰にもできません。 そこで私は、2030~2035年を3つのシナリオで考えてみます。 ① 世界の多極化がゆっくり進む 私が現在、最も現実的だと考えているシナリオです。 ドルは依然として世界最大の基軸通貨。 しかし以前ほど圧倒的ではなくなり、中国、インド、中東などで自国通貨決済が増えていく。 この場合、 米ドル――依然として強い人民元――存在感が徐々に上昇円――相対的な存在感が低下する可能性金――世界的な分散需要が続く という状態が考えられます。 世界の中心が一つから複数になるということです。 ② 日本が復活する もちろん、日本がこのまま弱くなり続けると決まったわけではありません。 AI、ロボット、半導体、エネルギー、製造業などへの投資が成功し、日本の生産性が大幅に上昇する可能性もあります。 日本は人口減少と人手不足が深刻だからこそ、AIやロボットを導入する必要性が非常に高い国でもあります。 これが逆に日本の強みになる可能性があります。 生産性が上がり、賃金も上がり、経済が成長する。 さらに財政への信頼が維持されれば、円が再評価されることも十分あり得ます。 私は、 「日本は絶対にダメになる」 と決めつけるのも危険だと思っています。 ③ 日本と円がさらに弱くなる 反対に怖いのはこちらです。 円安によって物価が上がる。 インフレを抑えるため金利を上げる。 しかし金利を上げると、国の利払い負担が増える。 高齢化によって社会保障費も増える。 それでも経済成長が弱い。 こうなると、 円安↓物価上昇↓金利上昇↓国債利払い増加↓財政への不安 という悪循環になる可能性があります。 この場合には、円の価値がさらに下がることも考えておかなければなりません。 金が注目される理由もここにある 世界が多極化すると、 「どの国の通貨を信用するのか」 という問題が出てきます。 ドルにもリスクがある。 人民元にも政治や資本規制のリスクがある。 円にも日本固有の問題がある。 そこで、 「どこの国の負債でもない資産」 として金が注目されます。 だから私は、金価格の上昇を単純な投機だけでは見ていません。 世界の中央銀行が外貨準備を分散しようとしていることも、その背景の一つだと思います。 そしてモンゴルを見ると面白い ここで、私が実際に関わっているモンゴルを考えると非常に面白くなります。 モンゴルは中国とロシアという二つの大国に挟まれています。 SCOの正式加盟国ではありませんが、地理的には中国・ロシア・中央アジア経済圏のすぐそばにあります。 もし今後、 中国―モンゴル―ロシア という物流・資源・金融の流れがさらに太くなれば、人口の少ないモンゴルでも地理的な重要性が高まる可能性があります。 ただし、ここでも注意が必要です。 私は、 「モンゴルトゥグルグが大幅に強くなる」 とは考えていません。 新興国では、 経済が成長することと、通貨が強くなることは別だからです。 例えば、 経済成長 +7%物価上昇 +8%不動産 +12%銀行金利 +15%通貨価値 -5% ということも十分あり得ます。 それでも日本円から見て最終的に利益が残れば、投資としては成立します。 つまり私が注目しているのは、 トゥグルグそのものより、モンゴルの不動産、企業、鉱物資源などの実物経済 です。 「どこの国が勝つか」を当てなくてもいい ここまで考えて、私が最も重要だと思うのはこれです。 これからの世界で、 「米国が勝つ」「中国が勝つ」「日本はダメになる」 と一つに賭ける必要はないのではないでしょうか。 むしろ、 円だけに集中しない。 ドルだけにも集中しない。 一つの国の不動産だけにも集中しない。 通貨、金などの実物資産、株式、海外資産など、性質の異なるものへ分散しておく。 つまり、 「どこの国が勝つかを当てる」のではなく、「どの国が強くなっても、ある程度対応できる状態を作っておく」。 これからの時代には、この考え方がより重要になるように思います。 今後、私が注目したい3つの数字 世界が本当に変わっているのか。 ニュースの見出しだけでは判断できません。 そこで今後、私は特に次の3つを継続して見ていきたいと思います。 ① 世界の外貨準備に占める米ドルの割合 本当にドル離れが進んでいるのかを見る数字です。 ② 中国・ロシア・インド・SCO圏での自国通貨決済比率 政治的な発言ではなく、実際のお金がどう動いているのかを見るためです。 ③ 日本の国債利払い費と税収の関係 日本の財政が金利上昇に耐えられるのかを見るためです。 この3つを毎年確認していけば、 「脱ドルが進んでいる」 「日本はもう危ない」 といった言葉だけに振り回されず、現実の変化を追うことができると思います。 今回のSCO首脳会議を見て感じたこと 今回の上海協力機構首脳会議を見て、 私は「反米勢力が集まった」ということ以上に、 世界が一つの中心だけで動く時代から、複数の中心を持つ時代へ移り始めている ことの方が重要だと感じました。 ドルが明日なくなるわけではありません。 中国が明日世界を支配するわけでもありません。 日本が必ず衰退するとも限りません。 しかし、 世界のお金の流れが少しずつ変わり始めている。 これは事実として見ておいた方がよいと思います。 そして将来を一つに決めつけるのではなく、 変化を観察しながら、自分の判断も変えていく。 私は今の時代、それが一番大切なのではないかと思っています。 協同組合かけはし/KAKEHASHI HUMAN MONGOL LLC 後藤友亮/GOTO YUSUKE 静岡県浜松市/モンゴル・ウランバートル 公式サイト:https://www.kakehasi.biz/
- EV一本化を急がなかったトヨタ――慎重なマルチパスウェイ戦略は正しかった
欧州メーカーは「エンジンとEVへの二重投資」トヨタは「市場に応じて5つの選択肢」問題はEVではなく、需要より先行しすぎたこと 欧州の自動車メーカーが苦境に立たされています。 ドイツでは、自動車産業の雇用者数がわずか1年間で4万2,300人も減少しました。 その背景には、中国メーカーとの競争、販売不振、高い人件費やエネルギーコスト、EV転換への巨額投資、があると考えられます。 私は当初、欧州ではすでにEVが主流になっていると思っていました。しかし、実際の新車販売を調べてみると、少し違う姿が見えてきました。 2026年上半期の新車販売では、EVのみの割合は欧州で22.2%、米国で7.1%、中国でも33.2%です。 フィリピン、インドネシア、タイ、ベトナムの東南アジア主要4か国では、推計約24%となっています。 PHVを含めると電動化は確かに進んでいます。 しかし、PHVにはエンジンも搭載されています。通常のハイブリッドも、基本的にはガソリンを使い、エンジンを主体として走る車です。 この考え方で分類すると、エンジンを搭載している新車は、欧州で75.7%、米国で92.9%、中国でも66.8%を占めています。 つまり、世界の自動車市場はEVへ向かっているものの、現時点では、まだ完全にEVへ切り替わったわけではありません。 それにもかかわらず、欧州メーカーは既存のエンジン事業を維持しながら、EV工場、バッテリー、ソフトウェアにも巨額の投資を行いました。 二つの自動車会社を同時に経営するような重い負担を抱えた一方で、EV需要は想定したほど速く伸びませんでした。 問題はEVそのものではなく、需要より先にEV一本化を急ぎすぎたことではないでしょうか。 一方、トヨタはガソリン車、ハイブリッド、PHV、EV、水素という複数の道を残しました。国や地域によって、所得、電力事情、充電設備、走行距離、環境が大きく異なるからです。 EVが売れる地域ではEVを、充電設備が不足する地域ではハイブリッドを、長距離と電気走行を両立したい人にはPHVを提供する。 これがトヨタの「マルチパスウェイ戦略」です。 2026年現在までの世界市場を見る限り、トヨタがEV一本に絞らず、複数の選択肢を残した慎重な判断は正しかったと私は思います。 ただし、これから先も同じとは限りません。 AIとロボット技術が急速に発達すれば、車そのものが「移動するロボット」へ変わっていきます。ロボットを動かす仕組みとして考えれば、複雑なエンジンより、電子制御しやすいモーターの方が相性はよいでしょう。 これまでは、トヨタの慎重な判断が正しかった。しかし、AI・ロボット時代の加速によって、これからEVの普及速度が急に変わる可能性があります。 だからこそ、トヨタにとってもマルチパスウェイは最終的な答えではなく、EVとAI・ロボットの時代へ移るまでの、非常に合理的な橋渡し戦略なのかもしれません。 「この記事を読んだ人におすすめ」→ 関連記事 ロボットにエンジンは非効率――車がロボットになる時代、EV化は一気に進む 欧州自動車産業で少なくとも17万人削減へ――AI・ロボットはリストラを可能にする「加速装置」 協同組合かけはし/KAKEHASHI HUMAN MONGOL LLC 後藤友亮/GOTO YUSUKE 静岡県浜松市/モンゴル・ウランバートル 公式サイト:https://www.kakehasi.biz/
- 11: EcoFlow DELTA Pro 3を約12kWhに増設|8%から満充電まで実際に何時間かかる?
私は現在、EcoFlow DELTA Pro 3本体に、専用エクストラバッテリーを2台接続して使用しています。 DELTA Pro 3本体が約4kWh、専用エクストラバッテリーも1台約4kWhなので、 約4kWh+約4kWh+約4kWh=合計約12kWh という、かなり大きな蓄電容量になります。 実際に使ってみると、この約12kWhあるという安心感はかなり大きいと感じています。 特に私が重視しているのは、電気代の節約だけではありません。 地震や台風などで停電したときに、普段に近い生活をどこまで維持できるのか。 そのための備えとしても使っています。 約12kWhになると「ポータブル電源」の感覚が変わる 小型のポータブル電源の場合、 「スマートフォンを何回充電できるか」 「テレビを何時間使えるか」 といった使い方が中心になると思います。 しかし、容量が約12kWhまで大きくなると、少し考え方が変わります。 冷蔵庫、照明、テレビ、インターネット、炊飯器、電子レンジなど、家庭で普段使っている電化製品を、ある程度普通に使いながら停電を乗り切ることを考えられる容量になってきます。 もちろん、エアコンやIHなどの消費電力が大きな機器を長時間使用すれば、約12kWhあっても電気は減っていきます。 そのため、 「12kWhあれば何日間使える」と単純には言えません。 重要なのは、どの家電をどれくらい使うかです。 そこで実際に充電時間を測ってみました 大容量バッテリーを災害対策として考えたとき、容量と同じくらい気になることがあります。 それが、 「使った電気を、どれくらいの時間で取り戻せるのか?」 ということです。 そこで今回、DELTA Pro 3本体+専用エクストラバッテリー2台、合計約12kWhの状態で、実際の充電時間を確認してみました。 カタログ上の数字ではなく、私が普段使用している状態での実測です。 朝8時、残量8%から充電開始 朝8時の時点で、バッテリー残量は**8%**でした。 ここから充電を開始しました。 約12kWhの8%ですから、かなり電気を使った状態です。 この状態から満充電まで、実際にどれくらい時間がかかるのかを確認しました。 午後4時には85%まで回復 午後4時ごろに確認すると、バッテリー残量は**85%**になっていました。 つまり、 午前8時 8%↓午後4時 85% 約8時間で、77ポイント回復したことになります。 容量を約12kWhとして単純計算すると、 12kWh × 77%=約9.2kWh 相当の容量が増えた計算になります。 ※実際の充電では変換損失や制御などがあるため、これはあくまでバッテリー容量から見た概算です。 午後5時ごろ、満充電に そして午後5時ごろには、満充電になりました。 今回の結果をまとめると、 午前8時 8%↓午後4時 85%↓午後5時ごろ 満充電 となりました。 つまり、約12kWhのシステムを、残量8%から満充電まで約9時間で戻すことができました。 8%から100%までなので、容量ベースでは約92%。 単純計算すると、 約12kWh × 92%=約11kWh の蓄電量を回復させたことになります。 夏はバッテリー保護より、使える電力量を優先 EcoFlowでは、バッテリー寿命を考えて充電上限を低く設定する使い方もできます。 しかし、私は現在、その運用はしていません。 理由は夏場のエアコンです。 夜間にエアコンを長時間使用するため、80%や90%で充電を止めてしまうと、翌朝までに必要な電力量が足りなくなる可能性があります。 そのため現在は、 バッテリー寿命を優先して容量を残すことよりも、昼間にできるだけ充電して、夜間に必要な電気を十分使えることを優先しています。 季節によって使う電力量は大きく違うので、夏と冬で運用方法を変えてもいいと思っています。 災害時に重要なのは「12kWhあること」だけではない 今回実際に使ってみて、改めて重要だと思ったのがここです。 災害対策では、 「何kWhのバッテリーを持っているか」 だけではなく、 「使った電気を翌日にどれだけ取り戻せるか」 も非常に重要だと思います。 12kWhのバッテリーを持っていても、停電で使い切ってしまえば、それだけなら一度きりです。 しかし、太陽光発電などを組み合わせて昼間に再び充電できれば、 昼間に電気を作って蓄える→ 夜に使う→ 翌日また充電する という循環が可能になります。 長期停電になった場合、この違いは非常に大きいと思います。 約12kWhあることの本当の安心感 私自身、DELTA Pro 3+エクストラバッテリー2台を実際に使ってみて感じているのは、単純に「12kWhあるから安心」ということだけではありません。 夜にかなり電気を使って残量が少なくなっても、翌日また充電して使える。 この繰り返しができることに、大きな安心感があります。 特に日本では、地震や台風などによって長時間の停電が発生する可能性があります。 そんなとき、 「あと何%しかないから、できるだけ電気を使わないようにしよう」 と考え続けるのと、 「今日は使っても、明日の昼間にまた充電できる」 と考えられるのでは、精神的な安心感もかなり違うと思います。 今回の実測では、約12kWhのシステムを朝8時の残量8%から、午後5時ごろには満充電まで戻すことができました。 カタログの数字だけではなく、実際の生活の中で使ってみると、大容量であることと、それを再び充電できること。 この2つがそろって初めて、災害時の本当の安心につながるのではないかと感じています。 私が実際に使用している EcoFlow DELTA Pro 3 Amazonで現在の価格・在庫状況を確認できます。 ※当サイトはAmazonアソシエイト・プログラムに参加しています。 「この記事を読んだ人におすすめ」→ 関連記事 1: EcoFlow DELTA Pro 3を実際に使って分かったデメリット:2025年10月17日 7: EcoFlow専用の切替分電盤が故障――連絡から約1週間で交換修理が完了しました 2026年1月6日記事 8: EcoFlow DELTA Pro 3が故障――2度目のトラブルで感じた、サポートと設置の大切さ2026年6月26日 9: DELTA Pro Ultraを1台か、DELTA Pro 3を複数台か――約1年使って感じた家庭用蓄電池の選び方2026年6月29日
- ロボットにエンジンは非効率――車がロボットになる時代、EV化は一気に進む
AI・ロボット時代にはEVが急速に進む可能性がある ここまでの世界市場を見る限り、トヨタがEV一本化を急がず、ガソリン車、ハイブリッド、PHV、EV、水素という複数の選択肢を残した判断は正しかったと思います。 しかし、これからも同じ速度でよいとは限りません。 AIとロボット技術の発達によって、自動車そのものが、人間の操作する「機械」から、自ら判断して動く「ロボット」へ変わろうとしているからです。 人間が運転する時代と、AIが運転する時代 自動車が人間の操作する機械である間は、ガソリンエンジンでも大きな問題はありません。 人間がアクセルやブレーキを操作し、エンジンや変速機を動かすことを前提として、現在の自動車は長い時間をかけて発達してきました。 しかし、自動車が自ら周囲を認識し、判断して移動するロボットになるほど、EVの方が合理的になります。 分かりやすく時代を二つに分けると、次のようになります。 人間が運転する時代=エンジン車も合理的AIが運転する時代=EVの方が合理的 エンジン車は、複雑な機械を動かしている エンジン車には、主に次のような装置が必要です。 エンジン 変速機 燃料タンク 排気装置 冷却装置 潤滑装置 多数の機械部品 AIがエンジン車を動かす場合、こうした複雑な機械装置を細かく制御しなければなりません。 それに対してEVは、主に電池、モーター、インバーターを電子的に制御します。発進、停止、前進、後退、速度調整も、AIからの電気信号によって直接制御しやすい構造です。 つまり、次のように表現できます。 エンジン車は、AIが複雑な機械を操作する車。EVは、AIがモーターを直接動かす車。 自動運転はエンジン車でも実現できます。しかし、AI、センサー、ソフトウェア、電池、モーターを一体化することを考えれば、EVの方が将来の自動車に適した構造だと思います。 ロボットにエンジンは非効率 人型ロボット、無人配送車、工場ロボット、ドローン、家庭用ロボットの多くは、電池とモーターで動いています。 将来、自動車も自ら判断して移動するロボットになるのであれば、自動車だけが複雑なエンジンを搭載し続ける方が、むしろ不自然になっていく可能性があります。 分かりやすく言えば、 ロボットにエンジンを搭載するのは非効率です。 EVは単に、エンジンをモーターへ交換した車ではありません。AIやロボット技術と非常に相性のよい「走る電子機器」なのです。 AI・ロボット化がEVを加速させる理由 AI・ロボット時代にEVが有利になる理由として、次の点が考えられます。 電子的に制御しやすく、自動運転との相性がよい 車内外のセンサー情報をAIが継続的に処理できる ソフトウェア更新によって機能を追加・改善できる 部品が比較的少なく、自動生産を進めやすい 自動運転タクシーや無人配送車へ展開しやすい 車、家庭、電力網を一つのシステムとして制御できる 人型ロボットと電池、モーター、AI技術を共有しやすい 特に大きな変化は、車の価値が機械性能からAIとソフトウェアへ移っていくことです。 これまでは、エンジン、変速機、走行性能、耐久性などが、自動車メーカーの重要な競争力でした。 しかし今後は、 「どの車がよく走るか」から、「どの車が最も賢く、安全に自動で動くか」へ 競争の中心が変わる可能性があります。 車は「移動するロボット」になる 将来の自動車は、単に自動運転をするだけではありません。 自分で充電場所や充電時間を判断する 故障の兆候を事前に見つける 乗員の健康状態を監視する 家庭用蓄電池として電力を供給する 配送や送迎を無人で行う 所有者が使わない時間に仕事をする 人型ロボットや家庭のAIと連携する ここまで進めば、車は単なる乗り物ではありません。 人や物を運び、自ら判断して働く「自律走行型ロボット」になります。 トヨタにも次の転換点が来る 自動車がまだ人間の運転する乗り物である現在までは、トヨタのマルチパスウェイ戦略は非常に合理的でした。 しかし、自動車が自律して動くロボットになる時代には、最終的にEVが中心になる可能性が高いと思います。 そのため、トヨタが今後も勝ち続けるには、次の技術を一体化させる必要があります。 EV用電池 車載OS AI 自動運転 ロボット データサービス 車と家庭の電力連携 需要が大きく動き始めてから転換したのでは、テスラや中国メーカーに追いつけなくなる可能性があります。 一方で、需要を読み違えて先行投資を急ぎすぎれば、欧州メーカーと同じように、既存事業とEV事業の両方で重い負担を抱えることになります。 これまでの正解と、これからの正解は違う これまでは、トヨタの慎重なマルチパスウェイ戦略が正しかった。 しかし、これからAIとロボットの時代が本格的に始まれば、EVの普及速度が突然変わる可能性があります。 したがって、トヨタのマルチパスウェイ戦略は最終的な答えというよりも、エンジン車の時代から、EV・AI・ロボットの時代へ移るための、非常に合理的な橋渡し戦略なのかもしれません。 「この記事を読んだ人におすすめ」→ 関連記事 欧州自動車産業で少なくとも17万人削減へ――AI・ロボットはリストラを可能にする「加速装置」 協同組合かけはし/KAKEHASHI HUMAN MONGOL LLC 後藤友亮/GOTO YUSUKE 静岡県浜松市/モンゴル・ウランバートル 公式サイト:https://www.kakehasi.biz/
- 欧州自動車産業で少なくとも17万人削減へ――AI・ロボットはリストラを可能にする「加速装置」
欧州の自動車メーカーと部品会社では、2024年以降に公表された計画だけでも、少なくとも約17万人規模の人員削減が進もうとしています。 ただし、この約17万人は「すでに解雇された人数」ではありません。今後数年間に実施される自然減、早期退職、希望退職、契約終了、採用抑制などを含む削減予定数です。 欧州自動車メーカーの主な削減計画 企業 削減規模 主な地域・期限 フォルクスワーゲン 約3万5,000人 ドイツ、2030年まで アウディ 約7,500人 ドイツ、2029年まで ポルシェ 約9,000人 ドイツ、2035年まで BMW 最大約8,000人 ドイツ、2027年まで フォード 約4,000人 欧州・英国、2027年まで ステランティス 少なくとも約2,500人 イタリアで2024年に合意 確認できる主な合計 約6万6,000人 フォルクスワーゲンでは、約3万5,000人の削減がすでに労使合意されています。さらに削減規模を合計5万人程度へ拡大する案も報じられていますが、確定していないため、上の合計には含めていません。 Reuters:フォルクスワーゲンの3万5,000人削減 また、メルセデス・ベンツも希望退職や人件費削減を進めています。 しかし、欧州全体の確定人数が公表されていないため、今回の合計には含めていません。 部品メーカーでは2年間で10万人を突破 欧州自動車部品工業会CLEPAによると、部品メーカーが発表した削減計画は次のとおりです。 発表年 削減予定数 2024年 約5万4,000人 2025年 約5万人 2年間合計 約10万4,000人 これは2年間で平均すると、 1日当たり約142人分の削減計画が公表された計算 になります。 CLEPA:欧州自動車部品産業の雇用削減 ボッシュだけでも自動車部門を中心に約1万3,000人、ZFとコンチネンタルでも、合計2万人を超える規模の削減が進められています。 合計すると少なくとも約17万人 分野 公表された主な削減計画 自動車メーカー 約6万6,000人 部品メーカー 約10万4,000人 合計 約17万人 しかも、この約17万人には、次の影響が十分に含まれていません。 メルセデス・ベンツの希望退職 小規模部品メーカーの倒産や工場閉鎖 派遣社員や期間従業員の契約終了 販売店、物流会社、整備会社への波及 フォルクスワーゲンが検討している追加削減 工場の一時休業や労働時間の短縮 退職者を補充しないことによる自然減 したがって、欧州自動車産業全体に及ぶ実際の雇用への影響は、17万人より大きくなる可能性があります。 AI・ロボットはリストラの「直接原因」なのか もちろん現在の人員削減の直接的な引き金は、AIやロボットだけではありません。 主な原因として考えられるのは、中国メーカーのEVが売れ、欧州メーカーの中国販売が低迷した、欧州の高い人件費 やエネルギーコスト、EV需要の読み違い、そしてエンジン車とEVへの二重投資です。 しかし、その背後ではAIとロボットによる省人化も進んでいます。 既存メーカーのEV転換が難しい テスラや中国の新興メーカーは、最初からEVを前提に会社・工場・ソフトウェア・販売方法を設計できます。 一方、ベンツ・VW・BMWなどは、次のものを抱えたままEVへ移行しなければなりません。 エンジン・変速機工場 多数の部品メーカー エンジン技術者と既存従業員 世界中の販売店と整備網 ガソリン車向けの開発設備 過去の車台・エンジンへの投資 それを維持しながら、新たにバッテリー工場、EV専用車台、モーター、半導体、充電システム、車載ソフトへ投資しています。 AIとロボットは、リストラを起こす唯一の原因というよりも、 AIは少ない人数でも会社を運営し、生産を続けられるようにする「削減の加速装置」 と考えると分かりやすいと思います。 ドイツのifo研究所によると、ドイツ企業の27.1%が、今後5年間にAIによって雇用が減少すると予想しています。 ifo研究所:AIによる雇用削減の予測 工場だけでなく、事務・設計・管理部門も減っていく AI・ロボット化の影響を受けるのは、工場の組立作業員だけではありません。 今後は、一般事務、経理、購買、営業支援、設計補助、品質管理、生産計画、在庫管理、物流管理、コールセンターなどでも省人化が進む可能性があります。 例えば、これまで10人で担当していた仕事を、AIを使って5人で処理できるようになれば、企業は退職者を補充する必要がなくなります。 つまり、AI時代の人員削減は、必ずしも突然の大量解雇として現れるとは限りません。 退職者を補充しない 新卒採用を減らす 派遣社員の契約を更新しない 部門を統合する 希望退職を募集する 一人がAIを使って複数人分の仕事を行う このような形で、少しずつ雇用者数が減っていく可能性があります。 欧州のリストラは、これからが本番かもしれない 現在進んでいる欧州自動車産業の人員削減は、販売不振やEV転換の失敗だけで起きているわけではありません。 需要の減少によって人員削減が始まり、その後をEVの部品点数削減、AIによる業務効率化、ロボットによる自動生産が後押ししています。 言い換えると、 販売不振がリストラの引き金を引き、AIとロボットが、人を減らしても経営を続けられる会社をつくっている。 これが、欧州自動車産業で現在起きている構造変化の本質ではないでしょうか。 今後、自動車そのものが「移動するロボット」へ変わるほど、その車を開発・製造する自動車会社も、AIとロボットを中心とした、より少人数の組織へ変わっていくと考えられます。 協同組合かけはし/KAKEHASHI HUMAN MONGOL LLC 後藤友亮/GOTO YUSUKE 静岡県浜松市/モンゴル・ウランバートル 公式サイト:https://www.kakehasi.biz/
- 節税や労務対策に追われる日本――経営者が本業に集中できる仕組を
最近、YouTubeを見ていると、経営者向けの「節税」「助成金」「労務対策」に関する広告が何度も流れてきます。 その一つに、出張旅費規程を使って会社と社員双方の負担を減らす、という内容がありました。 私は経営者をしていた頃、すでに出張旅費規程を作り、社員の出張には日当を支給していました。 その理由は単純です。 社員の手取りを少しでも増やしたかったからです。 一定の要件を満たした出張日当は、通常の給与とは異なる扱いができるため、会社と社員の双方にとって税金や社会保険料の負担を抑えられる場合があります。 制度を正しく使えば、会社の支出を抑えながら、社員が実際に受け取れる金額を増やせます。経営者としては、使わない理由がありませんでした。 しかし、今になって改めて考えると、ここに日本経済の大きな問題が表れているように思います。 良い仕事より、制度に詳しい会社が得をする 出張旅費規程を利用するためには、制度を調べ、社内規程を作り、出張の記録を残し、適正な金額を決めなければなりません。 場合によっては、税理士や社会保険労務士などの専門家にも確認します。 さらに、税務調査で説明できるよう、書類を整えておく必要もあります。 これらは、商品を作る仕事でも、顧客を増やす仕事でもありません。 会社が本来の仕事を続けるために必要となった「制度への対応」です。 制度をよく知り、専門家に費用を払い、細かい書類を整えた会社は負担を減らせる。 一方、同じように真面目に商売をしていても、制度を知らない会社は余分な税金や社会保険料を負担することになります。 これでは、良い商品を作った会社より、制度を攻略するのが上手な会社のほうが有利になりかねません。 私は、そこに強い違和感があります。 「節税」が一つの巨大な産業になっている YouTubeに節税広告が繰り返し表示されるのは、それだけ多くの経営者が税金や社会保険料、助成金などに悩んでいるからでしょう。 そして、その複雑な制度を説明したり、会社ごとに対策を考えたりすること自体が、一つの大きな商売になっています。 もちろん、税理士や社会保険労務士などの専門家は必要です。複雑な制度のなかで会社を守るため、重要な役割を担っています。 しかし、その仕事が増え続ける背景には、制度そのものが複雑になりすぎた現実があります。 国が新しい制度を作る。 企業が対応するために専門家へ相談する。 新しい規程や申請書、記録、確認作業が増える。 その費用を負担できない小さな会社ほど、不利になっていきます。 制度を増やすたびに仕事は増えているように見えますが、それによって新しい商品や技術が生まれているわけではありません。 会社の時間とお金が、制度に対応するために消えているだけとも考えられます。 労務管理も、あまりに複雑になった 私は19歳から自営業を始め、さまざまな事業を経営してきました。多い時には多くの社員を雇い、現場で起きる問題にも直接向き合ってきました。 その経験から感じるのは、近年の労務管理はあまりにも難しくなったということです。 本来、仕事とは、働く人が労働を提供し、会社がその対価として給与を支払う関係です。 会社が勤務条件と仕事内容を示し、働く人が納得すれば契約する。条件が合わなければ契約しない。 原型は、非常に単純な関係だったと思います。 もちろん、賃金の不払い、危険な労働、暴力、差別などを防ぐ最低限のルールは必要です。 会社側が立場の強さを利用して、働く人を一方的に苦しめることも許されません。 私は、労働者を守ること自体を否定しているわけではありません。 問題は、守る範囲が広がり続けた結果、会社が仕事上必要な指示や注意をすることまで難しくなっている点です。 厳しく注意すれば、パワーハラスメントを疑われる。 しかし注意をしなければ、仕事の品質が落ち、事故や顧客離れが起き、その責任は経営者が負います。 職場に合わない人を採用してしまっても、会社側から雇用関係を解消するのは簡単ではありません。 その間も給与や社会保険料を払い、周囲の社員への影響にも対応しなければなりません。 権限は小さくなるのに、責任だけは残る。 こんな環境で、うまくやれる経営者がどれほどいるのでしょうか。 条件が合わない時、会社側だけが合わせ続けるのか スーパーへ行き、自分の好みに合う商品がなければ、普通は買わないという選択ができます。 店の商品や価格を、自分の希望どおりに変えるよう強制することはできません。 雇用も、本来は条件を示したうえで双方が選ぶ関係のはずです。 ところが現在は、働く人と会社の条件が合わなくなっても、会社側だけが合わせ続けることを求められる場面が増えたように感じます。 会社に問題がある場合は、当然改善すべきです。 しかし、働く側に明らかな問題があっても、経営者がそれを指摘し、改善を求め、どうしても改善されなければ契約を終えるという当たり前の判断まで難しくなれば、雇用そのものが大きなリスクになります。 労働者を守る制度が、雇用を減らすこともある 雇用に伴う責任と手続きが増え続ければ、経営者は人を雇わなくなります。 実際に企業は、正社員を増やす代わりに、外注、業務委託、派遣、機械、AIなどを利用するようになります。 事業を拡大できる場面でも、現在の人数のままにとどまる判断をするかもしれません。 大企業なら、人事部や法務部を置き、専門家に対応を任せられます。 しかし、中小企業では経営者自身が、営業、資金繰り、採用、教育、労務、税務まで背負います。 一つひとつは労働者を守るために作られた制度でも、積み重なれば、 「人を雇わないほうが安全だ」 という結論に近づいてしまいます。 これは、働く人にとっても良い結果ではありません。 日本は経済成長させる気がないのか 私は時々、日本は本当に経済を成長させる気があるのだろうか、と思います。 正確には、国に成長させる意思がまったくないというより、一つひとつ善意で作られた制度を整理できないまま、上へ上へと積み重ねてきたのではないでしょうか。 税金、社会保険、補助金、助成金、労務管理、各種申請。 新しい問題が起きるたびに新しいルールを加えますが、古いルールはほとんど減りません。 結果として制度全体が複雑になり、経営者は本業よりも制度対応に時間を取られます。 経済成長は、申請書や社内規程を増やすことで生まれるものではありません。 商品を作る。技術を磨く。設備に投資する。人を育てる。新しい市場に挑戦する。 本来、経営者が時間を使うべきなのは、そうした仕事のはずです。 経営者に必要なのは、制度攻略の能力ではない 経営者が税金や労務について最低限の知識を持つことは必要です。 会社と社員を守るために、守るべきルールもあります。 しかし、制度の隙間を見つけ、複雑な仕組みを作り、多額の専門家費用を払わなければ会社を維持できない社会が、健全だとは思えません。 制度を知らないだけで損をする。 人を雇っただけで大きなリスクを背負う。 仕事とは直接関係のない書類と確認作業が、毎年増えていく。 この状態では、経営者が新しいことへ挑戦しなくなるのも当然です。 日本に必要なのは、新しい優遇制度をさらに一つ加えることではなく、今ある制度を整理し、誰にでも理解できるよう単純にすることではないでしょうか。 節税や助成金に詳しい会社が生き残る国ではなく、良い商品を作り、良い仕事をした会社が、そのまま報われる国にする。 経営者に制度攻略をさせるのではなく、経営の仕事をさせる。 私は、それが日本経済をもう一度成長させるための、最も基本的な出発点だと思います。 ※本稿は、長年会社を経営した経験から感じた個人的な意見です。個別の税務・労務上の判断については、税理士、社会保険労務士、弁護士などの専門家へご確認ください。
- 「今回の円157円台で見えてきた真実――為替介入より重要な『日本は政策転換』を決めたのか」
ドル円が157円台まで戻ってきました。 私は今回の円高方向への動きを見ていて、ひとつ気づいたことがあります。 今回は、為替介入で円が上がったという感じではありません。 そして、ここが非常に重要なのではないかと思っています。 これまで日本は、円安が急速に進むたびに為替介入を行ってきました。 さらに日米による協調した対応まで行われました。 それでも、しばらくすると円は再び売られ、円安方向へ戻ってきました。 そこで私は、 「いくら円を買っても、円が売られる原因そのものが変わらなければ、結局また円安になるのではないか」 と考えるようになりました。 ところが今回、これまでとは少し違う動きが出てきました。 今回重要なのは、アメリカ側から出てきた発言 私が特に注目したのは、アメリカ側から日本の「リフレ政策」について、その継続を疑問視する趣旨の発言が出てきたことです。 これは単に、 「円安を何とかしてください」 という話とは意味が違います。 もっと根本的に、 「日本はいつまでデフレ時代の政策を続けるのか」 という問題を指摘しているように私は感じます。 もしそうだとすれば、これは為替介入より重要な話かもしれません。 為替介入をしても、なぜ円安に戻るのか 為替介入は非常に分かりやすい政策です。 円が売られすぎたら、政府が大量に円を買います。 すると一時的に円の価値は上がります。 しかし、日本の金利が低く、アメリカの金利が高い状態が変わらなければ、投資家から見れば再び、 「低金利の円を売って、高金利のドルを持った方が有利だ」 となります。 すると、 円を売る↓ドルを買う↓また円安になる という流れが再び始まります。 つまり、為替介入は円安になった後に対応する方法であって、円安を生み出している原因そのものを必ずしも変えるものではありません。 ここに、今回の157円台を考えるヒントがあるのではないでしょうか。 そもそも「リフレ」とは何なのか? 「リフレ」という言葉は難しく聞こえますが、考え方はそれほど難しくありません。 ものすごく簡単に言えば、 「景気が悪く、お金が回らないなら、お金を借りやすくし、政府もお金を使って経済を元気にしよう」 という考え方です。 日本は長い間、デフレに苦しんできました。 物価が上がらない。 給料も上がらない。 企業も投資をしない。 消費者もお金を使わない。 そこで経済にお金を回すために、さまざまな政策を行ってきました。 日本が実際にやってきたこと 非常に簡単にまとめると、 ・日銀が金利を非常に低くする・一時はマイナス金利まで導入する・日銀が大量の国債などを買う・企業がお金を借りやすくする・住宅ローンなども低金利にする・政府が大規模な景気対策を行う・さまざまな補助金を出す・給付金を配る・国債を発行して財政支出を拡大するといったことです。 もちろん、正確には全部が「リフレ政策」というわけではありません。 日銀が行う低金利や国債購入は「金融政策」。 政府が行う補助金、給付金、公共支出などは「財政政策」です。 この二つは分けて考える必要があります。 ただ、大きな方向として見れば、 「お金を出し、お金を借りやすくし、経済を支える」 という政策を日本は長く続けてきたわけです。 海外の人からよく言われる、日本の過剰な「補助金・給付金」 私は海外の人と話していると、日本の補助金や給付金について指摘されることがあります。 考えてみれば、日本では問題が起きるたびに、さまざまな支援策が出てきます。 物価が上がれば補助金。 電気代が上がれば補助金。 ガソリン価格が上がれば補助金。 景気が悪くなれば給付金。 企業が苦しくなれば支援策。 もちろん、本当に困っている人や企業を守るために、必要な政策もあります。 私は補助金そのものを否定しているわけではありません。 しかし、それが長期間続けば、海外から見ると、 「日本は問題が起きるたびに、政府がお金を出して支えている」 ように見えることがあります。 そして、そのお金の多くは最終的には国民負担か、国債という将来への負担につながります。 ここは日本自身も一度考える必要があるのではないでしょうか。 デフレではなくなった日本で、同じ政策を続けるのか ここが今回の話の核心です。 日本が長年こうした政策を続けてきた理由は、デフレから脱却するためでした。 ところが現在は物価が上がっています。 食料品も上がる。 電気代も上がる。 ガソリンも上がる。 人件費も上がる。 そして円安によって輸入価格も上がります。 つまり、かつての 「物価が上がらない日本」 とは状況が大きく変わっています。 それなのに、デフレ時代と同じような政策をいつまで続けるのか。 今回アメリカ側から出てきた発言には、私はこの問題が含まれているように感じています。 リフレ政策を転換すると、なぜ円高要因になるのか ここは非常に単純に考えると分かりやすくなります。 これまで、 日本=低金利アメリカ=高金利 という大きな差がありました。 同じお金なら、金利の高いところに置きたいと考えるのは自然です。 そのため、 円を売る↓ドルを買う↓円安になる という大きな流れが生まれました。 ところが日本が政策を正常化し、金利を上げていけば、 日本の金利が上がる↓日米金利差が縮まる↓円を売ってドルを買うメリットが小さくなる↓円売りが減る↓円安圧力が弱くなる↓円高方向へ動きやすくなる という変化が考えられます。 もちろん、リフレ政策をやめれば必ず円高になるわけではありません。 為替はアメリカの金利、景気、財政、世界情勢、投資資金の流れなど、さまざまな要因によって動きます。 しかし少なくとも、 「円を売った方が有利」 という大きな理由の一つが弱くなる可能性があります。 為替介入と政策転換は、まったく意味が違う ここで、今回私が気づいたことにつながります。 為替介入とは、 「円安になったから、円を買って止める」 ことです。 これに対して金融政策そのものを正常化するということは、 「円安になりやすい環境そのものを変える」 ことになります。 たとえるなら、 為替介入は、雨漏りしている床を拭き続けるようなもの。 政策転換は、 「なぜ雨漏りしているのか、屋根の方を直してみよう」 という話です。 もちろん、円安の原因は一つではありませんから、屋根を一か所直せば全部解決するほど単純でもありません。 しかし根本的な違いはここにあります。 157円という数字より「なぜ157円になったのか」 私は今回、ドル円が157円台になったという数字そのものより、 「なぜ157円台になったのか」 の方が重要だと思っています。 これまでのように、 「160円近くになったから介入が怖くなって円を買った」 というだけなら、一時的な動きかもしれません。 しかし、 「日本は本当にデフレ時代の金融政策を終わらせるのではないか」 と世界の投資家が考え始めた結果なのであれば、意味がまったく違います。 そしてアメリカ側まで日本のリフレ政策に言及し始めたことは、私は小さな出来事ではないと思っています。 これまでの円安対策は、 「円安になった後、どう止めるか」 という議論が中心でした。 しかし今後は、 「そもそも、なぜこれほど円が売られる国になったのか」 というところまで議論が進むのかもしれません。 今回、157円台になって私に見えてきたこと 日米で協調して為替に対応しても、円安は再び進みました。 それを見て私は、為替介入だけでは根本的な解決にならないのではないかと思いました。 ところが今回、アメリカ側から日本のリフレ政策そのものについて発言が出てきました。 もし日本が本当に政策を転換するのであれば、これまでとは話が違ってきます。 為替介入は「円安という症状を抑える」もの。 それに対して、 金融政策の転換は「円安を生み出してきた原因の一つを変える」もの。 私は今回の157円台で、この違いが非常にはっきり見えてきたように思います。 これから見るべきなのは、ドル円が155円になるのか、160円になるのかという数字だけではありません。 日本が本当に長く続けてきた「デフレ対策の時代」を終わらせるのか。 私はそこが、これからの円相場、そして日本経済を考えるうえで非常に重要な分岐点になるのではないかと思っています。 協同組合かけはし/KAKEHASHI HUMAN MONGOL LLC 後藤友亮/GOTO YUSUKE 静岡県浜松市/モンゴル・ウランバートル 公式サイト:https://www.kakehasi.biz/












