結局、一番恐れていたシナリオか──日本は「滅びて目覚める」まで変われないのか?
- 後藤 友亮

- 8月16日
- 読了時間: 4分

ここ最近の日銀と市場の動きを見ていると、私が以前から一番恐れていたシナリオに、少しずつ近づいているように感じます。
それは、日本経済が十分に強くなったから金利を上げるのではなく、円安や物価上昇を抑えるために、市場から強制的に金利を上げざるを得なくなる展開です。
現在の政策金利は1.0%程度ですが、日銀内部からも「中立金利は2%前後」とする見方が出ています。
さらに今回、BNPパリバ証券の河野龍太郎氏は、
2026年9月 1.25%→ 12月 1.50%→ 2027年3月 1.75%
と予想し、今回の利上げサイクルの最終到達金利を**2.5%**と見ています。
もちろん、これは一人のエコノミストの予測であり、2.5%まで上がることが決まったわけではありません。
しかし重要なのは、少し前なら「日本で2%、2.5%なんて現実的ではない」と考えられていた世界が、いよいよ市場で普通に議論され始めたことです。
本当に怖いのは「2.5%」そのものではない
私は金利が上がること自体が悪いとは思いません。
経済が成長し、賃金が上昇し、企業の生産性が高まり、その結果として金利が2%、2.5%になるのであれば、むしろ正常化です。
問題は逆です。
円安、輸入物価、インフレなどに追われ、経済や家計が十分に強くない状態で金利を上げざるを得なくなること。
こちらの方が日本には厳しい。
住宅ローン、企業借入、不動産、国の利払いなど、長期間の超低金利を前提として作られてきた仕組みが、一斉に金利上昇の影響を受けるからです。
そして、ここからが私が以前から感じていた日本の問題です。
日本は「壊れる直前」まで変わらないのか?
日本には、問題が見えていても大きく変えず、限界まで現在の仕組みを維持しようとする傾向があるように感じます。
これは日本の安定性という長所でもあります。
しかし同時に、変化が必要な時代には弱点にもなります。
人口減少も、社会保障も、財政も、生産性も、エネルギー問題も、かなり以前から分かっていました。
それでも抜本的な改革は難しかった。
そして外部環境や市場から圧力を受け、いよいよ逃げられなくなってから大きく変わる。
私はこれを少し強い表現で、
「日本は滅びて目覚める国なのか?」
と考えてしまいます。
もちろん、本当に国家が滅びるという意味ではありません。
今までの仕組みでは維持できないところまで追い込まれて、初めて本格的な改革が始まるのではないか、という意味です。
戦後の日本が大きく生まれ変わったことを考えても、皮肉なことに日本は、危機に直面した後の適応力は非常に強い国です。
しかし今回は、そこまで追い込まれる前に変われるのか。
そこが大きな分岐点だと思います。
私が一番心配しているのは「金利」ではなく「改革の順番」
本来なら、
成長する→ 賃金が上がる→ 税収が増える→ 財政が改善する→ 金利を正常化する
という順番が理想でしょう。
ところが最悪なのは、
円安・インフレが進む→ 金利を上げざるを得ない→ 住宅・企業・財政への負担が増える→ 景気が弱くなる→ そこでようやく大改革が始まる
という順番です。
今回の「1.75%、最終2.5%」という予測を見て私が怖いと感じるのは、まさにこちらの道です。
まだ、このシナリオが確定したわけではありません。
しかし、少なくとも**「日本ではそんな金利になるはずがない」と笑っていられる段階ではなくなってきた**と思います。
そして日本に本当に必要なのは、金利が2.5%になるかどうかを当てることではありません。
2.5%になっても耐えられる国へ、その前に変われるかどうか。
私は、そこがこれから数年間の日本にとって最大の問題になるのではないかと思っています。
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