ドル円に騙されるな。円の価値は、むしろさらに悪化している
- 後藤 友亮

- 11 時間前
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ドル円だけを見ていると、「円安は少し落ち着いたのではないか」と感じるかもしれません。
しかし、ドル以外の通貨に目を向けると、状況はまったく異なります。
ユーロやスイスフランなどに対して、円の弱さは続いています。
つまり、ドル円が一定の水準に抑えられて見えるのは、円の価値が回復したからではありません。
為替介入やドル自体の弱さによって、ドル円の数字だけが表面上落ち着いて見えている可能性があるのです。
ドル円だけでは本当の円安は見えない
円とドルが同時に弱くなれば、ドル円のレートは大きく動かないことがあります。
しかし、それは円が強くなったことを意味しません。
例えば、円もドルもユーロやスイスフランに対して下落していれば、ドル円があまり変わらなくても、世界の中で見た円の価値は低下しています。
これは、体重計の数字だけを見て安心している間に、健康状態そのものが悪化しているようなものです。
数字が安定して見えることと、状況が改善していることは別問題です。
為替介入で止められるのは、表面上の動きだけ
政府や日銀が為替介入を行えば、ドル円の急激な上昇を一時的に抑えられる場合があります。
しかし、それだけで日本経済の成長力や国際競争力が回復するわけではありません。
金利差、財政への不安、輸入価格の上昇、海外への資金流出といった問題が残っている限り、円安の背景そのものは変わりません。
ドル円だけを抑えても、ほかの通貨に対して円が弱くなれば、日本人の海外での購買力は低下し続けます。
海外旅行、海外不動産、外貨建て資産、輸入品。
実際の生活や資産価値に影響するのは、ドル円の数字だけではなく、円が世界全体に対してどれだけの価値を持っているかです。
円の総合的な価値も低下している
円の価値を幅広い通貨との関係から捉える指標の一つが、実質実効為替レートです。
2026年の推移を見ると、
5月:66.03
6月:65.42
7月:65.04
と、低下が続いています。
つまり、ドル円の動きだけでは見えないところで、円の総合的な価値は下がっています。
本当に見るべきもの
これから円安を判断するときに重要なのは、「ドル円が何円か」だけではありません。
ユーロ、スイスフラン、シンガポールドルなど、複数の通貨に対して円がどう動いているかを見る必要があります。
ドル円だけが抑えられていても、ほかの通貨に対する円安が進んでいれば、円の価値は回復していません。
むしろ、気づかないうちに悪化している可能性があります。
ドル円に騙されるな。円の価値は、むしろさらに悪化している。
これが、現在の為替市場を見るうえで見落としてはいけない現実ではないでしょうか。




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