AIとロボットの時代にも、確実に残る仕事―― 一つ目
更新日:9月5日

AIとロボットの進化によって、人間の仕事は最後まで残るのだろうか。
製造業だけでなく、農業、畜産、運送、事務、教育まで、自動化される可能性があります。
しかし、考えていくと、かなり最後まで残ると思える仕事が一つあります。
それは、
「数が少ない希少品や限定品をメンテナンスや修理する仕事」
です。
大量生産品の修理は自動化される
これから大量生産される自動車や家電、生活用品は、ロボットによって製造されるようになるでしょう。
故障の診断をAIが行い、部品交換や修理までロボットが担当する可能性があります。
さらに製品価格が下がれば、壊れた物を修理するより、新しい物へ交換したほうが早くて安い時代になるかもしれません。
そのため、一般的な大量生産品を修理する仕事は、今後かなり減っていくと考えられます。
しかし、数の少ない物は違います。
数が少なければ、ロボットの出番はない
たとえば、
クラシックカーや限定生産された高級車
高級腕時計
宝石や美術品
アンティーク家具
貴重な楽器や伝統工芸品
歴史的建造物
などです。
必ずしも、世界に一つしかない物である必要はありません。
同じ製品が複数存在していても、生産数や現存数が少なければ、その修理を自動化する意味がありません。
数百万台販売されている自動車なら、専用の修理ロボットや自動修理設備を開発する価値があります。
しかし、世界に数百台、数千台しか存在しない車のために、専用ロボットを開発しても費用を回収できません。
修理する台数が少なすぎるため、自動化しても採算が合わないのです。
つまり、ロボットに置き換えられない理由は、技術的に難しいからだけではありません。
数が少なすぎて、ロボットに覚えさせたり、専用設備をつくったりする経済的な意味がないのです。
同じ製品でも、状態は一つひとつ違う
古い物は、同じ製品であっても状態が異なります。
同じ車種でも、走行距離、保管環境、過去の修理歴、部品の劣化状態は一台ずつ違います。
古い建物も、建物の傾き、木材の傷み方、湿気、過去の増改築によって、修理方法が変わります。
交換部品がすでに存在しなければ、現物を確認しながら部品を加工したり、一から製作したりしなければなりません。
そこでは、長年の経験による感覚や微妙な力加減、その物が持つ価値を損なわない判断が必要になります。
AIは、故障原因や修理方法を調べ、必要な部品を設計することはできるでしょう。
しかし、実際の作業では、音、振動、手応え、においなど、数字や設計図だけでは分からないことがあります。
ネジをどこまで締めるのか。
古い部品を壊さず、どのように取り外すのか。
どこまで新しくして、どこをあえて残すのか。
その場で現物を見ながら判断しなければなりません。
AIとロボット側富裕層が所有する貴重品は残り続ける
AIとロボットの時代になっても、富裕層が所有する希少品や限定品は残り続けるでしょう。
クラシックカー、高級腕時計、美術品、アンティーク家具などは、古くなったからといって簡単に新しい物へ交換できません。
むしろ、年月がたつほど希少価値が高くなる物もあります。
富裕層にとって大切なのは、単に壊れた物を動く状態へ戻すことだけではありません。
「信頼できる職人に、大切な品物を任せること」
そのものにも価値があります。
希少品の修理は、一度失敗すれば、取り返しのつかない損失につながる可能性があります。
だからこそ、長年の経験があり、その品物の価値を理解し、安心して任せられる職人が必要になります。
技術だけでなく、職人への信頼自体が価値になるのです。
学歴より、現物を直せる力
この仕事に必要なのは、一般的な知識を暗記することや、高い学歴だけではありません。
現物を見て原因を考え、自分の手を動かし、失敗できない仕事に責任を持つ力です。
ここでも最後に必要になるのは、
「自分で考え、現実を見て、実際に行動する力」
なのだと思います。
AIは、職人の知識を補い、修理方法を探し、入手できなくなった部品を設計するための強力な道具になるでしょう。
しかし最後に現物と向き合い、どの方法で直すかを判断し、自分の手で仕上げるのは人間です。
一つ、残る仕事を見つけた
AIとロボットの進化を考えると、多くの仕事がなくなる未来ばかりを想像してしまいます。
しかし、すべての物が大量生産品になるわけではありません。
生産数や現存数が少ない物、一つひとつ状態が異なる物、人間の思いや長い歴史が込められた物は残り続けます。
そして、それらを守り、直し、次の世代へ引き継ぐ人も必要とされます。
一般的な修理の仕事が自動化される一方で、数の少ない物を現物に合わせて直せる専門職人の価値は、むしろ高くなるかもしれません。
数の少ない希少品や限定品を、人間の経験と手で直す仕事。
これは、AIとロボットの時代になっても、確実に最後まで残る仕事の一つだと思います。
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