日本の給与所得者の約3人に1人が年収300万円以下──世界の平均年収と比較して見えた現実
- 後藤 友亮

- 4 時間前
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「日本は給料が高い国」
海外では、今もそのようなイメージを持っている人が少なくありません。私が交流しているモンゴルの方々の中にも、日本人の多くは年収600万円程度を受け取っていると思っていた人がいました。
しかし、国税庁の統計を確認すると、日本の給料の現実は、その印象とはかなり違います。
日本の給与所得者の約32%が年収300万円以下
国税庁の「令和6年分 民間給与実態統計調査」によると、1年を通じて勤務した民間の給与所得者は約5,137万人です。
その年収の内訳を見ると、次のようになります。
年収 | 全体に占める割合 | 人数 |
100万円以下 | 約7.7% | 約393万人 |
100万円超〜200万円以下 | 約11.1% | 約571万人 |
200万円超〜300万円以下 | 約13.2% | 約677万人 |
300万円以下の合計 | 約32% | 約1,641万人 |
つまり、日本で働く民間給与所得者の約3人に1人が、年収300万円以下です。
ただし、この統計には正社員だけでなく、パートやアルバイトなども含まれています。日本人全体の3人に1人が年収300万円以下という意味ではなく、あくまで1年を通じて勤務した民間の給与所得者を対象とした数字です。
年収300万円は世界の平均年収ランキングでどの位置か
年収300万円を1ドル=160円で換算すると、18,750ドルになります。
これを2025年の各国の平均年収と比較すると、次の位置です。
順位 | 国・比較対象 | 年収の目安 |
39位 | ギリシャ | 約340万円 |
参考 | 日本で年収300万円の人 | 300万円 |
40位 | メキシコ | 約230万円 |
41位 | コロンビア | 約188万円 |
年収300万円は、ギリシャの平均年収を下回り、メキシコの平均年収を上回る水準です。
ランキングに参考として当てはめれば、39位のギリシャと40位のメキシコの間に位置します。
ここで注意したいのは、これは日本という国が40位という意味ではないことです。日本の平均年収の順位と、年収300万円の個人を他国の平均年収と比較した位置は、別の話です。
また、このランキングは掲載されている比較対象国の中での順位であり、世界のすべての国を網羅した順位でもありません。
300万円は「平均」ではなく上限
さらに重要なのは、年収300万円という数字が、この層の平均年収ではなく上限だということです。
約1,641万人の中には、年収200万円以下の人が約964万人含まれています。
年収200万円を1ドル=160円で換算すると、12,500ドルです。これはメキシコの平均年収約230万円を下回り、コロンビアの平均年収約188万円に近い水準です。
つまり、年収300万円以下の人たちの中には、海外の平均年収と単純に比較すると、さらに低い位置に当てはまる人が少なくありません。
額面から税金や社会保険料も差し引かれる
日本では、年収300万円をそのまま自由に使えるわけではありません。
所得税、住民税、健康保険料、厚生年金保険料などが差し引かれます。さらに、残ったお金から家賃、食費、光熱費、通信費、消費税などを負担しなければなりません。
自動車が必要な地域では、自動車税、車検費用、保険料、ガソリン代もかかります。住宅を所有していれば固定資産税も発生します。
家族構成や住んでいる地域、雇用形態によって事情は異なりますが、年収300万円以下で生活を続ける場合、家計に十分な余裕を持つのは簡単ではありません。

モンゴルで感じた「日本の給料」への誤解
私のモンゴル人の知り合いには、年収600万円前後を稼いでいる人が何人かいます。
その方々に「年収600万円なら、日本でも比較的高い給料ですよ」と伝えると、意外そうな反応をされました。日本人の平均年収も、それくらいだと思っていたようです。
しかし、日本の民間給与所得者の平均年収は約478万円です。年収600万円を超える人は全体のおよそ4人に1人で、決して平均的な水準ではありません。
もちろん、モンゴルと日本では物価、税金、社会保障制度が異なります。モンゴルでは、本業以外に商売、副業、投資など、複数の収入源を持っている人もいます。
そのため、年収の数字だけで生活の豊かさを判断することはできません。それでも、「日本で働けば誰でも高い給料をもらえる」という印象は、現在の日本の実態とは合わなくなっています。
日本の給料は、海外が想像するほど高くない
今回の比較は、1ドル=160円という仮定の為替レートを使い、個人の年収を各国の平均年収と比べた参考値です。各国の物価、購買力、税金、社会保障の違いは反映していません。
それでも、日本の給与所得者の約32%が年収300万円以下という事実は変わりません。
かつての「日本は給料が高い国」というイメージだけで現在を判断すると、実際の生活との間に大きなズレが生じます。
海外から見た日本の印象と、日本で働く人たちの現実。その差は、私たちが思っている以上に広がっているのかもしれません。

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