円安と低賃金は誰のためか──高齢者と預貯金が多い日本が考えるべきこと
- 後藤 友亮

- 4 時間前
- 読了時間: 2分

円安になると、輸出企業は利益を出しやすくなります。
海外で得た売上を円に換算すると金額が増えるうえ、日本国内の人件費も海外から見れば割安になるからです。
例えば、年収400万円の従業員は、1ドル100円なら4万ドルですが、1ドル160円なら2万5,000ドルです。給料が変わらなくても、海外から見た人件費は大きく下がります。
その状態で人手不足を外国人労働者で補えば、企業は賃金を大幅に上げなくても事業を続けやすくなります。
つまり、円安と低賃金、外国人労働者の受け入れが組み合わさると、輸出企業にとっては利益を確保しやすい構造になります。
もちろん、政府が最初からそのために政策を進めているとは断定できません。また、輸出時の消費税還付も、仕入れ時に負担した消費税を戻す制度であり、それ自体を単純に企業への補助金と考えることはできません。
それでも結果として、輸出企業の利益が増える一方で、国民の賃金が上がりにくい構造が続いているように見えます。
しかし、日本は高齢者が多く、国民の預貯金も多い国です。
円安になれば、食料や燃料、原材料の輸入価格が上がります。年金生活者は収入が増えにくいため、物価上昇の影響を直接受けます。預貯金も金額は変わらなくても、買えるものが減れば実質的な価値は下がります。
例えば、1,000万円の預貯金は、1ドル100円なら10万ドル相当ですが、1ドル160円では6万2,500ドル相当になります。
反対に、円の価値が上がれば輸入品や燃料が安くなりやすく、年金や預貯金の購買力を守ることができます。さらに賃金が上がれば、働く世代の生活にも余裕が生まれます。
急激な円高は輸出企業や雇用に悪影響を与えるため、円高なら何でもよいわけではありません。
それでも、円安と低賃金で一部の企業の利益を支えるより、円の価値を守りながら賃金を上げ、国民全体の生活を豊かにする方向のほうが、日本の実情に合っているのではないでしょうか。
む「この記事を読んだ人におすすめ」→ 関連記事




コメント