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田舎の不動産は「安い」だけで買ってはいけない――約6,000坪の土地を取得して分かった名義変更の難しさ

7月17日
読了時間: 6分

更新日:9月4日


田舎の不動産には、都会では得られない魅力があります。


広い土地、豊かな自然、静かな環境。


そして何より、驚くほど安い価格で売られている物件を見かけることがあります。


私自身も田舎の不動産を取得しましたが、実際に手続きを経験してみて分かったことがあります。


それは、

「借りて使うこと」と「自分の名義にすること」は、まったく別の話だということです。


田舎では、土地の境界や登記、農地、山林、接道、古い建物など、長い年月の中で複雑になった問題が残っていることがあります。


長期間話を進めたにもかかわらず、調査をしてみたら想定外の問題が見つかり、費用や手続きの面から購入を断念せざるを得ないケースも考えられます。


だからこそ、田舎の不動産は「安いから」という理由だけで判断せず、購入前の調査が非常に重要だと感じました。


一番驚いたのは、土地の境界でした

比較的新しく整備された土地や道路沿いの土地では、境界が分かりやすい場合もあります。

一方、昔から使われてきた土地では、

「ここまでが自分の土地だと思っていた」

という現地の認識と、登記や測量上の状況が一致していないことがあります。


特に一つの物件の中に、

宅地・農地・山林

が混在している場合は注意が必要です。


境界がはっきりしなければ、測量や分筆などが必要になることがあり、それだけでも時間と費用がかかります。


私自身、実際に田舎の土地を取得する中で、

「田舎の土地は、見えている土地だけを見ても分からない」

ということを学びました。


農地が含まれていると、さらに手続きが増える

もう一つ注意したいのが農地です。


農地は一般的な宅地と同じ感覚で自由に売買できるとは限らず、農地法に基づく許可や届出などが必要になる場合があります。


農地として取得するのか、転用するのかによっても条件は変わります。


私の場合は、過去に農業をしていた経験があり、必要な手続きを進めるうえで比較的スムーズに対応することができました。


ただ、これは地域や土地の状況によっても違います。


そのため農地が含まれている物件については、売買の話を本格的に進める前に、農業委員会などへ確認しておくことをおすすめします。


昔からある家には、現在の感覚では考えられないこともある

田舎には、何十年も前から建っている家がたくさんあります。


当然、その間に法律や制度も変わっています。


そのため、現在の基準で調査してみると、思いもよらない問題が見つかることがあります。

例えば私がこれまで見聞きした範囲でも、


  • 宅地ではない土地に建物が建っている


  • 建物や構造物が隣地にはみ出している


  • 自分の土地だと思って使っていた進入路が、実は他人の土地だった

といったケースがあります。


現地を見ただけでは、まず分かりません。


何十年も普通に道路として使われていれば、当然そこも敷地の一部だと思ってしまいます。


ところが登記を調べてみると違っていた、ということが実際にあり得ます。


だからこそ、

「昔からこう使っているから大丈夫」

という言葉だけで判断しないことが大切です。


災害リスクも必ず確認する

もう一つ、昔以上に重要になっていると感じるのが自然災害です。


田舎の物件には、

川が近い。

裏が山になっている。


急傾斜地がある。


といった場所が少なくありません。


景色だけを見れば、むしろ魅力的な場所です。


しかし、購入となれば話は別です。


ハザードマップや土砂災害警戒区域などを確認し、どのようなリスクがある場所なのかを事前に調べておく必要があります。


土地の状況や将来行う工事によっては、擁壁や排水などについて追加の対策が必要になることもあります。


「名義変更できるか」だけではなく、「この土地をこれから安全に維持できるか」まで考える。


田舎の土地では、この視点も非常に重要だと思います。


川沿いの土地は、景色とリスクの両方を見る

私自身、自然のある土地には大きな魅力を感じます。


特に川沿いの土地は、景観もよく、都会では得られない環境があります。


ただし、大雨による増水や浸水の可能性は必ず確認したほうがよいでしょう。


「昔から一度も水が来たことがない」

という話だけではなく、自治体のハザードマップや過去の災害記録なども合わせて確認することが大切です。


裏山がある物件も慎重に見る

田舎で物件を探していると、裏に山がある土地は珍しくありません。


むしろ山を完全に避けて探すほうが難しい地域もあります。


そこで確認したいのが、斜面の状態や地質、排水、過去の崩落などです。


岩盤が確認できる場所でも、それだけで安全と判断するのではなく、周囲の斜面や落石、表層土、排水などを含めて考える必要があります。


心配な場所については、専門家に見てもらうのが一番確実です。


大木は「財産」にも「大きな費用」にもなる

意外に見落としやすいのが木です。


長期間放置された田舎の土地では、庭木だったものが何十年もかけて巨大化していることがあります。


大きな木は景観としては素晴らしいのですが、建物や電線の近くにあると簡単には伐採できません。


大型重機や高所作業車が必要になれば、伐採費用も大きくなります。


購入前には建物だけでなく、

「この土地を維持していくために、今後どのくらい費用がかかるのか」

という視点で敷地全体を見ることをおすすめします。


私の場合、名義変更まで約半年かかりました

私が今回譲っていただいた土地は、宅地・農地・山林を合わせて約6,000坪ありました。

幸い、大きな問題に発展することなく手続きを進めることができました。


それでも、最終的に名義変更が終わるまでには約半年かかりました。


実際に経験してみるまでは、私自身も、

「名義変更なら、そこまで大変ではないだろう」

と思っていました。


しかし、田舎の土地は一つひとつ事情が違います。

登記。

境界。

農地。

山林。

道路。

建物。

災害リスク。


これらを一つずつ確認していく必要があります。


田舎の物件は、それでも魅力がある

ここまで書くと、

「田舎の不動産は買わないほうがいい」

という話に聞こえるかもしれません。


私は、そうは思っていません。


むしろ私は、実際に田舎の土地を取得して、その魅力を感じています。


都会ではなかなか手に入らない広い土地と自然の中で、自分なりの暮らし方をつくることができます。


ただし、

「安い物件」と「安心して所有できる物件」は同じではありません。


価格だけを見るのではなく、購入する前に土地の中身をしっかり調べる。


そして分からないことは、法務局、自治体、農業委員会、土地家屋調査士、司法書士など、それぞれの専門家に確認する。


多少時間をかけても、これが結果的には一番の近道だと思います。


私自身、約6,000坪の土地の取得を経験したことで、田舎の不動産について多くのことを学びました。


これから古民家や田舎の土地を探す方にとって、私の経験が少しでも参考になれば幸いです。


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