20日間の断食体験――一日一食だった私が長期断食を始めたきっかけ

第1回
もともと私は、若い頃から一日一食に近い生活をしてきました。
振り返ってみると、19歳で経営者になった頃からだったように思います。
若い頃は仕事に集中すると、食べることそのものを忘れてしまうことがありました。
食べられないわけではありません。
付き合いで昼食や夕食に誘われれば普通に食べましたし、たくさん食べようと思えば食べることもできました。
ただ単純に、食べることへの興味があまりなかったのだと思います。
感覚としては猫のようなもので、
「食べたい時に少し食べる」
そんな生活が自分には合っていました。
考えてみれば、私の方から誰かを食事に誘ったことも、ほとんどなかったように思います。
経営者だった頃には、従業員との食事に会社としてお金を使ったり、仕事の一環として夜の付き合いに出たりした時期もありました。
それでも、自分自身の楽しみとして食事に大きなお金を使うことは、あまりありませんでした。
年齢を重ねた今では、朝や昼に食べると、むしろ調子が悪く感じることがあります。
そのため、今でも一日一食という生活が私には自然です。
それまでの一日一食と「断食」は別物だった
ただし、この頃の私は「健康のために断食をしよう」と考えて一日一食にしていたわけではありません。
単に食べることへの関心が薄かっただけです。
ある時、胸が頻繁に痛むようになった
私が本格的な長期断食をするようになったのには、まったく別のきっかけがあります。
40代中くらいだったと思います。経営者だった頃、仕事上の付き合いで夜遅くまで毎日外に出ることも多く、不眠不食に近い生活が続いていた時期がありました。
その影響だったのかどうかは分かりませんが、ある時から胸が頻繁に痛くなるようになりました。
さすがに気になり、近くの開業医を受診しました。
受付で問診票を記入すると、その内容を見た先生がすぐに優先して診察してくれました。
診察の結果、狭心症と診断され、そのまま救急車で聖隷病院へ搬送されることになりました。
病院では応急処置を受け、ニトログリセリンを処方され、その後、カテーテル治療を受ける予定になりました。
それまで普通に仕事をしていた私にとって、突然の出来事でした。
そして、このカテーテル治療を待つ約20日間が、私が初めて本格的な長期断食をするきっかけになります。
当然、不安はありました。
そんな時、ふと思い出した話がありました。
得意先で聞いた「野生動物と断食」の話を思い出した
カテーテル治療を待つことになった時、ふと思い出した話がありました。
以前、得意先で世間話をしていた時、その方がドイツに住んでいる知人から聞いた話として、断食について話してくれたことがありました。
その中で特に私の記憶に残っていたのが、
「野生動物は毎日決まった時間に食べられるわけではない。空腹の時間があり、体調を崩した時には食べずに休み、体を回復させようとする」
というような話でした。
当時の私は医学的な知識があったわけではありません。
ただ、もともと若い頃から一日一食に近い生活で、食べること自体にもあまり興味がなかったため、
「人間も動物なのだから、食べない時間には何か意味があるのかもしれない」
という話が妙に頭に残っていました。
そして狭心症と診断され、カテーテル治療を待つことになった時、その話を思い出したのです。
そこで私は、
「手術までの間、自分でも試してみよう」
と思いました。
今振り返れば、かなり大胆なことをしたと思います。
ただ、もともと食べないことへの抵抗が少なかった私だからこそ、そう考えたのかもしれません。
その日からカテーテル治療を予定していた日まで、記憶では約20日間。
私は水分以外、食事を一切取らずに過ごしました。
ただ、もともと私は若い頃から一日一食に近い生活で、食べること自体にもそれほど興味がありませんでした。
だからこそ、「食べない」ということへの抵抗が、普通の人より少なかったのかもしれません。
約20日後、手術前の検査で起きたこと
そして、カテーテル治療を予定していた時期になり、手術前の検査を受けました。
そこで、私にとって忘れられない出来事が起きました。
先生がパソコン画面に表示された検査画像を見ながら、当初問題になっていた部分が確認できないことに驚いていたのを覚えています。
結果として、予定されていたカテーテル治療を受けることはありませんでした。
そして私の場合、その後現在まで、当時のような胸の症状は一度も出ていません。
これは、私自身に実際に起きた出来事です。
ただし「断食で狭心症が治った」とは書けない
ここは、とても大切なので明確にしておきます。
私は、
「20日間断食すれば狭心症が治る」
と言っているわけではありません。
そして、この方法を他の人に勧めるつもりもありません。
私に起きた変化が断食によるものだったのか。
最初と後の検査の違いだったのか。
応急処置や薬が影響したのか。
あるいは、私には分からない別の理由があったのか。
医学の専門家ではない私には、その因果関係を判断することはできません。
私が書けるのは、あくまで自分に起きた事実だけです。
狭心症と診断された。
↓カテーテル治療を予定した。
↓その間、約20日間食事を取らず水分だけで過ごした。
↓手術前の検査では、当初問題となっていた所見が確認されなかった。
↓予定されていた治療は受けなかった。
↓その後、私の場合は同じ症状が出ていない。
この順番で出来事が起きた。
それ以上でも、それ以下でもありません。
それでも、この経験が私の考え方を変えた
医学的な因果関係は私には分かりません。
それでも、自分自身にとって非常に大きな出来事だったことは間違いありません。
それまで私にとって一日一食は、単に「食べることにあまり興味がない」という生活習慣でした。
しかし、この経験を境に、
「人間にとって、食べない時間とは何なのだろう」
と考えるようになりました。
人間も生物の一種です。
自然界の動物なら、毎日決まった時間に食べ物が用意されるわけではありません。
獲物が捕れず、食べられない日もあるでしょう。
そう考えていくうちに私は、
「一日三食を決まった時間に食べることだけが、人間にとって唯一の食生活なのだろうか」
と疑問を持つようになりました。
これは「三食は間違っている」という意味ではありません。
人によって体質も生活も違います。
ただ、私自身については、一日一食という生活が自然だった。
私にとってこの20日間の断食体験は、その後の一日一食や断食に対する考え方を大きく変える出来事になりました。
今では断食そのものへの恐怖はなくなった
あの経験以降、私は断食を何度か経験するようになりました。
最初の頃とは違い、今では「食べないこと」そのものに対する恐怖はほとんどありません。
注意 : ただ、それは長年一日一食に近い生活をしてきた私自身の場合の話です。
長期間の断食には、脱水や電解質異常、低血糖、再び食事を始める際の問題など、重大な危険もあります。特に心臓に症状がある人が、私の経験を読んで同じことを自己判断で行うことは勧められません。これは健康法を勧める記事ではなく、私自身の人生の中で実際に起きた一つの体験の記録です。
そして振り返ってみると、現在の私の一日一食や断食に対する考え方の原点には、間違いなくあの時の経験があります。
この経験が、私の断食に対する考え方を大きく変えるきっかけになりました。
そして、その後も何度か断食を経験するうちに、空腹感、体重、睡眠、肌、太陽の光を浴びたくなる感覚など、自分の身体にいろいろな変化を感じるようになりました。
それについては、続編で書いてみたいと思います。
協同組合かけはし/KAKEHASHI HUMAN MONGOL LLC 後藤友亮/GOTO YUSUKE
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