【実体験・第2話】AIアバターが自分の代わりに働く未来――仮想空間が変えるビジネスと消費経済

仮想空間の魅力は、娯楽だけではない
前回の記事では、セカンドライフを体験したことで、私自身の物に対する価値観が変わったことを書きました。
今回は、その先にあるビジネスと経済の可能性について考えてみたいと思います。
私は19歳から長年経営に携わってきました。
さまざまな事業を経験してきた立場から考えると、仮想空間はビジネスに非常に都合のよい場所になる可能性があります。
なぜなら、現実世界で必要だった設備や場所、人手の一部を、仮想空間とAIによって置き換えられるかもしれないからです。
例えば、現実世界で店舗を開くには、建物や設備、管理費などが必要です。
しかし仮想空間なら、比較的少ない費用で店舗を作り、世界中の人に商品やサービスを紹介できます。
さらにAIを組み合わせれば、もっと面白いことが考えられます。

アバターとAIが一体になれば、自宅から世界中を相手に仕事ができる
例えば、仮想空間に自分の店舗を作ったとします。
そこにAIを搭載したアバターを配置します。
お客様が訪れれば、アバターが挨拶をし、商品を説明し、質問に答える。
外国人のお客様であれば、AIが通訳を担当する。
商談が必要になったときだけ、本人が自宅から参加する。
そんな仕組みができれば、わざわざ現地へ出向く必要のない仕事も増えるでしょう。
私は現在、セカンドライフの「かけはしAIラボ」で、3言語の音声案内やAI受付との文字チャットなどを試しています。
まだ、すべてをAIが自動で行っているわけではありません。
しかし、こうした実験を通して、将来のビジネスの形を想像しています。
例えば、モンゴルの不動産を仮想空間で案内する。
ユニットハウスの完成予想を、実際に中を歩きながら説明する。
日本とモンゴルの人が、アバターを通して商談する。
現実の現場確認や契約手続きは必要でも、事前の説明や相談は仮想空間で進められるかもしれません。
自宅にいながら、世界中を相手にビジネスができる。
これは個人事業主にとって、大きな可能性があると思います。
AIがアバターを動かしている間、人間は別のことができる
そして、私が特に注目しているのは、ここから先です。
AIが自分に代わってアバターを動かし、仕事をしている間、人間は別のことができるのではないでしょうか。
例えば、仮想空間に店舗を3つ作ったとします。
それぞれの店舗にAIアバターを配置します。
お客様が来れば、AIが案内をする。
商品の説明や一般的な質問に対応する。
重要な相談や判断が必要なときだけ、本人へ連絡する。
これなら、人間が一日中仮想空間に入っている必要はありません。
さらに、同じ仕組みを複数の店舗で運用できれば、一人の人間が複数の事業を管理することも考えられます。
もちろん、現在のAIがすべての仕事を正確に判断し、責任を持って経営できるわけではありません。
顧客の信頼を得ることや、契約、個人情報、法律、サービスの利用規約なども考えなければなりません。
しかし、AIが仕事の一部を引き受けるだけでも、人間が直接働く時間は減らせる可能性があります。
私は、そこに大きな魅力を感じています。
経営者は、人間とロボットのどちらを選ぶのか
私は長く経営に携わってきたので、この問題も気になります。
仮に、AIやロボットが人間と同じ仕事を、同等以上の品質で、より安い費用で行えるようになったらどうでしょう。
経営者が導入を検討するのは自然なことだと思います。
もちろん、人間にしかできない仕事や、人間が担当するほうが適している仕事も残るでしょう。
現時点では、ロボットの導入費用や故障、安全性など、多くの課題があります。
しかし、技術が進めば、企業が人間に任せる仕事とAIに任せる仕事の割合は変わっていくと思います。
教育や資格制度についても同じです。
知識を暗記することだけでなく、AIを利用して正しく安全に作業できる能力が、より重視されるようになるかもしれません。
私は、AIが人間の仕事をすべて奪うと断言するつもりはありません。
ただ、人間が直接行わなければならない仕事は、今より少なくなる可能性があると考えています。
仮想空間が普及すると、消費経済はどう変わるのか
ここからは、私自身の体験をもとにした予測です。
私はセカンドライフを使うようになり、現実世界で物を所有することよりも、仮想空間で何かを作り、楽しむことに大きな魅力を感じるようになりました。
もし、同じような人が増えたらどうなるのでしょう。
高級車や豪邸など、現実の物を所有することで得られる満足感の一部が、仮想空間で満たされるようになるかもしれません。
もちろん、本物の希少価値や、実際に使用する価値がなくなるわけではありません。
しかし、消費者の関心が現実の物からデジタルの体験へ移れば、企業のお金の稼ぎ方も変わります。
現実の高額商品を購入する代わりに、仮想空間での交流、創作、娯楽、サービスなどへお金を使う人が増える可能性があります。
私は、これは単なる新しい娯楽産業の誕生ではなく、消費のあり方そのものに関わる変化だと思っています。
住宅や旅行、飲食にはどのような価値が残るのか
私は、仮想空間が発展しても、現実世界のすべてが不要になるとは思っていません。
住宅には、実際に暮らす場所としての価値があります。
食事は、現実の身体を維持するために必要です。
実際の自然や、人と直接会うことにも価値があります。
そのため、住宅、飲食、医療、介護などは、今後も重要な分野だと思います。
一方、観光や娯楽には変化が起こるかもしれません。
世界の景色を眺めるという目的なら、仮想空間でも楽しめる人が増えるでしょう。
しかし、現地で料理を食べたり、人と会ったり、空気や気候を感じたりする体験は、別の価値を持っています。
つまり、現実世界が不要になるのではなく、現実に求めるものが変わる可能性があるということです。
ベーシックインカムでも十分楽しめる社会になるのか
私は、さらにその先の社会も想像しています。
もしAIやロボットが多くの仕事を担当し、仮想空間でさまざまな娯楽を安く楽しめるようになれば、人間が豊かな生活を送るために必要なお金は、現在とは変わるかもしれません。
現実世界で高額な物を所有しなくても満足できる。
AIを使って、自分のアイデアを実現できる。
仮想空間で、世界中の人と交流できる。
そうなれば、少ない支出でも充実した生活を送れる人が増える可能性があります。
そのような社会では、ベーシックインカムのような所得保障制度にも、新たな意味が生まれるかもしれません。
もちろん、住宅費や食費、医療費など、現実の生活に必要なお金は残ります。
また、ベーシックインカムの実現には財源や所得分配の問題があります。
技術が進歩すれば自動的に豊かな社会になる、という話ではありません。
しかし、私は、人間が豊かさを感じるために必要なもの自体が変わる可能性に注目しています。
最後に――人間が働くためではなく、楽しむために時間を使う未来
私は現在、セカンドライフの中でAIを使いながら、いろいろな実験を続けています。
もちろん、まだ思いどおりにならないこともあります。
操作は難しく、AIにも限界があります。
それでも、私はこの世界を非常に楽しんでいます。
そして、将来AIとアバターがさらに進化したとき、個人のビジネスは大きく変わる可能性があると思っています。
人間は自宅にいながら、世界中の人と仕事ができる。
AIが接客や案内を担当し、人間は必要な判断をする。
さらに技術が進めば、人間が直接働く時間を減らし、自分の好きなことに使える時間を増やせるかもしれません。
これまでは、物を所有するために働いてきた。
これからは、AIに仕事を助けてもらい、自分のアイデアを実現し、人生を楽しむために時間を使う。
私は、そんな未来が来る可能性を感じています。
もちろん、必ずそうなるとは限りません。
しかし、私がセカンドライフで経験した楽しさや、AIによって新しいことができるようになった喜びは、想像ではなく実体験です。
だからこそ、私は仮想空間がどこまで進化するのか、自分で試しながら確かめていきたいと思っています。
かけはしAIラボ
Second LifeでAI受付や多言語案内などを試している実験拠点です。
紹介動画や活動内容はこちらからご覧いただけます。
セカンドライフにどっぷり入り、物への見方が変わった――仮想空間の楽しさとAIの可能性
前回は、私が実際にセカンドライフで土地を購入し、建物やAI受付を作る中で、現実世界の物を所有することへの価値観が変わってきた経験を書きました。
今回は、その先にあるビジネスや経済の可能性について考えてみたいと思います。
※この記事は筆者自身の経験と考察に基づくものであり、AIや仮想空間による将来の経済変化を断定するものではありません。
協同組合かけはし/KAKEHASHI HUMAN MONGOL LLC 後藤友亮/GOTO YUSUKE
静岡県浜松市/モンゴル・ウランバートル 公式サイト:https://www.kakehasi.biz/





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