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シベリア抑留の食事は黒パン100グラムを1日2回だった――100歳の証言を聞いて私が考えたこと

4 時間前
読了時間: 5分
100歳の男性がボーダーコリーを撫でる姿と少食について考える記事のイメージ

シベリア抑留の食事について本人に聞いたこと。


この二つを結び付けて考えるつもりは、最初はまったくありませんでした。


100歳のおじいさんから、満州、奉天、カラガンダ、そして旧ソ連での抑留生活について話を聞いてきました。


前の記事では、その人生をできるだけ本人の言葉に沿って記録しました。


しかし、話を聞いているうちに、私の頭からどうしても離れないことが一つありました。

それは、


「人間の身体には、本当はどれくらいの食事が必要なのだろう」


という疑問です。


黒パン100グラムほど、それが1日2回

カラガンダでの食事について、本人には何度か確認しました。

黒パンなら、


100グラム。


それが一日2回。


もう一つのメニューは、飯盒容器に半分くらいのご飯に白湯だったそうです。

おかずはありません。


仕事量が多い人に特別な追加配給があったのかも聞きました。

本人は、

「なかった」

とはっきり答えています。


今の感覚で考えれば、到底それだけで足りるとは思えません。


しかも、じっとしていたわけではありません。


炭鉱で働いていたのです。


それでも炭鉱で約2年間働いた

本人の話では、カラガンダにはおよそ2年間いたそうです。


炭鉱の仕事は当然、身体を使います。


それだけの食事で、どうして仕事を続けることができたのか。


私はそこが不思議でなりませんでした。


本人は炭鉱について、


「暖かかったから良かった」


と何度も話します。


外はマイナス40℃近くになることもあった。


しかし地下の炭鉱は暖かかった。


一方、屋外で木材の伐採に回された人たちは、厳しい寒さの中で多く亡くなったという記憶が残っています。


そして私がさらに気になったのが、

本人の話の中には、「食べ物がなくて餓死した」という話が出てこない

ことでした。


本人の記憶に強く残っているのは「飢え」より「寒さ」

もちろん、これは本人がいた場所、本人が見聞きした範囲の話です。


旧ソ連の抑留全体について、

「餓死した人はいなかった」

などと言うつもりはありません。


ただ、本人の80年以上前の記憶の中で、死と結びついて強く残っているのは、

飢えより、屋外の猛烈な寒さなのです。


炭鉱は暖かかった。


伐採は寒かった。


そして伐採へ回された人たちが亡くなった。


この話を何度か聞いているうちに、

食料が少ない極限状態では、体温を維持できる環境が想像以上に重要だったのではないか

とも考えるようになりました。


そして、その本人が今100歳

さらに考えさせられるのが、その後です。


この方は100歳になった今も、自分の足で歩きます。


毎朝5時半ごろには公園へ来て、掃除をしています。

足腰もしっかりしています。


80年以上前には、極端に少ない食事で炭鉱の仕事をしていた。


それでも生きて日本へ帰り、100歳まで生きている。


目の前の本人を見ると、

「人間の身体というものは、私たちが思っている以上に環境へ適応する力があるのではないか」


という考えがどうしても浮かんできます。


だからといって「食べなくていい」という話ではない

ここは誤解されたくありません。


私は、

「黒パン200グラム程度で十分だ」

と言っているわけではありません。


また、

「少食だったから100歳まで生きた」

と結論づけるつもりもありません。


本人が100歳まで生きた理由には、体質、遺伝、生活習慣、運動、人とのつながりなど、さまざまな要因があるでしょう。


今目の前にいる一人だけを見て、

「これが長寿の方法だ」

と考えるのは違うと思います。


それでも、

実際にそういう人生を生き抜いた100歳の人が目の前にいる。


その事実は、私にいろいろな疑問を投げかけます。


今の私たちは、本当に必要な量を食べているのだろうか

現代の私たちは、


朝食。


昼食。


夕食。


間食。


飲み物。


いつでも食べ物が手に入ります。


そして、

「一日にこれくらい食べなければならない」

という数字にも囲まれています。


もちろん、栄養についての知識は大切です。


しかし100歳の方の話を聞いていると、私は別の疑問も持ちます。

必要だから食べているのか。


それとも、

食べられる環境にいるから食べているのか。


この二つは、同じではないのかもしれません。


「生きられる量」と「健康に必要な量」は別

一方で、ここも分けて考えなければなりません。


人間が極端に少ない食事でも生き延びられることと、

その食事が健康的であることは別です。


今回の話から分かるのは、

人間が極限環境で驚くほど適応する場合がある

ということまででしょう。


では、その適応はどういう仕組みなのか。


若かったからなのか。


身体が消費エネルギーを抑えたのか。


暖かい炭鉱だったことが大きかったのか。


それとも、私たちがまだ知らない人間の身体の仕組みがあるのか。

私には分かりません。


だからこそ、面白いのです。


100歳の本人を見ながら考える

数字だけなら、ネットでいくらでも調べられます。


必要カロリー。


基礎代謝。


栄養素。


寒冷環境でのエネルギー消費。


しかし今回は、それとは少し違います。


100歳になった本人が目の前に座って、自分の経験を話している。


そして翌朝になれば、また公園へ来て掃除をする。


私はそこに、数字だけでは説明しきれない何かを感じます。


答えを決めつける必要はないと思っています。


むしろ、

「なぜなのだろう」

という疑問を残しておきたい。


100歳の人生から、私が考えたこと

今回の話を聞いて、私が感じたのは、

人間は思っている以上に強い。


そして、

人間の身体について、私たちはまだ分かっていないことがたくさんあるのではないか。

ということでした。


快適な環境。


十分な食事。


便利な生活。


それらはもちろんありがたいものです。


しかし、100歳の方の人生を聞いていると、

人間にとって本当に必要なものは何なのだろう。


そんなことを、改めて考えさせられます。


結論はまだありません。


ただ、100歳になった今も毎朝公園を掃除している本人を見ながら、

「人間というものは、私たちが考えている以上にたくましいのかもしれない」

と思っています。


協同組合かけはし/KAKEHASHI  HUMAN  MONGOL  LLC 後藤友亮/GOTO YUSUKE 

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