AI社会で経営者が必ず管理しなければいけないことは?
更新日:9月4日

この2日間は、自分自身の経験や考え方をもとに回答する「自分AI」を実際につくっています。
そこで感じたのは、AI社会では仕事が減るだけではなく、当面はむしろ会社の経験や情報をAIへ移していく仕事が大量に発生するのではないかということです。
そろそろAIは、デスクワークの仕事であれば、これまでのような専門的な知識がなくても、かなりのところまでできるようになってきたと感じます。
もちろん、まだ人間が指示し、確認し、修正しなければならないことは数多くあります。
最近、自分自身の経験や考え方をもとに回答する「自分AI」を実際につくっています。
そこで感じたのは、AI社会では仕事が減るだけではなく、当面はむしろ会社の経験や情報をAIへ移していく仕事が大量に発生するのではないかということです。
しかし実際に自分AIをつくってみると、経営者の立場から見て非常に難しい問題があることにも気づきました。
それは、AIを使った仕事は、時間がまったく読めないことです。
遊んでいるわけではない。それでも時間が読めない
AIを使った作業では、
指示を出す。結果を確認する。間違いを見つける。修正する。もう一度試す。
これを何度も繰り返します。
うまくいけば数分で終わることもあります。
ところが、一つの問題につまずけば何時間もかかります。
もちろん、その間に遊んでいるわけではありません。一生懸命作業していても、完成まで何時間かかるのか本人にも分からないのです。
自分で実際にやってみて、これは経営者にとって非常に難しい問題になると感じました。
AIの仕事を「働いた時間」だけで評価するのは難しい
例えば、同じAIの仕組みを一人は5時間で完成させ、もう一人は50時間かけて完成させたとします。
時間給だけで考えれば、50時間かけた人のほうが会社の人件費は高くなります。
しかし、会社から見れば50時間かかったからといって、5時間で完成させた人の10倍の価値があるわけではありません。
だからといって、完全な成果報酬にするのも難しい。
AIを使った仕事では、失敗や試行錯誤そのものが必要だからです。
さらに日本のように最低賃金が決められている国では、雇用している以上、単純に「成果が出たときだけ払う」という方法にもできません。
ここは、AI社会の会社経営で非常に難しい問題になってくると思います。
そこで必要になる「5つの記録」
では、経営者はAIを使って仕事をする人を、どう管理すればよいのでしょうか。
自分でAIをつくりながら考えてみると、意外にシンプルな方法に行き着きました。
毎日、次の5つを記録することです。
1.今日何を試したか
2.何が成功したか
3.何が失敗したか
4.昨日から何が改善したか
5.会社に残った成果物は何か
私は、AIを使った仕事では、この5項目が基本になるのではないかと思います。
AIでは「失敗」も会社の財産になる
この方法なら、その日に完成しなくても仕事の進み具合を見ることができます。
例えば、
「Aという方法を試したが失敗した」
だけなら成果がなかったように見えます。
しかし、
「Aを試したが動かなかった。原因が分かったので、明日はBの方法を試す」
まで記録されていれば、会社としては一歩前進しています。
さらに、その失敗例や解決方法をAIや社内資料に残しておけば、次の社員が同じ失敗を繰り返す必要もありません。
つまり、AI社会では成功だけでなく、きちんと整理された失敗も会社の財産になる可能性があります。
最後は会社が判断すればいい
5項目を毎日記録していけば、経営者はAIの細かい技術をすべて理解していなくても、仕事が前に進んでいるかを見ることができます。
そして最終的には会社が判断します。
このまま続けるのか。
方向を変えるのか。
別の人に任せるのか。
それとも、ここで中止するのか。
AIの仕事は時間が読めないからこそ、最初から完成時間を正確に決めようとするより、途中経過を見えるようにして、会社が継続する価値があるかを判断する仕組みが必要なのだと思います。
5項目の報告書もAIにつくらせればいい
さらに、この管理のために人間の仕事を増やす必要もないと思います。
一日のAIとの作業履歴から、
「今日何を試したか」「何が成功したか」「何が失敗したか」「昨日から何が改善したか」「会社に残った成果物は何か」
をAI自身に整理させればよいからです。
人間は最後に内容を確認する。
経営者は、その報告を見て判断する。
これなら管理のための事務作業を大幅に増やさずに済みます。
経営者は「AIに何をさせているのか」も管理する必要がある
そして、もう一つ重要になるのが、会社全体のAI利用の管理です。
これから社員がそれぞれAIを使うようになれば、経営者は少なくとも、
会社のどの仕事にAIを使っているのか。
AIにどんな会社情報を渡しているのか。
AIが出した結果を誰が確認しているのか。
AI導入によって本当に時間やコストが減ったのか。
会社の経験やノウハウがAIに蓄積されているのか。
を把握する必要が出てくると思います。
「社員がAIを使っているから大丈夫」ではなく、AIが会社の中で何をしているのかを経営者自身が把握する必要があるということです。
会社の経験を「人」だけに残さない
私は、ここが将来的に非常に大きな差になると思っています。
これまで会社の経験やノウハウは、人に蓄積されていました。
優秀な社員が20年間働いていても、その人が退職すれば、その経験の多くが会社から失われてしまいます。
しかしAIを利用すれば、その社員の経験、判断方法、失敗例、仕事の進め方などを会社に残せる可能性があります。
これからは、
「優秀な人が何人いる会社か」
だけではなく、
「会社の経験がどれだけAIやデータとして蓄積されているか」
も会社の強さになっていくのではないでしょうか。
経営者自身がAIの進化を確認する
そして最後に、私はこれが最も重要だと思います。
経営者自身が、AIが今どこまで進化しているのかを定期的に確認することです。
半年前には人間にしかできなかった仕事が、今ではAIでできる。
今は何時間もかかっている仕事が、半年後には数分で終わる。
これからは、そうした変化が珍しくなくなる可能性があります。
その変化を知らなければ、会社は昔の方法のまま人と時間を使い続けることになります。
AI社会では、人を管理するだけでは足りません。
人、AI、会社に蓄積された知識、そしてAIそのものの進化を管理する。
これが、これからの経営者に必要な新しい仕事になるのではないか。
実際に自分AIをつくりながら、私はそう感じるようになりました。
協同組合かけはし/KAKEHASHI HUMAN MONGOL LLC 後藤友亮/GOTO YUSUKE
静岡県浜松市/モンゴル・ウランバートル 公式サイト:https://www.kakehasi.biz/





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