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スリランカの太陽光発電はなぜ20%の高利回りなのか|50kW約342万円、施工費用の安さを検証

1 日前
読了時間: 7分
南国の海沿いの家の屋上で、作業員が太陽光パネルを設置。右にコインと下向き矢印があり、節約を示す景色。

スリランカの太陽光発電|50kWシステムの試算


スリランカの太陽光発電について、50kWシステムを設置した場合の費用と売電収入を調べてみました。

今回入手した試算では、50kWの太陽光発電システムの設置費用は約342万円、年間売電収入は約68万円、単純回収期間は約5年となっています。


売電単価を日本円に換算すると、1kWh当たり10円前後です。決して高額な売電価格ではありません。


それでも約20%の表面利回りが見込まれる最大の理由は、スリランカでは設備の施工費用を低く抑えられることにあります。


50kW太陽光発電システムの試算

項目

試算内容

設備容量

50kW

設置費用

約342万円

年間売電収入

約68万円

表面利回り

約19.9%

単純回収期間

約5年

15年間の売電収入

約1,020万円

初期費用差引後

約678万円

単純計算では約5年で初期費用を回収し、その後の10年間で約680万円の売電収入を得られる計算です。


ただし、これは保守点検費、税金、故障、機器交換、発電量の低下、為替変動などを差し引く前の数字です。


高い利回りの理由は売電価格より施工費用の安さ

50kWで約342万円ということは、1kW当たりの設置費用は約6万8,400円です。


日本と比べて人件費が安いことに加え、架台の設置費、配線工事費、申請関係費、施工会社の経費など、工事全体の費用が低く抑えられていると考えられます。


つまり、スリランカの太陽光発電は「売電価格が高いから利益が出る」というより、「設置時の施工費用が安いため、売電単価が低くても採算が合う」という仕組みです。


ただし、施工費用の安さは人件費だけによるものではありません。太陽光パネルやインバーターの調達価格、架台の構造、設置場所、送電線への接続条件なども影響します。


インターネットで確認した政府・規制機関の情報

スリランカ公益事業委員会(PUCSL)が公表した資料によると、2026年8月25日から、新設の屋根置き太陽光発電に対する売電単価が設備容量別に定められています。

設備容量

公式売電単価

10kW以下

23.11ルピー/kWh

10kW超~40kW以下

19.15ルピー/kWh

40kW超~250kW以下

17.11ルピー/kWh

250kW超

15.81ルピー/kWh

今回の50kWシステムは「40kW超~250kW以下」の区分に該当するため、公式売電単価は17.11スリランカルピー/kWhです。


この価格は、スリランカ電力法に基づき、PUCSLが標準電力購入契約(SPPA)に組み込む売電単価として決定したものです。


したがって、単なる民間業者の提示価格ではなく、国の制度に基づいて規制機関が定めた買取価格です。


ただし、日本でいう元本保証や、政府が投資利益を直接保証する制度とは異なります。


政府が想定している50kWの施工費用

PUCSLの公式資料では、40kW超~250kW以下の屋根置き太陽光発電について、施工パッケージの資本費用を1kW当たり13万1,800スリランカルピーと想定しています。


50kWでは、次の金額になります。


13万1,800ルピー × 50kW = 659万ルピー

これを試算時の為替で日本円に換算すると、おおむね約342万円になります。


つまり、今回提示された約342万円という設置費用は、スリランカ政府・規制機関が売電単価の算定に使用した施工費用とほぼ一致しています。


この点から見ても、スリランカの太陽光発電の高い利回りは、売電単価よりも施工費用の安さによって生まれていると考えられます。


政府資料から計算した年間発電量

PUCSLは、屋根置き太陽光発電の設備利用率を17%として計算しています。


50kWの場合、想定年間発電量は次のようになります。


50kW × 8,760時間 × 17% = 約74,460kWh


この発電量に、50kW区分の売電単価17.11ルピーを掛けると、年間売電収入は約127万ルピーです。


日本円での収入額は為替によって変わりますが、今回の試算では年間約68万円とされています。


「約9.8円/kWh」という日本円の売電価格は、計算時の為替レートによる換算額です。

実際の契約単価はスリランカルピーであるため、日本円に換算した収益は為替相場によって増減します。


実際の回収期間は5年より長くなる可能性もある

表面上は約5年で初期費用を回収できる計算ですが、PUCSLの公式資料では、年間の維持管理費を初期費用の2%と想定しています。


50kW・659万ルピーの場合、初年度の維持管理費は年間約13万1,800ルピーです。


さらに、公式資料では次の条件も考慮されています。


  • 維持管理費の上昇率:年間3.85%

  • 太陽光パネルの発電能力低下:年間0.4%

  • インバーター交換:運転開始11年目

  • 税引後の想定自己資本内部収益率:14.19%


したがって、表面上の回収期間は約5年でも、税金や維持管理費、機器交換などを含めた実際の回収期間は6~7年程度になる可能性があります。


現地から聞いていた「約7年で回収」という話は、こうした費用まで考慮した数字である可能性があります。


買取期間について

現地から聞いている内容では、売電について15年間の買取契約があるとのことです。


ただし、スリランカでは設備の種類、契約時期、通常の太陽光発電か蓄電池付きかによって、標準電力購入契約の期間や条件が異なる可能性があります。


PUCSLの2026年資料では、蓄電池設備について15年間の標準電力購入契約が明記されています。一方、通常の50kW屋根置き太陽光発電については、実際に締結する契約書で期間を確認する必要があります。


そのため、この記事では15年間の売電収入を比較用の試算として掲載し、正式な契約期間については契約書を確認後、あらためて追記します。


太陽光パネルは20年保証

現地で使用される太陽光パネルについては、20年間のメーカー保証が付いているとのことです。


ただし、20年保証とは「20年間故障しない」「20年間同じ発電量が続く」という意味ではありません。


製品自体の故障を対象とする保証なのか、一定の発電能力を維持する出力保証なのかによって条件が異なります。


メーカー名や保証書の内容については、後日詳しく確認する予定です。


蓄電池を付けると売電価格は上がるのか

蓄電池に昼間の電力をため、需要の多い夜間に売電することで、通常より高い単価が適用される制度もあります。


PUCSLの2026年資料では、250kWを超える蓄電池付き屋根置き太陽光発電について、午後5時30分から午後9時30分までの優先時間帯に、高い売電単価を設定しています。


一方、250kW以下の蓄電池付きシステムについては、今後の料金見直しで検討するとされています。


したがって、現時点では「50kWに蓄電池を付ければ、夜間の売電単価が約2倍になる」とされていますが断定することはできません。


この部分については、今後の制度変更や実際の契約条件を確認してから追記します。


ただし、海外投資としては簡単に勧められない

数字だけを見ると、スリランカの太陽光発電は非常に魅力的です。


しかし、これは海外投資です。外国人が実際に投資する場合には、土地や建物の権利、法人設立、税金、海外送金、売電代金の受け取り、為替変動、設備管理など、さまざまな問題があります。


そのため、私は海外投資として安易に勧めるつもりはありません。


今回の記事は投資募集や商品販売を目的としたものではなく、日本とスリランカの太陽光発電事情を比較するための参考情報としてまとめたものです。


今後はスリランカの情報も発信していきます

今回、スリランカの太陽光発電について話を聞く中で、私がこれまで関わってきたモンゴルと似ている部分が多いと感じました。


もちろん、国の歴史や文化、社会制度は異なります。しかし、経済、生活、物価、投資環境などを見ていくと、日本とは違う共通点や、今後の変化を考えるうえで興味深い部分があります。


今後、娘夫婦がスリランカで活動することもあるため、インターネット上の情報だけではなく、現地で実際に見聞きしたことや体験したことも含めて、スリランカの情報を発信していきたいと思います。


モンゴルと同じように、良い面だけを紹介するのではなく、現地で感じた問題点や注意点についても、できる限り率直に記録していく方針です。


まとめ

スリランカの50kW太陽光発電は、約342万円の設置費用に対し、年間約68万円の売電収入が見込まれる試算です。


高い収益性の理由は、売電価格の高さではありません。最大の理由は、施工費用を含む初期費用の安さです。


表面利回りは約20%、単純回収期間は約5年ですが、維持管理費、税金、インバーター交換、発電能力の低下などを考慮すると、実際の回収期間は6~7年程度になる可能性があります。


数字だけを見て海外投資として勧めることはできませんが、日本と海外の太陽光発電事情を比較するうえでは、非常に興味深い事例だと思います。


今後は太陽光発電だけでなく、スリランカの生活、物価、経済、事業環境などについても、現地で確認できた情報を発信していきます。


※本記事の金額は、為替相場や設置条件によって変動します。投資判断を勧めるものではありません。

2026年9月20日現在


協同組合かけはし/KAKEHASHI  HUMAN  MONGOL  LLC  後藤友亮/GOTO YUSUKE 

静岡県浜松市/モンゴル・ウランバートル     公式サイト:https://www.kakehasi.biz/  

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