戦争リスクが低い国はどこ?日本とモンゴルを比較して考えて分かった意外な違い

このところ世界各地で戦争や軍事的緊張が高まっています。
今回は、戦争リスクが低い国はどこなのか、日本とモンゴルを比較しながら考えてみました。
ACLEDによると、2025年には世界で政治的暴力や紛争が1日平均550件を超え、空爆やドローン攻撃も過去最高水準に達しました。2026年に入ってからも、中東、ウクライナ、紅海周辺など緊張は続いています。
以前なら「安全な国」と考えられていた場所でも、完全に戦争と無関係とは言えなくなってきました。
たとえばドバイ。
ドバイそのものが戦場になっているわけではありません。
しかし2026年にはイランをめぐる戦争の影響でイスラエルとUAEを結ぶ航空便が停止するなど、中東全体の緊張の影響を受けています。
日本についても、以前ほど「遠い国の戦争」と考えられなくなってきたように私は感じます。
ロシアの対日姿勢も厳しくなっています。
そこで今回、
「もし本当に世界規模の戦争が起きたら、どこの国が比較的巻き込まれにくいのだろう?」
と考えてみました。
まず、「戦争リスクが低い国はどこ?」
「現在平和とされている国」2026年のGlobal Peace Indexでは、アイスランド、ニュージーランド、スイス、スロベニア、アイルランド、オーストリア、ポルトガルなどが世界上位に入っています。
日本も世界10位です。
ただし、ここで注意したいのは、
「現在平和とされている国」と「世界大戦になった時に巻き込まれにくい国」は同じではない
ということです。
私は戦争リスクを見る場合、
地理的に戦場から遠いか、軍事同盟にどこまで関係しているか、周辺国との緊張があるか、軍事基地や重要施設があるか、そして物流が止まった時に国内だけで生きていけるか。
このあたりまで見る必要があると思っています。
そうすると、候補として目立つのが、
ニュージーランド、ウルグアイ、コスタリカ、スイス、アイルランド、オーストリア
あたりです。
ニュージーランドやウルグアイは、何より主要な戦争地域から遠い。
スイスやオーストリアは中立政策という強みがありますが、ヨーロッパそのものが戦場になった場合には地理的な問題が残ります。
おおよその位置 | 国 | 戦争に巻き込まれにくさ | 直接攻撃 | 大国間戦争への参加 | 核攻撃対象 | 最大の弱点 |
最上位 | 🇳🇿 ニュージーランド | ★★★★★ | 非常に低い | 低い | 非常に低い | 西側諸国との安全保障関係 |
最上位 | 🇺🇾 ウルグアイ | ★★★★★ | 非常に低い | 非常に低い | 非常に低い | 南米経済への依存 |
最上位級 | 🇨🇷 コスタリカ | ★★★★★ | 非常に低い | 非常に低い | 非常に低い | 食料・エネルギー・物流 |
上位 | 🇨🇭 スイス | ★★★★☆ | 低い | 非常に低い | 低い | 欧州中央部にある |
上位 | 🇮🇪 アイルランド | ★★★★☆ | 低い | 低い | 低い | 欧州に近い |
上位 | 🇲🇳 モンゴル | ★★★★☆ | 低い | 低い | 比較的低い | 中国・ロシア依存、内陸国 |
上位 | 🇮🇸 アイスランド | ★★★★☆ | 低〜中 | 中 | 中 | NATO加盟・北大西洋の戦略的位置 |
上位 | 🇦🇹 オーストリア | ★★★★☆ | 低い | 低い | 低〜中 | 欧州中央部 |
中上位 | 🇵🇹 ポルトガル | ★★★☆☆ | 低い | 中 | 低〜中 | NATO加盟 |
では日本はどうなのか
日本は平時には非常に安全な国です。
しかし世界大戦という条件になると、少し見方が変わります。
日米同盟があり、在日米軍基地があります。
さらに台湾海峡、朝鮮半島、中国、ロシアという軍事的に重要な地域に囲まれています。
そしてもう一つ、日本には大きな弱点があります。
食料とエネルギーの海外依存です。
2025年度の日本のカロリーベース食料自給率は37%。飼料自給率は24%です。
エネルギー自給率も2023年度で15.3%にとどまっています。
つまり日本は、
平時のシステムは非常に強い。
しかし世界物流が長期間止まった場合には弱点が出る国
だと思います。
ではモンゴルは?
ここが今回考えていて一番面白かったところです。
2026年Global Peace Indexでは、モンゴルは世界34位、日本は10位です。
数字だけなら日本の方が安全に見えます。
しかし「世界大戦になった時」という条件を加えると、見え方が変わります。
モンゴルは中国とロシアの間にあります。
一見すると非常に危険に見えます。
ところがモンゴルは、中国とロシアのどちらか一方につくのではなく、両国とバランスを取りながら「第三の隣国」とも関係を築く外交を続けています。
また非同盟政策を取り、外国軍や核兵器を国内に置かない方針も掲げています。
そして、実際にモンゴルで生活してみて私が感じたのは、
モンゴル人には二つの生活ができるのではないか
ということです。
一つは現在のウランバートルでの都市生活。
そしてもう一つが、昔ながらのモンゴルの生活です。
肉、干し肉、乳製品、家畜、石炭、ゲル。
生活水準を大きく落とせば、最低限生きていくためのものが国内にかなり残っています。
モンゴルには今も7,000万頭を超える家畜がいて、羊・山羊・牛・馬などの畜産基盤そのものは非常に大きいです。FAOも、モンゴルの人口約330万人に対して家畜が7,000万頭超としています。
さらにモンゴルの主要産業には牧畜と鉱業があり、石炭も豊富です。
弱点はガソリンやディーゼルです。
石油製品の約97%をロシアから輸入しています。
しかし、車が今まで通り走れなくなることと、人が生きられなくなることは別です。
さらに国土が広い
モンゴルの国土は約156万平方キロメートル。
日本の約4倍です。
そこに約359万人しか住んでいません。
しかも約半数はウランバートルに集中しています。
仮に非常事態になり、人々が地方へ分散すれば、人口密度は非常に低くなります。
国境を越えて軍隊が入ることと、広大な国土全体を支配することはまったく別の話です。
補給線を維持しながら、極寒の冬がある広大な土地を長期間支配するのは簡単ではありません。
これはモンゴル独特の強みだと思います。
日本とモンゴルを同じ基準で見ると
項目 | 日本 | モンゴル |
平時の安全性 | 非常に高い | 高い |
大国間戦争への巻き込まれやすさ | 高い | 低い |
軍事的な重要拠点になる可能性 | 高め | 低め |
食料の自立性 | 低い | 高い |
エネルギー自立性 | 低い | 石炭は非常に強い |
石油への依存 | 非常に高い | 高い |
昔の生活へ戻れる余地 | 小さい | 大きい |
地方への人口分散余地 | 小〜中 | 非常に大きい |
国土全体を占領する難しさ | 低い | 非常に高い |
ここまで考えてみると、
日本は「社会を壊さない力」が非常に強い国。
それに対してモンゴルは、
「社会が壊れても、生活を簡素化して生き残る力が強い国」
なのかもしれません。
もちろん、戦争が起きる場所も規模も誰にも分かりません。
モンゴルも中国とロシアという大国に挟まれている以上、絶対安全ではありません。
しかし今回あらためて調べてみると、
広大な国土、少ない人口、家畜、石炭、そして今も残る遊牧生活。
これらは、平時にはあまり評価されないものですが、世界的な物流やエネルギー供給が止まった時には、大きな意味を持つのではないかと思いました。
便利で豊かな国が、非常時にも強いとは限らない。
逆に、一見すると不便に見える国が、最後まで生き残る力を持っている場合もある。
戦争が身近に感じられるようになった今、そんな視点から国を見ることも必要なのかもしれません。
これから不動産を購入する時代は、「値上がりする場所」だけではなく、「世界が不安定になった時にも暮らし続けられる場所」という視点が、ひとつの判断材料になるのかもしれません。
戦争リスクだけでなく「実際に住めるか」も重要
戦争リスクが比較的低い国としては、ニュージーランド、ウルグアイ、コスタリカ、スイス、アイルランド、オーストリアなどが考えられます。
しかし実際に日本人が住むとなると、戦争リスクだけでは決められません。
物価、住宅費、言葉、文化、人との馴染みやすさも重要です。
国 | 戦争リスク | 生活費 | 日本人の馴染みやすさ | 長期滞在の現実性 |
ニュージーランド | 低い | 高い | 高い | ○ |
スイス | 低い | 非常に高い | 中〜高 | △ |
オーストリア | 低い | 高め | 中 | ○ |
アイルランド | 低い | 高い+住宅難 | 高い | △ |
ウルグアイ | 低い | 中程度 | 中 | ○ |
コスタリカ | 低い | 中程度 | 中 | ○ |
モンゴル | 比較的低い | 固定費は低め | かなり高い | かなり現実的 |
私がモンゴルで特に感じたのは、日本人とモンゴル人は顔立ちが似ていて、街の中で外国人として浮きにくいことです。
さらにモンゴルには、広大な国土、少ない人口、家畜、石炭、そして昔ながらの生活があります。
現代的な都市生活だけでなく、非常時には生活水準を落として暮らすという「二つの生活」ができる強さを感じます。
弱点は、ガソリンや軽油、医薬品などの輸入依存です。
一方、日本はインフラや医療、治安は非常に強いものの、食料やエネルギーを海外に大きく依存しています。
つまり、
日本は「今の社会を維持する力」が強い。モンゴルは「社会が混乱しても生活を簡素化して生きる力」が強い。
という違いがあります。
そして、これから不動産を購入する際には、価格や利回りだけでなく、
「世界情勢が悪化した時にも、その場所で暮らし続けられるか」
という地政学的な視点も、一つの判断材料になってくるのかもしれません。
協同組合かけはし/KAKEHASHI HUMAN MONGOL LLC 後藤友亮/GOTO YUSUKE
静岡県浜松市/モンゴル・ウランバートル 公式サイト:https://www.kakehasi.biz/





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