「 日本からみたら、モンゴルは国民ファースト』日本も見習ってほしい──『生きるための固定費』が優しい」
- 後藤 友亮

- 8月14日
- 読了時間: 4分
更新日:5 日前

モンゴルで実際に生活し、会社や不動産、ビザなどを経験して感じるのは、少なくとも日本と比べると「国民ファースト」の考え方がかなり強い国だということです。
もちろん、モンゴルが何でも国民に優しいという意味ではありません。物価上昇や所得格差など、別の問題もあります。
ただ、国の仕組みを見ていくと、私が特に強く感じるのは、
「生きていくために絶対必要な固定費そのものを小さくする」
という考え方です。
これが非常に大きいと思います。
電気、暖房、水道、住居、車など、生活するうえで避けられない費用が安ければ、たとえ給料が日本ほど高くなくても生活は成り立ちやすくなります。
特にモンゴルは冬には氷点下30度、40度になることもある国です。その国で暖房費が高額になれば、国民生活そのものが成り立ちません。
実際、モンゴルの家庭向け電気料金や暖房料金は、長年にわたって政府の補助などによって実際の供給コストより低く抑えられてきました。世界銀行も、家庭向け電気料金がコスト回収に必要な水準を大きく下回っていたと分析しています。
つまり、単純に「モンゴルは物価が安い国だから」というだけではありません。
国民が生活するために必要なエネルギーを、政策として安くしてきた面があります。
さらに、不動産や車の維持費、固定資産に関する負担なども、日本と比べると極めて軽く感じます。
一方で、外国人についてはかなり考え方が違います。
モンゴルでは、土地の所有については基本的にモンゴル国民が優先され、外国人には制限があります。また外国人の在留人数についても法律上の上限が設けられています。
ビザや在留資格についても、実際に手続きを経験してみると、思っていた以上に厳しいです。
会社を持っている、投資をしている、というだけで簡単に長期間住めるわけではありません。
私自身、モンゴル国内で事業を行い、現地で発生した所得については現在10%で課税されています。
一方、現地では、
「ビザ・在留資格がなければ20%になる」
という説明も受けました。
法律上は単純に「ビザがあるから10%、ないから20%」という仕組みではなく、税務上の居住者・非居住者の判定や所得の発生場所などが関係します。非居住者のモンゴル源泉所得については原則20%という規定があります。
つまり、外国人なら何でも一律に高くするというより、
モンゴル国内で実際に活動する人と、国外から利益だけを得る人を分けて考えている
ようにも見えます。
不動産についても同じです。
当初、外国人は取得時の税金が2倍になると聞いていましたが、調べると、不動産税そのものが単純に外国人だけ2倍という制度ではありません。
ただし、モンゴル国民向けの住宅に対する免税制度などがあり、結果として国民側が有利になる仕組みは存在します。
こうして全体を見ると、私が感じるモンゴルの「国民ファースト」は、外国人を排除するという単純な話ではありません。
むしろ、
自国民が生きていくために必要な費用をできるだけ小さくする。
そして、
土地、在留資格、税制度などでは、まず自国民を優先する。
この二つがセットになっているように感じます。
私は、ここは日本もかなり見習ってほしいと思います。
日本では、
「給料を上げる」
「最低賃金を上げる」
「補助金を出す」
「給付金を配る」
という議論が中心になりがちです。
もちろん、それも必要です。
しかし、本当に国民生活を楽にするのであれば、
そもそも、生きるために毎月絶対に払わなければならないお金を減らす
という発想も必要ではないでしょうか。
電気代。
ガス代。
水道代。
住宅費。
固定資産税。
車の税金。
社会保険料。
こうした固定費が高ければ、給料が少し上がっても結局は消えてしまいます。
反対に、これらの固定費が小さければ、収入がそれほど高くなくても、人は安心して生活できます。
モンゴルで生活してみて、私が一番考えさせられたのはここです。
国民を豊かにする方法は、給料を上げることだけではない。
「生きるために必要なお金を少なくする」ことも、立派な国民ファーストだと思います。
この考え方は、今の日本にこそ必要なのではないでしょうか。
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