モンゴルの水道事情――中心部は水圧が強いのに、地方では立派な家でも水道がない

モンゴルで生活していて、日本との違いを感じるものの一つが水道事情です。
日本では、都市部でも地方でも、住宅に水道が通っていることをほぼ当たり前のように考えています。
しかしモンゴルでは、場所によって水の使い方がかなり違います。
私が実際に生活したり、地方へ行ったりして感じたことをまとめてみます。
ウランバートル中心部は意外なほど水圧が強い
まず、私が所有するウランバートル中心部のマンションでは、水道について不便を感じることはほとんどありません。
むしろ最初に驚いたのは、水圧がかなり強いことでした。
シャワーなども普通に使えますし、日本のマンションと比べても特に不便を感じません。
一方、中心部から少し離れた市街地では、水道はあっても水圧が弱い場所があると感じます。
つまり同じウランバートル周辺でも、場所によって水道環境にはかなり差があります。
「モンゴルの水道水は飲めない」と聞いていた
私自身は現地で、
「水道水はそのまま飲まない方がいい」
と聞いていたため、基本的には飲料水として積極的に飲んできませんでした。
ただし、ここは注意が必要です。
私は自分のマンションの水道水を検査機関へ持ち込んで水質検査をしたわけではありません。
そのため、
「モンゴルの水道水は飲めない」
と私自身が確認したわけでもありません。
むしろ今回、水について改めて考えてみると、本当にすべての水道水が飲めないのだろうか、という疑問も出てきました。
地方へ行くと、立派な住宅でも水道がない

モンゴルの水事情で特に日本との違いを感じたのは地方です。
地方といっても、ゲルだけではありません。
日本にある一戸建て住宅とそれほど変わらないような、立派な家もあります。
ところが、
建物は立派なのに、公共の水道が家まで来ていない。
ということがあります。
そのため、各家庭に大きな貯水槽を設置し、そこへ水をためて生活に使います。
日本人の感覚では、
家を建てる=電気・水道・下水が来ている
と考えがちですが、モンゴルでは必ずしもそうではありません。
建物とインフラを別々に考える必要があります。
水洗トイレでも「下水道」につながっているとは限らない
さらに興味深かったのがトイレです。
家の中には、日本と同じような水洗式の便器が設置されていることがあります。
見た目だけなら普通の水洗トイレです。
しかし、必ずしも公共下水道につながっているわけではありません。
水は貯水槽から使い、排水や汚物は敷地内の設備へためて、後から汲み取る方式の住宅もあります。
つまり、
給水は貯水槽、排水は貯留して汲み取り。
見た目は近代的な住宅でも、その裏側の仕組みは日本とはかなり違います。
ところが地方では、私は川の水をそのまま飲んだ
ここからが、私にとってモンゴルの水事情の面白いところです。
都市では水道水をそのまま飲まない方がいいと聞いている一方、地方へ行くと、驚くほどきれいな川や自然の水があります。
私自身、地方へ行った時には、実際に川の水をそのまま飲んだことがあります。
その時は特に体調を崩すこともなく、問題ありませんでした。
もちろん、これは、
「モンゴルの川なら、どこでもそのまま飲める」
という意味ではありません。
透明に見える水でも、上流の家畜や野生動物、集落などの影響を受けている可能性があります。
私が飲んで問題なかったというのは、あくまで私自身の体験です。
ウランバートルを離れると、本当に大自然が広がっている
モンゴルを車で移動するとよく分かりますが、ウランバートルを離れると景色が一変します。
広大な草原や山が続き、人がほとんどいない場所も珍しくありません。
日本のように、川の上流まで住宅や工場が連続している風景とはかなり違います。
だからこそ私は地方で川を見た時、
「これは飲めそうだな」
と感じ、実際に飲んでみたわけです。
そして、ここで一つ疑問が出てきました。
では、ウランバートルの水道水は本当に飲めないのか?
地方の自然環境を実際に見ていると、逆に私はこう思うようになりました。
「ウランバートル中心部の水道水も、きちんと処理・管理されている場所なら、実際には飲めるのではないか?」
もちろん、水源がきれいだからといって、そのまま水道水が安全だとは限りません。
浄水設備だけでなく、そこからマンションまでの水道管や建物内部の配管、貯水設備なども関係します。
ですから現時点では、私には答えが分かりません。
ただ、
「モンゴルの水道水=飲めない」
と単純に決めつけてしまうのも違うのではないかと思うようになりました。
モンゴルの水事情は「飲める・飲めない」だけでは分からない
実際に暮らしてみると、モンゴルの水事情はかなり面白いです。
ウランバートル中心部では、水圧の強い水道を普通に使える。
少し離れると水圧が弱くなる場所がある。
地方では立派な一戸建てでも水道が来ておらず、貯水槽を使う住宅がある。
水洗トイレでも公共下水道ではなく、汲み取り方式の場合がある。
その一方で、大自然の中には、私自身がそのまま飲んだことのあるきれいな川もあります。
こうして見ると、
「モンゴルでは水道水を飲めるのか?」
だけでは、この国の水事情を説明できません。
むしろ私が実際に見て感じたのは、
「都市と地方で、水との付き合い方そのものが違う国」
ということです。
協同組合かけはし/KAKEHASHI HUMAN MONGOL LLC 後藤友亮/GOTO YUSUKE
静岡県浜松市/モンゴル・ウランバートル 公式サイト:https://www.kakehasi.biz/




コメント