AIで利益分配制度からExcel管理表まで作ってみた――eBay海外販売の仕組みづくりを公開

AIを使って、海外販売の仕組みを実際に作ってみました
前回の記事では、長年たまっていた物を大幅に断捨離しようと考え、AIを使ってeBayの海外販売に再挑戦することにした経緯を紹介しました。
その中で驚いたのが、昔なら1週間ほどかかることもあった利益分配制度のたたき台が、AIとの相談で約5分でできたことです。
今回は、その続きです。
AIと一緒に実際に作った利益分配制度のPDF、Excel管理表、さらに自動計算できるシミュレーターを紹介します。
単にAIに文章を作ってもらうだけではありません。
事業の仕組みを考え、書類にまとめ、実際に使える計算ツールまで作ってみました。
もちろん、まだeBayでの本格的な販売を始めたわけではありません。今回は、その準備段階での実体験です。
まず決めたのは、会社とスタッフの役割分担
今回の海外販売では、協同組合かけはしを事業主体とし、家族2名に協力してもらうことを考えています。
2名とも本業があるため、休日や夜など、それぞれの自由な時間を活用する予定です。
私は35年以上経営に携わり、多くの下請業者と仕事をしてきました。
その経験から、仕事を始める前に、報酬や費用負担、責任の範囲を明確にしておくことが大切だと考えています。
今回も、家族だからという理由で曖昧にはしたくありません。
そこで、会社が負担することと、スタッフに任せることを整理しました。
会社が引き受けること
仕入れ資金と在庫リスク
eBayアカウントの管理
販売手数料・国際送料
広告費
返品・返金・配送事故への原則的な対応
古物商許可の取得・維持に関する費用
法令・税務・許認可の管理
仕入れや販売価格の最終承認
スタッフに任せること
海外で売れそうな商品の発掘
eBayでの相場調査
商品の状態確認・写真撮影
AIによる英語の商品説明文の作成
eBayへの出品登録
購入者からの問い合わせへの一次対応
梱包・海外発送の手続き
この内容をAIに伝えると、役割分担の一覧表として整理してくれました。
利益分配制度は3段階にしました
次に考えたのが、どのくらいの報酬を支払うかです。
最初は、利益を会社とスタッフで半分ずつ分けることも考えました。
しかし、商品を自分で探して販売する場合と、会社が用意した商品を出品するだけの場合では、仕事の内容が違います。
そこで、AIと相談しながら3段階にしました。
区分 | 仕事内容 | スタッフ | 会社 |
A:自主開拓型 | 商品発掘から販売・発送まで | 50% | 50% |
B:通常販売型 | 会社が用意した商品を調査・出品・発送 | 30% | 70% |
C:簡易作業型 | 会社が準備した商品の簡単な出品作業など | 10% | 90% |
商品ごとに原則1名の担当者を決め、その担当者の報酬を計算する仕組みです。
もちろん、単純に売上を分けるわけではありません。
商品の販売に直接かかった経費を差し引いた利益を基準にします。
利益の計算方法も統一しました
今回決めた計算式は、次のとおりです。
分配基準利益 = 販売収入 − 商品原価 − eBay等の手数料 − 国際送料 − 梱包費 − その他の直接経費
広告費については、商品ごとに正確に割り振ることが難しいため、スタッフへの報酬計算には含めず、会社側の負担にしました。
古物商許可に関係する費用も会社負担です。
なお、ここでいう分配基準利益は、法人税や会社全体の共通経費を差し引く前の金額であり、会計上の最終純利益とは異なります。
例えば、2万円の商品が売れた場合
仮に、中古自動車部品が2万円で売れたとします。
内容 | 金額 |
販売収入(送料収入含む) | 20,000円 |
商品原価 | −5,000円 |
eBay手数料等 | −3,000円 |
国際送料 | −3,500円 |
梱包・その他直接経費 | −500円 |
分配基準利益 | 8,000円 |
この8,000円を、仕事の内容に応じて分配します。
区分 | スタッフ報酬 | 会社の取り分 |
A:50% | 4,000円 | 4,000円 |
B:30% | 2,400円 | 5,600円 |
C:10% | 800円 | 7,200円 |
会社は、この取り分から広告費などを別途負担します。
赤字や売れ残りの事業リスクも、原則として会社が引き受ける方針です。
こうした計算を毎回手作業で行うのは大変です。
そこで、次はAIに計算表を作ってもらうことにしました。
① 利益分配制度をPDFにまとめました
まず、AIと相談して決めた運営方針を、2ページのPDFにまとめました。
PDFの内容は次の3つです。
メモ1:事業の基本方針
誰が販売主体となり、どのような働き方で事業を進めるのか。
メモ2:会社とスタッフの役割分担
会社が負担する費用やリスクと、スタッフが担当する仕事を明確にしました。
メモ3:利益分配制度
A型50%、B型30%、C型10%の条件と、利益の計算方法を整理しました。
これまで、こうした資料を作るには、自分で文章を考え、表を作り、体裁を整える必要がありました。
今回は、AIに内容を伝え、修正したい部分を指示することで、PDF資料まで作ることができました。
このPDFは事業運営の方針を整理したもので、正式な業務委託契約書ではありません。
② スタッフ別のExcel管理表も作成
次に作ったのが、Excelの利益管理表です。
今回はスタッフ2名が、それぞれ自分の担当商品を管理できるようにしました。
基本的には、次の情報を記録します。
商品名と商品番号
販売日・販売金額
商品原価・手数料・国際送料
A・B・Cの報酬区分
スタッフの報酬額
会社側に残る利益
商品ごとの利益と報酬は、計算式を使って自動で算出するようにしました。
スタッフ1名につき1シートとし、会社側は月次集計で全体を確認する構成です。
広告費も月次で別管理できるようにしています。
【Excel利益分配管理表を添付】
この管理表も、AIと相談しながら作成しました。
その後、仮の数字を入れて、利益や報酬の計算が一致するか検証しました。
AIを使って仕事は速くなりましたが、完成したものを確認する作業は、やはり必要だと感じました。
③ デスクトップで使える利益計算シミュレーターまで作成
さらに、AIと相談しているうちに、もう少し便利なものが欲しくなりました。
それが、販売価格などを入力するだけで利益配分を計算できるシミュレーターです。
販売収入、商品原価、eBay手数料、国際送料などの金額を変更すると、スタッフ報酬と会社の取り分が自動で計算されます。
A・B・Cの区分も切り替えられます。
広告費は、スタッフ報酬に影響させず、会社の取り分からだけ差し引く設定にしました。
さらに、完成したものをHTMLファイルとして保存しました。
このファイルは、パソコンのデスクトップに置いてダブルクリックすると、ブラウザで開けます。
Excelを開かなくても、ChatGPTを開かなくても、インターネットに接続しなくても、利益計算ができるようになりました。
印刷やPDF保存、計算結果のコピーもできます。
これも、特別なプログラミングの知識を使って自分で作ったわけではありません。
AIに、こういうものが欲しいと伝えながら作りました。
今回作った資料を公開します
今回、AIと一緒に作った3つの資料を掲載します。
1.eBay海外販売・利益分配制度 PDF
事業方針、会社とスタッフの役割分担、利益分配制度をまとめた資料です。
2.eBay利益分配管理表 Excel
商品別の売上、直接経費、スタッフ報酬、会社利益を管理するための表です。
3.eBay利益分配シミュレーター HTML
金額を変更しながら、A・B・Cの報酬を試算できるツールです。
これらは、私が考えた事業の仕組みをAIで具体化したものです。
一般的な事業や業務委託契約に、そのまま適用できることを保証するものではありません。
特に今回は、固定給なしの利益連動報酬を想定しています。
そのため、正式に業務を委託する際には、契約内容、報酬の発生条件、支払時期、実際の働き方について法律上の確認が必要です。
フリーランス法では、該当する業務委託について取引条件の明示や報酬の支払期日などが定められています。
今回の資料は、あくまで事業の準備段階で作った実験的なものとして公開します。
AIは便利ですが、経営判断まで任せるものではありません
今回、私がAIと作ったのは、ただの計算表ではありません。
会社が何を引き受けるのか。
スタッフにどこまで仕事を任せるのか。
利益を何%分配するのか。
こうしたことを、以前の経営経験をもとに考え、形にしたものです。
私自身は、昔からこのような制度をよく作っていました。
しかし、以前と大きく違うのは、その作業にかかる時間です。
制度を文章にまとめるだけでなく、PDFにし、Excelで計算表を作り、さらに専用のシミュレーターまで作れる。
しかも、必要な修正もAIに相談しながら進められます。
もちろん、途中でエラーもありました。
それでも、以前ならかなりの時間を使っていた作業が、ずいぶん身近なものになったと感じています。
AIが経営判断をしたのではありません。私の経営経験や考えを、AIが短時間で形にしてくれたのです。
ここが、今回一番驚いたことでした。
個人事業主や小規模事業者にとって、大きな変化だと思います
今回の仕組みは、まだ実際の販売で十分に検証したものではありません。
これからeBayで商品を販売し、利益が出るのか、計算表が使いやすいのか、改善するところがないのかを確かめていきます。
ただ、私は今回の経験から、個人事業主や小規模事業者の仕事の進め方が大きく変わる可能性を感じました。
以前なら、資料作成や計算表の作成を外部に頼んだり、自分で時間をかけて作ったりする必要がありました。
今はAIを使って、自分の考えを実際に動く仕組みにまでできるようになってきました。
これまでの経験や知識を持っている人ほど、AIをうまく活用できる場面も多いのではないでしょうか。
昔は1週間かかることもあった制度づくり。
今は約5分で原案ができ、その先の管理表や計算ツールまで作れる時代です。
今回も、AIでどこまでできるのか、自分で実際に確かめてみました。
今後は、eBayでの販売結果や、実際に使ってみた管理表の改善点なども紹介していこうと思います。
※この記事は2026年10月31日時点の制作記録です。掲載資料は試作・検証段階のものであり、税務・法務・会計上の適合性を保証するものではありません。
協同組合かけはし/KAKEHASHI HUMAN MONGOL LLC 後藤友亮/GOTO YUSUKE
静岡県浜松市/モンゴル・ウランバートル 公式サイト:https://www.kakehasi.biz/





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