AIで業務効率化はどこまでできる?――5年前と現在を比べた元経営者の実験記録

私は今、ホームページ「かけはし」の運営を通して、AIによる業務効率化を実際に試しています。
記事制作、調査、イラスト、動画制作、そしてWixの画面を直接操作する作業まで。自分とAIでどこまでできるのか試しています。
ホームページのデザインや配置、掲載する文章は、以前から自分で考え、作っていました。
一方で、以前の記事(経営していた会社)は、自分で下書きをしてから専属のライターに仕上げを依頼し、SEOはWeb会社へ任せていました。
今回は、経営者だった5年前と現在を比べながら、AIによって仕事の進め方や、自分にできることがどう変わったのかを振り返ってみます。
実際に使ってみると、仕事によって結果は違いました。
記事制作は、とてつもなく楽になりました。調査は、正直なところ、それほど時間が変わりません。
動画制作はできることが増えた分、自分が求める水準も上がりました。パソコンの直接操作は、人が行うより何倍も遅いと感じています。
ただ、作業の一部分に時間がかかることと、仕事全体で自分の負担が増えることは違います。
任せている間に別の仕事を進めたり、以前はできなかった表現を試したりすることまで含めると、私にとってAIを使う意味は大きいと思っています。
時間の短縮に加えて、以前から自分で行っていた仕事の幅が広がり、専門家に任せていた部分にも自分で取り組めるようになったからです。
記事制作――5年前はライターの仕上がりを約3日待っていた
5年前、経営者だった頃、私はまず、伝えたい内容を30分ほどで下書きしていました。
それを専属のライターに渡し、原稿が仕上がるまで約3日。
記事は、1本3,000円から10,000円ほどの費用がかかっていました。
完成した記事を投稿し、SEOについては、後日まとめてWeb会社へ依頼していました。
自分で下書きを書く時間に加えて、人へ依頼し、仕上がりを待つ時間がありました。
今は、その流れが変わっています。
工程 | 5年前(経営者だった頃) | 現在(AIを利用) |
伝えたい内容の下書き | 自分で約30分 | 自分で約3分 |
文章を整えて完成させる | ライターに依頼し、仕上がりまで約3日 | AIの文章を何度か訂正し、約10〜15分 |
SEO・イラスト | SEOは後日まとめてWeb会社へ依頼。イラストは今回の比較時間に含めていない | SEO用の文案とイラストで約3分(AIへの指示作成を含む) |
以前の「約3日」は、ライターの実作業時間ではなく、依頼から仕上がりまでの期間です。
また、当時の記事と現在のブログ記事では内容や作業範囲も違うため、同じ条件で計測した比較ではありません。
それでも、思いついたことを、その場で記事の形にできるようになった違いは大きいと感じています。
下書きを整えなくても、伝えたいことから始められる
今の下書きが3分ほどで済むのは、最初からきれいな文章にしようとしていないからです。
伝えたいこと、実際に起きたこと、自分が感じたことを、思いつくままに書き込みます。
順番が前後していても、言葉が足りなくても、まず材料を出します。
そこからAIに文章を整えてもらい、できたものを読みながら何度か訂正します。
「そこは自分の言いたかったことと違う」
「この部分はもっと強く伝えたい」
「それは一般論で、私の経験とは違う」
そうしたやり取りをして、10〜15分ほどで本文がまとまります。SEO用のタイトルや説明文、イラストの作成には、AIへの指示を作る時間も含めて約3分。
下書きの約3分と合わせると、ここまで約16〜21分が一つの目安です。追加の調査や投稿操作にかかる時間は別です。
この経験は、社員に仕事を任せる経営者の方にも参考になるのではないかと思っています。
経営者自身がAIを使って一度作業してみると、その仕事にどのくらいの時間が必要なのか、どの工程に手間がかかるのかが見えてきます。
私の場合、伝えたい内容が自分の中にある記事なら、下書きから本文、SEO用の文案、イラストまで約16〜21分が一つの目安になりました。
社員に任せる場合には、内容を理解する時間や調査、社内確認なども必要でしょう。
それでも、自分で作業の流れを知っていれば、必要な材料を先に渡し、仕事内容に合った納期を考えやすくなります。
AIを使ってみることは、仕事を任せる側が、作業時間と任せ方を見直すきっかけにもなると感じています。
AIが文章を整え、私は内容が自分の経験や考えと合っているかを確認する。
この分担は、私には合っていると感じています。
調査――正直、それほど時間は短くなっていない
調査については、記事制作ほどの時間短縮を感じていません。
私が使っている範囲では、AIはネット上の主要な情報に引っ張られていると感じることがあります。
私が実際に経験したことでも、こちらから証拠や資料を示さないと、誤情報のように扱われてしまうことがあります。
現地で確認したことや、ネット上にまだ十分な情報がないことを調べるときには、特にそう感じます。
AIが確認できないことと、事実ではないことは違います。
結局、こちらで根拠を探し、資料を示し、もう一度考えてもらう必要があります。
そのため、調査全体にかかる時間は、以前とあまり変わらないというのが今の実感です。
私が実際に経験したことでも、こちらから証拠や資料を示さないと、誤情報のように扱われてしまうことがあります。
現地で確認したことや、ネット上にまだ十分な情報がないことを調べるときには、特にそう感じます。
スバルのS209について調べたときにも、AIからは必要な情報がなかなか出てきませんでした。
それどころか、私が伝えた内容を、誤情報のように扱われてしまったこともあります。
しかし、メーカーの公式資料は存在していました。
AIが確認できないことと、事実ではないことは違います。情報があっても、AIが十分に拾えていない場合があるのです。
結局、こちらで根拠を探し、資料を示し、もう一度考えてもらう必要があります。
答えが返ってくるのは早くても、その内容を確かめるところまで含めると、調査全体にかかる時間は、以前とあまり変わらないというのが今の実感です。
ただし、外国語の情報を翻訳しながら調べられる点には、大きな魅力を感じています。
海外の資料や現地の情報を、日本語で内容を確かめながら読み進められるため、調べられる範囲が広がりました。
また、市や国が公表している調査や統計を扱うときには、便利だと感じています。
複数の資料を整理したり、数字の変化を比較したり、読み取りたい点を絞ったりする作業では、AIが役立ちます。
私にとっては、答えをそのまま受け取るよりも、根拠を一緒に確かめながら情報を整理する使い方が合っています。
動画制作――できることが増え、自分の要求も高くなった
動画制作では、AIによって表現できることが増えました。
写真やイラストに動きをつけ、人物の仕草やカメラの動き、場面の雰囲気を文章で指定する。こうした制作を自分で試せることは、大きな変化です。
同じような映像を人が一から作る場合を考えると、制作時間は大きく短縮できるだろうと感じています。
ただ、私自身は、動画づくりのハードルが下がったと感じるだけではありません。
「もっと自然に動いてほしい」
「この場面では、もう少し感情が伝わってほしい」
「見た目はきれいだけれど、自分のイメージとは違う」
できることが増えるほど、以前よりも良いものを作りたいと思うようになりました。その分、納得するまでの試行錯誤も増えています。
今は、AIに渡す指示、私が「プロトコル」と呼んでいるものの感覚をつかんでいる段階です。
世界観、動き、演出、避けたい表現をどう伝えるか。そこが分かってくれば、制作はもっと進めやすくなると思います。
本数を重ねることで、その感覚も身についていくのではないかと考えています。
美しく作る力と、センスは同じではない
AIは、見た目を美しく整えることが得意だと感じます。
ただ、きれいにできていても、私が伝えたかったものになっているとは限りません。
どこを見せるか。何を省くか。どの瞬間を印象に残すか。
こうしたセンスに関わる判断は、まだ人が補う部分が大きいと感じています。
その一方で、専門的な技術がなかった人でも、集中して試行錯誤を重ねれば、以前はプロが担っていた領域に踏み込めるようになったと思います。
私がAIの大きな変化だと感じるのは、ここです。
自分の考えを持ち、納得するまで修正する集中力があれば、作れるものの幅が大きく広がる。
だからこそ、AIが出したものを見て、どこを良くしたいのか考える力が大切になっていると感じます。
Wixやパソコンの直接操作は、人が行うより遅かった
一方で、Wixなどの画面をAIに直接操作させる作業は、今の私の環境では、人が行うより何倍も遅いと感じています。
自分で操作すればすぐに終わることでも、AIに任せると待ち時間が長くなります。
その様子をずっと見ながら待っていると、自分でやった方が早いと思うことがあります。
ただ、ここは任せ方によって変わります。
作業を分担し、AIが操作している間に、自分は別の記事や動画の制作を進める。終わったところで、結果を確認する。
そうすれば、AIの操作そのものが遅くても、自分の時間は有効に使えます。
AIが作業を終えるまでの時間と、自分がその作業に付きっきりになる時間は、分けて考える必要があります。
一つの操作の速さだけでなく、ほかの仕事と組み合わせたときに、自分の作業全体が進むかどうか。その視点で使い方を考えています。
元経営者が実感した、AIによる業務効率化と仕事の分担
5年前も、ホームページのデザインや配置、掲載する文章は自分で手がけていました。
そのうえで、記事の仕上げはライターへ、SEOはWeb会社へ依頼していました。
今は、以前から自分で行っていた作業にAIを取り入れ、外部へ依頼していた部分も自分とAIで進めるようになっています。
文章を整える仕事は任せやすい。
調査は根拠の確認に手間がかかる。動画は表現の幅が広がる一方、仕上がりを判断する自分のセンスも問われる。
パソコン操作は、待っている間に別の仕事を進められるかで価値が変わる。
こうして振り返ると、私の場合、AIを使ったことで結果的に仕事全体の時間や負担が増えたとは感じていません。
大きく時間が短くなった仕事もあれば、時間はあまり変わらなくても、調べられる範囲や表現できることが広がった仕事もあります。
使ってみて分かったのは、その効果を生かすためにも、AIとの仕事には分担が必要だということです。
何を伝えるかを考え、経験した事実を確かめ、最後に仕上がりを判断する。そこは今も自分の仕事です。
そのうえで、AIに任せる部分を増やしていく。
これまで専門家に頼んでいた仕事を、自分でも試し、直し、形にできるようになった。
その変化を、私は面白いと感じています。
これからも「かけはし」を通して、AIと一緒に何ができるのか、実際に使いながら確かめていきたいと思います。
そして、ホームページ「かけはし」の整備がある程度できたら、その後3か月ほどを一つの目安に、どのような結果が出ているかを確認したいと思っています。
記事がどれだけ読まれたか。検索から訪れる人が増えたか。
どのような内容に関心が集まったか。そこまで見たうえで、今回のAIとの実験を振り返るつもりです。
もちろん、3か月で結果が確定するという意味ではありません。自分なりに成果を確かめるための区切りです。
ほかにも、取り組みたいことや、やらなければならないことが山積みになっています。
そのため、今のようにホームページへ集中的に時間を使うのは、そのあたりでいったん終了するつもりです。
AIと一緒に、どこまで自分でできるのか。そして、その取り組みがどのような結果につながるのか。そこまでを、今回の実験として記録しておきたいと思っています。
協同組合かけはし/KAKEHASHI HUMAN MONGOL LLC 後藤友亮/GOTO YUSUKE
静岡県浜松市/モンゴル・ウランバートル 公式サイト:https://www.kakehasi.biz/





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