ものづくりは、専門家・技術者・研究AIと仕事の未来――仕事とものづくりは専門家・技術者・研究者だけのものではなくなる

Second Lifeでの体験を通じて、私はAIと仕事の未来について考えるようになりました。Second Lifeは、私の想像を超える世界だったからです。
その体験をきっかけに、AIへの見方が変わり、使い方も大きく変わりました。
自分の知識を持つ分身AIアバターが、受付や営業を担う
受付や営業のあり方も、大きく変わるかもしれません。
自分がこれまでに身につけた知識や経験、商品やサービスの情報を持つ「分身AIアバター」が、仮想空間で受付や案内、営業を行う。
訪れた人の質問に多言語で答え、必要な情報を漏れなく説明する。
人が一人ずつ対応するのではなく、自分の知識を学んだアバターが、いつでも相手に合わせて説明してくれる。そんな働き方が生まれるのではないでしょうか。
自分が何度も説明してきた内容や、経験から得た知識をAIに学ばせておけば、説明のばらつきや伝え忘れを減らせます。
言葉の違いがあっても、相手の言語で案内できるようになるかもしれません。
もちろん、「落ち度なく説明する」ためには、AIに知識を覚えさせるだけでは足りません。
情報を正確に整理し、古くなった内容を更新し、答えられない質問は人につなぐ仕組みも必要です。
それでも、自分の知識や経験を持つ分身AIアバターが、受付や営業の前線で働く未来は、十分に考えられると思います。
AIと仕事の未来――コードと3Dプリンターで広がるものづくり
最近、Second Lifeで建物を置いたり、位置を調整したりしています。
最初は、建物を一つ置くことにも戸惑いました。操作方法を調べ、何度もやり直しながら、少しずつ自分の場所を形にしています。
そこで感じたのは、ものを作ることの入口が、以前より広がっているということです。
仮想空間で建物を作る。AIにコードや設計を作らせる。
3Dプリンターで現実の形にする。
こうしたことがつながっていけば、専門家でなくても、自分の考えたものを形にできる時代が来るのではないでしょうか。
Second Lifeで感じた「自分で作る」面白さ
Second Lifeの中で建物を置くことは、現実の建築とは違います。材料費も、法律も、建物の強度も気にせずに試せます。
それでも、何もない場所に建物を置き、位置を直し、少しずつ空間を作っていくと、自分の考えたものが形になる面白さがあります。
もちろん、仮想空間でできたことが、そのまま現実で実現できるわけではありません。
ただ、画面の中でアイデアを試し、形や配置を確かめることはできます。
現実の製品を作る前に、仮想空間で試作や検討を行う場面は、今後さらに増えていくと思います。
AIがコードを作り、3Dプリンターが現物にする
私が考えているのは、AIに文章や画像を作らせるだけの話ではありません。
たとえば、エンジンや機械、さまざまな製品を作るために、目的に合わせた専用のコードや設計データをAIに作らせる。
人間には、その内部の仕組みをすべて理解できないほど複雑なものでも、実際に動き、必要な機能を果たすものが作られるかもしれません。
そして、そのコードや設計データを使い、3Dプリンターで部品や製品を形にする。
仮想空間で考え、AIにコードや設計を作らせ、現実の材料で出力する。
頭の中にあったアイデアが、画面の中だけでなく、手に取れるものになっていくのではないでしょうか。
AIを使った設計案の作成と3Dプリントを組み合わせる方法は、すでに製造分野で紹介されています。
ただし、動けばそれでよいわけではありません。
エンジンや機械のように人の安全に関わるものは、強度や耐久性、故障した時の動きまで確かめる必要があります。
AIが作ったコードや設計に誤りがないか、専門家が検査し、実際に試験することは欠かせません。AI生成コードにも安全上のリスクがあり、確認が必要だと指摘されています。
人間がすべての仕組みを一つずつ作るのではなく、AIに作らせたものを試し、正しく機能するかを確かめる。ものづくりの工程は、そうした形へ変わっていくかもしれません。
仕事は「自分で作る」から「AIに作らせ、確かめる」へ
ソフトウェア開発では、作業を依頼するとAIがコードを書くコーディングエージェントも、すでに使われ始めています。
これからは、人間がすべてを自分の手で作るのではなく、AIに目的や条件を伝え、コードや設計を作らせる仕事が増えると思います。
何を作りたいのか。
誰が使うのか。
どんな機能が必要なのか。
どこまでできれば完成なのか。
こうしたことを整理してAIに伝え、できあがったものを試し、問題があれば修正を指示する。
つまり、人間の仕事は
「作業すること」から、
「目的を決めること」
「指示を出すこと」
「結果を確かめること」
へ移っていくのではないでしょうか。
ただ、指示を出せば何でも完成するわけではありません。
何を作るべきかを考え、結果が本当に役に立つかを判断する力は必要です。
AIの作ったものを正しく評価するために、専門知識が重要な場面も残ります。
専門家や技術者がいらなくなるというより、専門家の力をAIと組み合わせたり、専門家ではない人もAIの助けを借りて仕事やものづくりに参加したりする。
私は、まずそのような変化が進むと思います。
10年後、今の仕事のあり方は大きく変わっている
私自身は、これから10年で、今の仕事のあり方のほとんどが置き換わるのではないかと感じています。
ここでいう「置き換わる」とは、すべての仕事がなくなるという意味ではありません。
仕事の進め方や、人間と機械の役割分担が大きく変わるということです。
人が時間をかけていた調査、設計、プログラミング、試作、事務作業などをAIが手伝う。
複数のAIや機械を組み合わせ、一人で進められる仕事の範囲が広がる。
仮想空間で試し、AIに設計させ、3Dプリンターで試作品を作る。
こうした流れがつながれば、これまで人手や費用が足りずに実現できなかった仕事にも取り組めるでしょう。
一人でできることが増えれば、仕事の数や生み出せる成果が大きく増える可能性があります。
一方で、今までの仕事が縮小したり、必要な人の数が減ったりすることも考えられます。仕事が増えるか減るかは、AIだけで決まるものではありません。
それでも、仕事のやり方や求められる役割が大きく変わることは避けられないと、私は見ています。
AGIが進んだ時には、さらに別の段階へ
さらにAGIが進んだ時には、今考えている変化とは別の段階に入るかもしれません。
現在は、人間が目的や条件を伝え、AIに作業を依頼する形が中心です。
しかし、AIがより広い範囲を理解し、自分で計画を立て、複数の仕事を続けて進めるようになれば、人間が担う役割そのものが変わるでしょう。
その時、
人間は何を決めるのか。
どこまでAIに任せるのか。
作られたものの責任を誰が持つのか。
技術の進歩だけでなく、仕事の価値や社会の仕組みも考え直すことになると思います。
AGIがいつ、どこまで実現するのかは、今の時点では断言できません。
ただ、そこまで進めば、現在のAIによる仕事の変化とは別の問題として向き合う必要があります。
作れる人が増えた時、何を作るのか
Second Lifeで建物を置く。AIに専用のコードや設計を作らせる。
3Dプリンターで現実の形にする。
こうした技術がつながれば、ものづくりは専門家・技術者・研究者だけのものではなくなっていくかもしれません。
それは専門家が不要になるという意味ではありません。
安全性や性能を確かめる専門家の役割は残ります。
その一方で、専門家でなかった人も、自分のアイデアをAIに伝え、試作品を作り、ものづくりに参加できるようになるということです。
私は、これから10年で、仕事の進め方は大きく変わると感じています。
そしてAGIが進んだ時には、さらに別の世界が始まるかもしれません。
Second Lifeで建物を置く小さな体験は、仮想空間と現実空間のものづくり、そして仕事のあり方が変わっていく未来を考えるきっかけになりました。


協同組合かけはし/KAKEHASHI HUMAN MONGOL LLC 後藤友亮/GOTO YUSUKE
静岡県浜松市/モンゴル・ウランバートル 公式サイト:https://www.kakehasi.biz/





コメント