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第1回|浜松で土地が売れない――住宅価格の高騰と住宅市場の現実

4 時間前
読了時間: 4分
浜松の住宅地をイメージした売土地と川、不動産業者との相談風景を描いた住宅市場の記事用イラスト


不動産屋との何気ない会話から

「浜松で土地が売れない」。2026年10月、地元の不動産屋さんとの何気ない会話から、住宅市場の厳しい現実が見えてきました。


最初に出てきたのは、驚くほど厳しい話でした。


「住宅価格が高くなりすぎて、土地が売れないんです」

もちろん、すべての土地が売れないという意味ではありません。しかし、一般的な住宅購入者が手を出しにくい状況になっているそうです。


私自身、長年事業や不動産に関わってきましたが、今回の話からは、以前とは明らかに違う住宅市場の姿が見えてきました。


土地と家を合わせると5,000万~7,000万円

現在、土地を購入して注文住宅を建てようとすると、総額で5,000万~7,000万円になるケースもあるそうです。


土地代だけでなく、建物本体、外構、各種工事、諸費用などが積み重なるためです。


なかには50年ローンを組む人もいるとのことでした。


ただ、50年という年月を考えると、購入をためらう人がいるのも理解できます。


住宅購入時には返済できると思っていても、将来の収入、金利、健康状態、転職、家族構成などは変わります。


借入期間が長くなれば月々の返済負担は抑えられても、返済が続く期間も長くなります。


浜松で土地が売れない理由――不動産屋が語る「1,000万円の壁」

不動産屋さんによると、土地は1,000万円を超えると購入希望者が減りやすいそうです。


特に難しいのが、面積の広い土地です。


以前なら、広い庭や大きな住宅を建てられることが魅力でした。


しかし現在は、土地が広いほど購入総額が大きくなり、庭の管理や外構工事にも費用がかかります。


結果として、土地そのものに魅力があっても、住宅まで含めた予算が合わない。


これは土地の価値が単純に下がったというより、買える人が少なくなっているという問題なのかもしれません。


注文住宅を諦め、3,500万円前後の建売へ

注文住宅を希望していた人が、総額3,500万円ほどの建売住宅に切り替えるケースもあるそうです。


建売住宅なら、土地と建物を合わせた価格が最初から分かりやすく、予算も組みやすい。

ところが、ここでも意外な話が出ました。


「建売でも、場所が良くないと売れないんです」

単に価格を安くすれば売れるわけではないそうです。


買い物、通勤、学校、病院、災害リスクなど、立地条件による選別が進んでいるようです。


それでも駅周辺は高くても売れる

今日の話で最も印象に残ったことの一つです。


郊外の土地は売れにくいのに、駅周辺の便利な土地は高くても売れているそうです。


しかも、多少の水害リスクがある地域でも、利便性が高ければ購入する人がいるとのことでした。


駅の近くなら、年齢を重ねて車に乗れなくなっても、鉄道や徒歩で生活できる可能性があります。


土地の広さや安さ以上に、将来の暮らしやすさが評価されているのではないでしょうか。


川沿いや橋の近くでは、水害への懸念も

一方で、同じ水害への懸念がある土地でも、川沿いや橋の近くでは、売却が特に難しいという話も出ました。


以前は、川沿いの景色や開放感を魅力に感じる人もいました。

しかし、ハザードマップで災害リスクが見えるようになると、土地を見る目も変わってきます。

特に印象に残ったのが、橋の近くについての話です。


「大雨のときに流木などが橋に引っかかると、ダムのように水をせき止めてしまう心配がある。

そういう場所は、特に売りにくいんです」

その不動産屋さんは、このように話していました。


もちろん、すべての橋の周辺で同じ危険があるわけではありません。

今回の話も、その業者さんが扱う地域での実感です。実際のリスクは、個々の場所について確認する必要があります。


それでも、駅周辺では利便性が購入の後押しになる一方、川沿いや橋の近くでは、水害への懸念が購入をためらう理由になる。


土地は価格や広さだけでなく、暮らしの便利さと災害リスクを合わせて選ばれるようになっている。


今回の会話から、そんな住宅市場の変化を感じました。


住宅価格だけでなく、土地の選ばれ方が変わっている

今回聞いた話は、一人の不動産業者の現場での実感であり、浜松市全域の成約件数や平均価格を示す統計ではありません。


それでも、非常に興味深い内容でした。


以前は、広い土地に大きな家を建て、川の近くで自然を感じながら暮らすことに、魅力を感じていました。


しかしこれからは、住宅にかけられる予算が限られるなかで、長く安心して住める立地が重視される時代になっていくのかもしれません。


土地は広ければ良いわけでも、安ければ売れるわけでもない。


住宅市場の変化は、すでに私たちの身近なところで始まっているようです。


次回は、かつて憧れだった高台の住宅が、高齢化によって売れにくくなっているという、さらに興味深い話を紹介したいと思います。


協同組合かけはし/KAKEHASHI  HUMAN  MONGOL  LLC  後藤友亮/GOTO YUSUKE 

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