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第5話|57歳になって分かったこと――人は一人では何もできなかった

9 時間前
読了時間: 4分
57歳になった経営者が両親やスタッフ、仕事仲間、取引先への感謝と「人は一人では何もできない」と気づいた人生を表した第5話のイラスト

19歳から始まった経営者人生――全5話・第5話


経営者人生で分かったこと――人は一人では何もできない


19歳から続いた経営者人生で分かったことは、最後にはとてもシンプルなことでした。

人は一人では何もできない。


お金や会社、車や船を手に入れることよりも、最後に残ったのは、自分を支えてくれた人たちとのつながりでした。


今振り返ると、私は若いころから本当に周囲の人に恵まれていました。


家族。


スタッフ。


仕事仲間。


取引先。


友人。


そして両親。


若いころの私は、


「自分の力でここまで来た」


と、どこかで思っていたのかもしれません。


しかし実際には違いました。


うつ病で動けないとき、会社を守ってくれた人がいた。


そんな私を支えてくれた人がいた。


19歳から続いた経営者人生で分かったことは、最後にはとてもシンプルなことでした。


人は一人では何もできない。


そして、もっと昔から何も言わず無償で支えてくれていた両親がいました。


今は、どれだけ返せるか


今の私は、


これまで支えてくれた人たちに、どれだけ返せるか


を考えるようになりました。


中でも大きいのは両親です。


以前、長年私の会社で働いてくれたスタッフから、


「社長のご両親は本当に素晴らしい人だった。特にお母さんは」


と言われたことがあります。


今になって、その意味がよく分かります。


父はもう亡くなってしまいました。


それでも最後の時期には、自分なりに十分な親孝行ができたと思っています。


母の「ありがとう」


今、母に何かをすると、そのたびに、


「ありがとう」


と言ってくれます。


本当に何気ない一言です。


しかし今の私には、その言葉がとても大きく感じられます。


「ありがとう」


と言われると、


また何かしてあげたい。


もっと頑張ろう。


そう思えるのです。


父は照れ屋だったのか、昔はあまり「ありがとう」と言う人ではありませんでした。


しかし亡くなる少し前には、父からも「ありがとう」という言葉を聞くようになりました。


そのことも覚えています。


親の介護が、一番の喜びなのかもしれない


若いころの喜びは、


スーパーカー。


クルーザー。


自分の家。


会社を大きくすること。


でした。


しかし今は違います。


長い間、見返りを求めることなく支えてくれた親に、


今度はこちらが返す番だ


と思っています。


母の世話をする。


必要なことをしてあげる。


できるだけ一緒に過ごす。


そして「ありがとう」と言ってもらえる。


今では、


親の介護ができることそのものが、一番の喜びなのかもしれない


と思うようになりました。


祖父の話を、今になって思い出す


私の祖父も、生前は浜松ではそれなりに大きな鍛冶屋の事業をしていました。


オイルショックのころ、鉄が手に入りにくくなったことがあったそうです。


ところが、それまで祖父が良い付き合いをしていた鋼材屋さんは、そんな時でも祖父には通常どおり鉄を出してくれた。


そのおかげで、仕事を続けることができたそうです。


昔は単なる商売の話として聞いていました。


しかし今は、その意味がよく分かります。


お金だけではない。


契約だけでもない。


本当に困ったときに助けてくれるのは、


それまで築いてきた人と人との関係


なのかもしれません。


「お互いさま」


「恩を忘れない」


「困ったときには助け合う」


どこか日本昔話に出てくるような、昔から日本人が大切にしてきた価値観なのかもしれません。


19歳の自分に言うなら


もし今、19歳の自分に会えるなら、


「もっと慎重に生きろ」


とは言わないと思います。


おそらく、


「そのまま行け」


と言います(笑)。


失敗してもいい。


人が嫌がる仕事でもやればいい。


常識がなくてもいい。


夢があるなら、とことん追えばいい。


ただ、一つだけ言うなら、


「自分を支えてくれている人を、当たり前だと思うな」


と伝えたいです。


19歳から始まった経営者人生で、私はいろいろなものを手に入れました。


お金。


自由。


会社。


車。


船。


家。


そして、たくさんの経験。


しかし今になって分かった一番大きなことは、そんなことではありませんでした。


人は一人では何もできない。


支えてくれた人への感謝。


受けた恩を忘れないこと。


そして今度は、自分が誰かに返していくこと。


若いころの夢は、


自分が何かを手に入れることでした。


今の夢は、


自分を支えてくれた人たちに、残りの人生でどれだけ返していけるか。


それが、今の私にとっての新しい目標なのだと思います。


協同組合かけはし/KAKEHASHI  HUMAN  MONGOL  LLC  後藤友亮/GOTO YUSUKE 

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