海外の高金利預金は本当に得か――送金や交換の為替レートを比べて気づいたこと

私の場合は、モンゴルで預けた資金を現地での生活や事業に使うことを考えており、すぐに日本へ戻す予定はありません。そのため、毎回「日本円に戻したらいくらになるか」だけで判断する必要あまりありません。
一方、日本で使うお金を海外の高金利預金に移し、いずれ円に戻すつもりなら、話は違います。
表示された金利が高くても、海外送金や通貨交換の費用、預けている間の為替変動によって、円で受け取る金額は変わります。
私自身、現地で使う場合にも、物価の変化や将来必要になる通貨は意識しています。
今回は、銀行の公表レートと私が使っている銀行の画面を見比べながら、海外の高金利預金は、金利だけで利益が決まらないことを考えてみました。
ネットバンキングでの交換は便利だった
私が利用しているモンゴルの銀行では、ネットバンキングから、振込をするような感覚で円をトゥグルグへの交換を進められます。窓口へ行かずに自分で操作できるのは便利です。
ただ、手続きが簡単なことと、交換にかかる費用が小さいことは別の話です。
交換する時には、別途手数料の表示だけでなく、適用レートと交換後に受け取る金額を確認する必要があります。
モンゴルで預金を使う前の銀行口座の準備について
トゥグルグ預金やネットバンキングの便利さを感じられるようになったのは、まず現地の銀行口座を開設したからです。
私の場合、TDBの日本窓口への相談から始め、必要書類や現地での手続きについて確認したうえでモンゴルへ渡航しました。
これからモンゴルで預金や生活費の管理を考える方は、金利を調べるのと同時に、自分の目的で口座を開設できるか、何を準備する必要があるかを確かめておくとよいと思います。
私が口座を作った時の流れは、「モンゴル 銀行口座開設|TDBで口座を作った実体験」にまとめています。
海外送金では、最終的にいくら届くかを見る
以前、日本からモンゴルへの海外送金を調べた時も、表示された送金手数料だけでは、実際の負担を判断できないと感じました。
大切なのは、日本でいくら支払い、モンゴルの口座に最終的にいくら届くかです。送金途中の費用や適用される為替レートによって、受取額は変わります。
口座に届いたお金をさらに別の通貨へ交換するなら、その取引のレートも確認しなければなりません。海外送金と口座内での通貨交換は別々の取引として見ておきたいところです。
私がPayForexで100万円を送る場合の見積もりを確認した時は、送金手数料が「0円」でも、市場の参考レートで計算した額と受取予定額には約14.4%の差がありました。
ただし、市場の参考レートは、そのまま取引できる価格ではありません。あくまでその時の見積もりと比較から分かったことです。
その時の画面と計算過程、急ぎの送金で感じた難しさは、別記事「モンゴル海外送金の現実――手数料0円でも為替レートに約14.4%の差」に詳しく記録しています。
日本円からトゥグルグへ交換する場合、円に対してトゥグルグが安くなれば、同じ円の金額で受け取れるトゥグルグは増えます。
一方、トゥグルグを円へ戻す場合は、逆の動きが有利になります。
私は、金利だけでなく、為替の動きや実際に適用される交換レートなど、さまざまな情報を確認しながら、交換のタイミングを考えることも大切だと思っています。
ただし、相場を正確に予測することはできません。必要な支払いや資金を使う時期も踏まえて判断したいと考えています。
通貨によって、買値と売値の差は大きく違う
そこで、TDBが公表する非現金取引レートと、私の三井住友信託銀行のアプリに表示されたレートを比べてみました。
次の表は、外貨を買い、為替相場が動かないまますぐ元の通貨に戻した場合の、売買レートによる差を計算したものです。実際に往復取引をした結果ではありません。
外貨 | TDB:トゥグルグとの交換 | 三井住友信託銀行:円との交換 |
米ドル | 0.22% | 1.26% |
ユーロ | 1.98% | 1.11% |
英ポンド | 1.73% | 0.96% |
人民元 | 0.56% | 3.36% |
豪ドル | 3.08% | 1.79% |
スイスフラン | 2.62% | 1.05% |
カナダドル | 1.64% | 1.78% |
シンガポールドル | 1.80% | 1.61% |
香港ドル | 0.44% | 3.91% |
NZドル | 3.66% | 2.22% |
タイバーツ | 4.36% | 3.34% |
スウェーデンクローナ | 5.36% | 3.71% |
トルコリラ | 4.00% | 47.51% |
※2026年9月26日に確認したTDBの公表レートと三井住友信託銀行のアプリ表示から計算。
TDBはトゥグルグと各外貨、三井住友信託銀行は円と各外貨の交換です。交換元の通貨が違うため、同じ条件で銀行の優劣を比べた表ではありません。
また、別途発生する費用は含めていません。
同じ「外貨への交換」でも、買値と売値の差は通貨によって大きく異なります。
米ドルや人民元ではTDBの差が小さく、豪ドルやスイスフランでは三井住友信託銀行の差が小さくなりました。
特に驚いたのはトルコリラです。私のアプリ画面では、三井住友信託銀行の買う時のレートが4.21円、売る時が2.21円でした。この二つの数字だけでも、金利を見る前に交換条件を確かめる必要があると分かります。
高金利だけで、利益は決まらない
私の法人では、モンゴルのトゥグルグ定期預金を年利12.2%で利用しています。
この金利は魅力的ですが、預金の利益を日本円で考える人は、利息だけを見て判断できません。
満期までにトゥグルグと円の為替レートが変われば、円に戻した時の金額も変わります。
預ける時の交換、円に戻す時の交換、日本への送金にも、それぞれ確認すべき条件があります。
一方、私のように現地で使うことを考えている人は、円に戻す時の金額だけが判断基準ではありません。それでも、モンゴルでの物価や、将来どの通貨が必要になるかは考えておきたいと思います。
高金利預金が自分に合うかどうかは、金利だけでなく、そのお金を最後にどこで、どの通貨で使うかによって変わります。
今回の比較は公表レートとアプリ表示による試算です。次にTDBのネットバンキングを開いた時には、実際の交換画面に表示されるレート、受取額、別途手数料の有無を確認し、追記したいと思います。
TDBの公表レートは参考値で、実取引には取引時点のレートが適用されます。www.tdbm.mn
協同組合かけはし/KAKEHASHI HUMAN MONGOL LLC 後藤友亮/GOTO YUSUKE
静岡県浜松市/モンゴル・ウランバートル 公式サイト:https://www.kakehasi.biz/




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