モンゴル海外送金の現実――手数料0円でも為替レートに約14.4%の差
更新日:7 日前

今回、モンゴルで急に必要な資金が発生し、すぐに送金しなければならなくなりました。
そこで、海外送金サービスのPayForexを利用して、100万円を送った場合の見積もりを確認しました。
PayForexでは、本人確認と送金目的の申告を済ませることで、100万円程度までなら、個別の追加書類を求められずに送金を申し込める場合があります。
急ぎの送金が必要なときに、アプリから手続きできること自体は非常に便利です。
今回の画面に表示された送金手数料は「0円」でした。
しかし、私が驚いたのは送金手数料ではなく、提示された為替レートです。
100万円の送金で約14万4,000円分の差

2026年9月13日に確認した市場の参考レートは、
1円=23.4213トゥグルグ
でした。
一方、PayForexが提示したレートは、
1円=20.038473トゥグルグ
です。
100万円を送った場合で比較すると、
市場の参考レート:約2,342万トゥグルグ
PayForexの受取予定額:約2,004万トゥグルグ
差額:約338万トゥグルグ
市場の参考レートで円に換算すると、約14万4,000円分の差になります。

つまり、送金手数料は0円でも、市場の参考レートとPayForexの提示レートを比較すると、受取額には約14.4%の差がありました。
もちろん、市場の参考レートは、実際にそのまま取引できる価格ではありません。
特にモンゴルトゥグルグは取引量が少なく、日本円から直接交換しにくい通貨です。複数の通貨や中継銀行を経由する費用、為替変動のリスクなども考える必要があります。
それを考慮しても、私にはあまりにも大きな差だと感じられました。
急ぎの送金では、レートが高くても選ばざるを得ない
時間に余裕があれば、複数の送金方法を比較したり、為替レートが改善するまで待ったりすることもできます。
しかし今回は、急に必要な送金が発生したため、ゆっくり比較している時間がありませんでした。
銀行から簡単に送金できず、ほかにすぐ利用できる方法も限られている状況では、為替レートが高いと分かっていても、その方法を選ばざるを得ないことがあります。
ここが、海外に生活や事業の基盤を持つ人にとって、最も困るところです。
数年前は5%程度だった記憶がある
私が数年前にPayForexを利用したときは、市場の参考レートとの差は5%程度だったと記憶しています。
ところが今回、あらためて計算すると約14.4%の差がありました。
100万円で考えると、
差が5%の場合:約5万円
今回の約14.4%の場合:約14万4,000円
負担の違い:約9万4,000円
となります。
ただし、数年前の取引記録と同一条件で比較した数字ではありません。また、数年前と現在では、為替相場、送金経路、提携銀行、モンゴルトゥグルグの流動性なども異なります。
そのため、「PayForexが単純に値上げした」と断定することはできません。
それでも、実際に利用した私の感覚として、以前より大幅に不利な為替条件になったと感じたのは事実です。
モンゴルへの海外送金は銀行でも難しくなった
それなら銀行から送ればよいと思うかもしれません。
しかし、私が実際に銀行へ確認した範囲では、現在は新規のモンゴル向け海外送金を受け付けない銀行が多くなっています。
受け付けてもらえる場合でも、送金目的、契約書、資金の出所、受取人との関係、口座名義など、多くの確認が必要になります。
正当に得た自分のお金であっても、海外へ移すことは簡単ではありません。
銀行からは送れない。
外部の海外送金会社を利用すれば、為替レートの差が非常に大きい。
さらに急ぎの支払いが発生すれば、条件が悪くても、その方法を使わざるを得ません。
今は、本当に海外へお金を移すことが難しくなったと感じます。
現金を飛行機で運ぶ方法も簡単ではない
残された方法の一つが、現金を自分で飛行機に乗せて運ぶことです。
しかし、これも決して簡単でも安全でもありません。
私は実際に、日本から出国するときとモンゴルへ入国するときの両方で、必要な申告と審査を受けました。
日本では、100万円相当額を超える現金などを海外へ持ち出す場合、税関への申告が必要です。モンゴルへ入国するときにも、現地で審査を受けました。
さらに、多額の現金を持って通常の出口から移動することには、盗難、紛失、強盗などの危険があります。
そのため私は、モンゴルで正式な審査を受けたうえで、安全確保を目的にVIP出口を利用しました。現地の信頼できる関係者にも空港まで来てもらい、移動中の安全にも細心の注意を払いました。
飛行機で現金を運ぶ場合には、
日本と渡航先の両方で必要な申告をする
資金の出所や使用目的を説明できるようにする
現金の紛失や盗難を防ぐ
空港から目的地までの安全を確保する
という負担があります。
したがって、「銀行がだめなら、飛行機で運べばよい」という単純な話ではありません。
海外から日本への送金との違い
海外送金の審査が厳しくなった背景には、マネーロンダリングやテロ資金供与への対策があるといわれています。
その必要性は理解できます。
しかし、私が不思議に感じるのは、日本から海外へ送金することは非常に難しい一方で、海外から日本へ送金するときは比較的スムーズだったことです。
もちろん、海外から日本への送金が、まったく審査されないわけではありません。
送金元の国や銀行ですでに確認を受けており、日本の受取銀行からも、送金目的や資金の出所について説明を求められる場合があります。
それでも、利用者の立場から見ると、
正当に得た自分のお金なのに、日本から海外へ移すことだけが極端に難しい
という印象が残ります。
海外に生活基盤を持つ人にとっては深刻な問題
海外旅行で少額を使うだけの人にとっては、それほど大きな問題ではないかもしれません。
しかし、私のように海外に住居や法人を持ち、生活費や事業資金を正当に移動させる必要がある人にとっては、非常に深刻な問題です。
特に今回のように急な支払いが必要になった場合、銀行は利用できない、現金をすぐに持っていくこともできない、外部の送金会社は為替レートが高いという状況になります。
不正資金を防ぐ仕組みは必要です。
しかし、その結果として、正当な生活費や事業資金まで動かしにくくなり、高額な為替差を負担するしかない状況が生まれているのであれば、制度として改善する余地があるのではないでしょうか。
「送金手数料0円」という表示だけを見て、安いと判断してはいけません。
海外送金で本当に確認しなければならないのは、
送った金額ではなく、最終的に相手の口座へいくら入るのか
ということです。
数年前より、モンゴルへ資金を移すための選択肢は減り、為替レートの負担も大きくなったように感じます。
今回、急に必要な送金が発生したことで、海外へ正当にお金を移すことの難しさを、あらためて実感しました。
海外送金は「後から確実な詳細説明できる正規の方法」を選ぶことが重要
このような話をすると、「ほかにもお金を移す方法はある」と言われることがあります。
確かに、正規の銀行送金や登録された海外送金サービス以外にも、さまざまな方法があるのかもしれません。
しかし、私は税金の処理でも海外送金でも、後から十分に説明できない方法を利用することは、極めて危険だと考えています。
たとえ正当に得た自分のお金であっても、送金名義や資金の経路が不明確であれば、マネーロンダリングを疑われる可能性があります。口座の利用を止められたり、後から資金の出所や送金目的について、厳しい説明を求められたりすることも考えられます。
これは、私が海外送金で問題になった経験から書いているのではありません。
私は過去に税務調査を受けた経験があります。その経験から、正当な取引であっても、資料や記録、説明が十分でなければ、自分の意図とは異なる見方をされる可能性があると学びました。
だからこそ私は、多少時間や費用がかかったとしても、資金の流れを後からすべて説明できる正規の方法を選ぶことが重要だと考えています。
海外へ自分のお金を移すことが難しくなったからといって、安易にグレーな方法を選ぶべきではありません。
いつ、どこから、どこへ、何の目的で送ったのか。すべてを記録として残し、後から説明できる方法を選ぶ。
遠回りに見えても、それが最終的には自分の信用を守る、最も安全な方法だと思います。
※この記事の内容は、2026年9月13日現在の情報と筆者の実体験に基づいています。制度、為替レート、手数料、送金条件などは変更される可能性があります。
協同組合かけはし/KAKEHASHI HUMAN MONGOL LLC 後藤友亮/GOTO YUSUKE
静岡県浜松市/モンゴル・ウランバートル 公式サイト:https://www.kakehasi.biz/





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