手取りを5万円増やすには、会社はいくら払えばいい?約6.6万円〜8.3万円程度の昇給が必要

社員の手取りを5万円増やしたいなら、給料を5万円上げればいいわけではない。
今回の概算では、給与水準によって約6万6,000円〜8万3,000円程度の昇給が必要になります。
社員に5万円多く残してあげたい。しかし会社は、給料を5万円上げるだけでは足りない。
① 月給30万円の社員ならどうなる?
例えば、月給30万円前後の社員を考えてみます。
この給与帯では、前回の概算で増えた給与の約76%が手取りとして残りました。
社員の手取りを5万円増やすには、
5万円 ÷ 76% ≒ 6万6,000円
程度の昇給が必要になります。
つまり、
会社「手取りを5万円増やしてあげたい」
↓
額面給与は約6万6,000円上げる必要がある
ということです。
すでにここで、会社と社員の間に約1万6,000円の差が生まれています。
② 給料が高くなると、さらに必要な昇給額が大きくなる
給与水準が高くなると、この差はさらに広がります。
月給35〜55万円付近なら、
手取り+5万円→ 額面+約6.9万円
55〜60万円付近なら、
手取り+5万円→ 額面+約7.8万円
65〜70万円付近では、
手取り+5万円→ 額面+約8.3万円
です。
社員から見れば、どの場合も、
「毎月5万円増えた」
です。
しかし会社側から見ると、その5万円を社員の手元に届けるために必要な昇給額が違います。
③ しかし、会社の負担はこれで終わらない
ここからが、経営者として見るとさらに重要です。
会社が給料を6万円、7万円、8万円上げれば、それだけで終わるわけではありません。
給与が増えれば、会社側が負担する
健康保険
厚生年金
介護保険
雇用保険
なども増えます。
つまり、
社員の手取り+5万円=会社の負担+5万円
ではありません。
実際には、会社は社員の手元に5万円を増やすために、5万円よりかなり大きなお金を追加で負担することになります。
④ 私は経営者だったので、両方の感覚が分かります
私は長年会社を経営してきました。
そのため、
会社側の「こんなに払っている」
という感覚も分かります。
同時に社員側からすれば、
「給料が上がったのに、思ったほど手取りが増えない」
となります。
これもよく分かります。
例えば会社が、
「社員の生活を少し楽にするため、給料を5万円上げよう」
と考えたとします。
会社にとって5万円の昇給は小さな金額ではありません。
ところが社員の手取りを見ると、増えるのは3万円台。
逆に、
「社員の手取りを本当に5万円増やしてあげよう」
と考えれば、額面給与を6万円台〜8万円台上げなければならない。
さらに会社負担の社会保険料も増えます。
ここに、経営者と社員の感覚がズレやすい理由の一つがあるのではないでしょうか。
⑤ 会社はたくさん払っている。でも社員には全部届かない
私はここが、日本の給与を考えるうえで非常に重要だと思います。
会社が社員のために使うお金と、
社員が実際に手取りとして受け取るお金は、
同じではありません。
会社は、
「これだけ人件費を増やした」
と思う。
社員は、
「これだけしか手取りが増えていない」
と思う。
どちらかが得をして、どちらかが損をしているという単純な話ではありません。
その間には、税金や社会保険という仕組みがあります。
最後に――「5万円増やしてあげたい」が、5万円では済まない
今回、私が一番驚いたのはここです。
社員の手取りを5万円増やしたいなら、給料を5万円上げればいいわけではない。
今回の概算では、給与水準によって、
約6万6,000円〜8万3,000円程度の昇給
が必要になります。
そして会社側には、さらに社会保険料などの負担があります。
つまり、
社員の生活を毎月5万円豊かにするために、会社はいったいいくら負担しなければならないのか。
ここまで考えると、日本で企業が大幅な賃上げをすることの難しさも、少し違って見えてきます。
同時に、社員が
「5万円昇給したのに、なぜ生活は5万円分楽にならないのか」
と感じる理由も見えてきます。
会社も払っている。
社員も受け取っていない。
では、その間にあるものは何なのか。
給料は、額面だけを見ていても本当の姿は分からない。
私は今回、逆算してみて、それが一番よく分かりました。
協同組合かけはし/KAKEHASHI HUMAN MONGOL LLC 後藤友亮/GOTO YUSUKE
静岡県浜松市/モンゴル・ウランバートル 公式サイト:https://www.kakehasi.biz/





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