モンゴルにもM8級巨大地震の歴史──日本ほどではないが油断できない
- 後藤 友亮

- 7 日前
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更新日:5 日前

日本に住んでいると、モンゴルにはあまり地震のイメージがありません。しかし調べてみると、実際には少し違います。
結論から言えば、モンゴルは日本ほど頻繁に地震が起きる「地震国」ではありません。しかし、大きな地震が起きる可能性を無視できる国でもありません。
日本とモンゴルでは地震のタイプが違う
日本は複数のプレート境界に位置しており、海溝型巨大地震から内陸の活断層地震まで、非常に多くの地震が発生します。
一方、モンゴルはプレート境界から離れた大陸内部にあります。
そのため、
日本=地震の頻度そのものが非常に高い
モンゴル=頻度は低いが、ときどき非常に大きな内陸地震が起きる
という違いがあります。
実際、モンゴルでは20世紀だけでも、
1905年 ツェツェルレグ地震 M8級 (UBで明確な影響記録は乏しい)
1905年 ボルナイ地震 M8.4前後 (UBで感じた可能性が高い)
1957年 ゴビ・アルタイ地震 M8.1前後 (UBで影響あり。UBでIV–V程度が確認される)
1967年 モゴド地震 M7.1前後 (UBで影響あり。UBでIV–V程度が確認される)
など、大規模な内陸地震が発生しています。
つまり、「モンゴル=地震がない」という認識は正しくありません。
実はウランバートル周辺にも活断層がある
さらに気になるのが、人口約150万人が集中するウランバートルです。
JICAなどの調査では、ウランバートル周辺にHustai、Emeelt、Gunjiinなど複数の活断層が確認されています。 (Open JICA Report)
さらに近年、**Ulaanbaatar Fault(ウランバートル断層)**という約50kmの活断層も確認されました。市街地を通る、または極めて近い位置にある断層として研究されています。 (Geoscience World)
南側にはSharkhai Faultもあり、研究では断層の破壊範囲によってMw6級後半〜7級程度の地震を起こす可能性が示されています。 (SE)
日本と比較すると
日本 | モンゴル | |
地震の頻度 | 非常に多い | 日本よりかなり少ない |
主な原因 | プレート境界+活断層 | 大陸内部の活断層 |
M6〜7級 | 比較的頻繁 | 少ないが発生する |
M8級 | 発生する | 過去に複数発生 |
首都周辺の活断層 | 多数 | 複数確認されている |
耐震対策 | 世界でも非常に厳しい | 耐震基準あり |
地震への警戒度 | 非常に高い | 日本ほどではないが必要 |
モンゴルにも耐震基準はある
もちろんモンゴルも、この地震リスクを全く考えずに建物を建てているわけではありません。
ウランバートルでは地震を想定した建築基準があり、JICAもモンゴル政府・ウランバートル市と共同で地震災害リスク調査を行っています。実際、地震強度や活断層、地盤、建物被害まで含めた評価が行われています。 (Open JICA Report)
特に近年の高層マンションでは、昔の建物以上に耐震設計が重要になっています。
ただし、日本と同じように、
「耐震基準があること」と「実際の施工品質が高いこと」は別問題
です。
新築マンションを見る場合は、建築年だけではなく、RC構造、耐震壁、基礎、杭、地盤調査、設計上の地震荷重なども確認した方が安心です。
モンゴルを「地震がない国」と考えない方がいい
調べる前のイメージでは、
日本=地震国モンゴル=ほとんど地震がない国
という印象を持ちやすいと思います。
しかし実際には、
日本は「頻繁に揺れる地震国」。モンゴルは「普段は比較的静かだが、非常に大きな内陸地震を起こす力を持つ国」。
という表現の方が近そうです。
特に現在のウランバートルは、昔とは状況が違います。
過去の巨大地震の多くは人口密度の低い地域で発生しましたが、現在のウランバートルには高層マンションや商業施設が急速に増えています。
そのため今後は、**地震そのものの発生頻度より、「もし首都の近くでM6〜7級が起きた場合に、高密度化した都市がどこまで耐えられるのか」**の方が重要になってくると思います。
つまり、モンゴルは日本ほど地震を恐れる必要はありません。
しかし、「モンゴルだから地震は考えなくても大丈夫」という国でもない。
特にウランバートルでマンションを購入するなら、耐震性は確認しておくべき項目の一つだと思います。

①Emeelt Fault:市街地西側約15km
②Hustai Fault:市街地南西側約30km
③Sharkhai Fault:市街地南方約35km
④Ulaanbaatar Fault:市街地を通る/極めて近い新発見の活断層

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