モンゴルの通訳は誰でもいいわけではない?──公証・銀行口座開設で実際に感じた外国人手続きの厳格化
- 後藤 友亮

- 13 時間前
- 読了時間: 7分

モンゴルで生活したり、不動産を購入したり、会社関係の手続きをしたりしていると、日本語とモンゴル語の通訳が必要になる場面があります。
観光や日常生活であれば、日本語とモンゴル語を十分に話せる人にお願いすれば、基本的には問題ありません。
しかし、公証役場や銀行口座開設などの公的・重要な手続きになると、話がまったく違いました。
これは私自身がモンゴルで実際に経験して、初めて知ったことです。
筑波大学卒で日本語がペラペラでも認められなかった
公証役場で手続きをする際、日本語が非常に堪能なモンゴル人に通訳として同行してもらいました。
その方は日本の筑波大学を卒業しており、卒業証明書まで持参していました。
日本語での意思疎通には、まったく問題がないレベルです。
私は当然、
「これなら通訳として問題ないだろう」
と思っていました。
ところが、公証役場では認めてもらえませんでした。
その場で説明されたのは、簡単に言えば、
「日本語が話せるだけではダメで、モンゴル側が認めた資格を持った通訳者が必要」
ということでした。
少し前までは、ここまで厳しくなかったようです
現地で聞いた話では、少し前までは現在ほど厳しくなかったようです。
しかし近年、モンゴルには外国人や外国資本が多く入るようになり、不動産購入、法人設立、契約、公証など、外国人が関係する手続きも増えてきています。
そのため、本人確認や契約内容、通訳者についても、以前より厳しく確認されるようになってきているようです。
私自身も、今回の公証役場でその変化を実際に感じました。
日本の大学を卒業し、日本語が非常に上手で、卒業証明書まで持参していても認められなかったのです。
ただし、外国人投資の増加が通訳者の資格確認を厳しくした直接の原因であることを示す公的資料までは、私が確認した範囲では見つかっていません。
ここは、現地で聞いた話と私自身の実体験として紹介しておきます。

今では銀行口座開設でも通訳の条件が厳しくなってきた
さらに最近では、公証役場だけではありません。
外国人が銀行口座を開設する際にも、公的手続きに対応できる通訳者を求められるケースが出てきています。
以前であれば、日本語や英語を話せる知人に同行してもらえば進められた場面でも、現在は本人確認や契約内容の確認が厳しくなり、単なる語学サポートではなく、正式な手続きに対応できる通訳者を求められることがあるようです。
つまり現在のモンゴルでは、
公証役場だけが特別に厳しいのではなく、銀行・契約・法人・不動産など、外国人が関係する重要な手続き全体で確認が厳格化してきている
と感じます。
なぜ銀行まで厳しくなっているのか
外国人投資や外国人居住者が増える中で、銀行や公的機関としても、
本人が契約内容を本当に理解しているか
通訳内容に間違いがないか
後から「説明を聞いていない」というトラブルにならないか
マネーロンダリングや名義貸しなどの問題がないか
といった点を、以前より慎重に確認する必要が出てきているのだと思います。
特に銀行口座、不動産、法人、公証などは、お金や財産に直接関係します。
そのため、単純に外国語を話せるだけではなく、
「誰がその通訳内容に責任を持つのか」
という部分まで重要になってきているのでしょう。
法律だけを見ると少し分かりにくい
モンゴルの公証法では、公証手続きはモンゴル語で行うことが原則です。
モンゴル語を理解できない人が手続きを行う場合には、通訳者を参加させることが規定されています。
また、通訳者が故意に誤った通訳をした場合には、法的責任を負うことも規定されています。
ここだけを見ると、
「日本語とモンゴル語が話せる人を自分で連れて行けばいいのでは?」
と思ってしまいます。
私も最初はそう考えていました。
しかし、実際の公証役場ではそうではありませんでした。
海外では法律の条文だけでは分からない、現場での運用があります。
観光通訳と公的手続きの通訳は別物
今回の経験から、モンゴルの通訳は少なくとも3つに分けて考えた方がよいと思います。
① 観光・日常生活の通訳
観光、買い物、レストラン、移動などであれば、基本的には語学力とコミュニケーション能力が重要です。
② 一般的なビジネス通訳
会社訪問、商談、視察、打ち合わせなどでは、語学力に加えてビジネス用語や業界知識が必要になります。
③ 公証・銀行・契約など公的・重要な手続き
ここは別物です。
不動産売買、法人関係、公証、銀行口座開設などでは、
「日本語が上手だから大丈夫」
とは限りません。
重要なのは、
「その通訳者が、その手続き先で正式に認められるか」
ということです。
海外では「語学力」と「資格」は別問題
今回、私が一番驚いたのは、
筑波大学を卒業し、日本語が非常に堪能なモンゴル人でも、公証役場では通訳として認められなかった
ことです。
語学能力だけを考えれば十分すぎるほどです。
それでも認められませんでした。
つまり公的手続きでは、
「日本語をどれだけ上手に話せるか」と「正式な通訳として認められるか」は別問題
ということです。
なお、私が公証役場で説明された「国家資格」という言葉が、法律上どの正式な資格名称を指しているのかまでは確認できていません。
そのため、この記事では正確を期して、
「モンゴル側が公的手続きで認める資格を持った通訳者」
と表現しておきます。
古いモンゴル情報には注意した方がいい
今回の経験でもう一つ重要だと感じたのが、数年前のモンゴル情報をそのまま信用しないことです。
以前は日本語が話せる知人の同行だけでできた手続きでも、現在はできない可能性があります。
モンゴルでは外国人投資や外国人の経済活動が増えるにつれて、制度そのものだけでなく、銀行や公証役場などの実際の運用も変わってきているように感じます。
インターネットで、
「私はこの方法でできました」
という古い記事を見つけても、現在も同じとは限りません。
これはモンゴルで投資や事業をするうえで、かなり重要なポイントだと思います。
これからモンゴルで手続きをする人へ
これからモンゴルで、
銀行口座を開設する
不動産を購入する
法人を設立する
会社関係の手続きをする
契約書を作成する
公証手続きをする
といった場合には、
「日本語が話せる人を連れて行けば大丈夫」
とは考えない方がよいと思います。
通訳を依頼する前に、
「この通訳者で、この手続きができますか?」
と、銀行や公証役場など実際の手続き先へ確認しておくのが確実です。
まとめ
モンゴルで今回実際に手続きをしてみて分かったのは、観光通訳と公的手続きの通訳は、同じ「通訳」でもまったく違うということでした。
特に印象的だったのが、
筑波大学卒・卒業証明書持参・日本語が非常に堪能
という人でも、公証役場では通訳として認められなかったことです。
そして最近では、公証だけでなく銀行口座開設などでも通訳者に対する条件が厳しくなってきています。
現地で聞いた話では、少し前まではここまで厳しくなかったようです。
外国人や外国資本がモンゴルへ多く入るようになり、それに伴って外国人が関係する手続きも、徐々に厳格になってきているように感じます。
モンゴルへの投資や移住を考える場合、税金や不動産価格だけでなく、こうした実務上のルールの変化にも注意が必要です。
そして何より重要なのは、
「以前できたから、今もできる」と思わないこと。
モンゴルは今、大きく変化している途中です。
法律を調べるだけでは分からない、実際に現地で手続きをして初めて分かることがまだまだあります。
今後も、私自身が実際に経験して分かったことについては、できるだけそのまま紹介していきたいと思います。
※公証・銀行などの運用や必要条件は、機関、支店、手続き内容、時期によって異なる可能性があります。重要な手続きを行う際は、その時点で利用する機関へ直接確認することをおすすめします。
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