経営者のAI活用――AIを使う社員の仕事量を判断できない時代

経営者のAI活用で本当に難しい社員管理
経営者のAI活用は、単にAIを会社へ導入すれば成功するものではありません。経営者自身がAIの能力と作業時間を理解し、社員の適正な仕事量を判断する必要があります。
AIを毎日使うようになり、私は、企業にとって非常に大きな変化が始まっていると感じています。
個人であれば、空いた時間にAIを使いながら少しずつ覚えても、大きな問題はありません。
しかし企業の場合は違います。
AIを使う企業と使わない企業では、仕事の速度、情報発信、営業力、人件費などに、あっという間に大きな差がつくと思います。
今の仕事は、ホームページ、広告、営業、顧客対応、資料作成、情報収集など、ネット上で行うものが中心です。
AIをうまく使えば、以前は複数の社員や専門業者へ依頼していた仕事を、一人でも進められるようになりました。
もし私が今も会社を経営していたら、AI活用を会社の重要部門の一つとして、かなり力を入れていたと思います。
本当に難しいのは、AIを使う社員の管理
企業のAI活用というと、どのAIを導入するか、AIに詳しい社員を採用するかという話になりがちです。
しかし、私が本当に難しいと感じるのは、AIそのものではありません。
AIを使う社員の仕事量を、経営者が正しく判断できるかという問題です。
私は昔から、社員に仕事を任せる前に、自分でも現場を経験してきました。
実際に作業を行い、どの仕事にどのくらいの時間がかかるのかを測ってから、人員や仕事量を決めていました。
そのため、社員から「この作業には一日かかります」と言われても、本当に一日必要なのか、おおよその判断ができました。
しかしAIの場合は違います。
昨日まで半日かかっていた仕事が、AIの進化によって、今日は一時間で終わることもあります。
AIは毎日のように進化しているため、半年前の知識や経験さえ、すぐに古くなってしまいます。
経営者自身がAIを使っていなければ、
この仕事は本当に一日かかるのか
AIを使えば一時間で終わるのではないか
どこまでAIに任せられるのか
人間の確認にどれだけの時間が必要なのか
完成した成果物の質は十分なのか
という判断ができません。
簡単に言えば、担当者の言う通りになり、良いようにされる可能性もあります。
もちろん、社員が意図的にごまかす場合だけが問題なのではありません。
経営者も社員も現在のAIの能力を把握できず、従来と同じ人数と時間を使い続ければ、せっかくAIを導入しても、時間と人件費の無駄になってしまいます。
素人一人、正味1か月半でここまでできた
私のホームページを見ていただければ、現在のAIがどれほど進化しているか分かると思います。
私はホームページ制作やSEOの専門家ではありません。
最近はホームページ制作に力を入れているため、長い時間作業する日もありますが、少し前までは一日3時間程度の作業でした。
これまでに使った時間を一日8時間勤務に換算すると、ホームページ制作の素人が一人で、正味1か月半ほど作業した結果だと思います。
現在、私のホームページには700本を超える記事があります。
もちろん、700本すべてを1か月半で一から作ったわけではありません。
私自身の経験をもとに、以前からFacebookなどに書きためてきた内容を、AIと一緒に記事として再編集したものも多くあります。
しかし、そのうち約200本は、私の独自の発想をもとに一から作った新しい記事です。これらは1か月足らずで制作しました。
さらに、記事を書くだけではありません。
過去の文章の再編集
新しい記事の企画と作成
記事に使用する画像の制作
SEO対策
カテゴリーの再構成
関連記事の設定
英語ページの制作
Search Consoleによる検索状況の確認
ホームページの表示速度改善
このような作業も同時に進めてきました。
以前なら、ホームページ制作会社、ライター、デザイナー、翻訳者、SEO業者など、複数の専門家へ分けて依頼していた仕事です。
それをホームページ制作の素人である私が、AIと相談しながら一人で進めることができました。
一人の素人がAIを使い、1か月足らずで約200本の新しい記事を作り、正味1か月半でホームページをここまで整えた。
私のホームページを実際に見ていただくことが、現在のAIの進化と仕事量を知らない人にとって、一番分かりやすい説明になると思います。
AIだけでホームページを作ったわけではない
ただし、AIに指示すれば、誰でも同じホームページを作れるという意味ではありません。
記事のもとになっているのは、私が長年経験してきた会社経営、モンゴル、海外投資、不動産、車、DIY、古民家再生などの実体験です。
AIが私の経験をつくったわけではありません。
私自身が内容を考え、経験を伝え、最終的な判断や修正を行っています。
AIによって大きく変わったのは、それらの経験や発想を文章にし、整理し、画像を作り、ホームページとして公開するまでの速度です。
つまり、AIが人間の経験に代わったのではありません。
仕事を知る本人とAIが組み合わさったことで、以前とは比較にならない仕事量をこなせるようになったのです。
AI担当者を置くだけでは効率化できない
企業がAI担当者を置くだけでは、本当の意味での効率化にはなりません。
経営者がAIの能力を知らなければ、その担当者が適正な時間で仕事をしているのか判断できないからです。
一方で、AIを使って作業時間が短くなった社員へ、単純に何倍もの仕事を与えるだけでもうまくいきません。
早く終わらせるほど仕事を増やされるのであれば、社員はAIによって短縮できた時間を報告しなくなる可能性があります。
また、AIは速く文章や資料を作れますが、間違った内容を出すこともあります。
量だけを評価すれば、中身の薄い記事や誤った資料を大量に作ることにもなりかねません。
これからの経営者は、勤務時間だけではなく、
完成した仕事の質と正確性
AI導入前と比べて短縮できた時間
改善できた業務の数
売上や問い合わせへの効果
短縮できた時間を何に使ったか
まで確認する必要があると思います。
経営者自身がAIを使わなければ判断できない
経営者が、AIの専門家になる必要はありません。
しかし、社員に任せる前に、経営者自身が日常的にAIを使い、現在のAIに何ができるのかを知る必要はあります。
例えば、自社の文章を作らせてみる、資料を整理させてみる、ホームページの改善案を出させてみるだけでも、AIの速度と限界が分かります。
実際に使えば、
「この作業はAIだけでもできる」
「この部分は社員の経験が必要だ」
「最後は必ず人間が確認しなければならない」
という判断ができるようになります。
AIを使わないままAI担当者を管理することは、現場を一度も経験せずに、工期や必要な人数を決めるようなものです。
AIを知らないことが経営リスクになる
これまでは、AIを使えることが企業の強みでした。
しかし、これからは少し意味が変わってくると思います。
経営者がAIを知らないこと自体が、経営上のリスクになる時代です。
企業間で大きく差が開くのは、AIを導入した企業と導入していない企業の間だけではありません。
AIを毎日の実務に組み込み、経営者自身が仕事量と品質を把握できる企業と、AI担当者に任せきりにする企業との間でも、大きな差が生まれると思います。
私が昔から行ってきた、
「自分でも現場を経験し、作業時間を測ってから人に任せる」
という経営方法は、AI時代には以前よりも重要になるのかもしれません。
AIは、企業の仕事を大きく変える非常に便利な道具です。
しかし、経営者がその実力と速度を知らなければ、効率化のために導入したAIが、かえって新しい時間と人件費の無駄を生む可能性があります。
これが、私が毎日AIを使う中で感じた、AIの大きな可能性と同時にある怖さです。
協同組合かけはし/KAKEHASHI HUMAN MONGOL LLC 後藤友亮/GOTO YUSUKE
静岡県浜松市/モンゴル・ウランバートル 公式サイト:https://www.kakehasi.biz/





コメント