政策金利1%でも、少しの円高すらならない理由
- 後藤 友亮

- 7月13日
- 読了時間: 4分

日本にとって、かなり厄介な展開になってきた
今、日本にとってかなり厄介な展開になってきたと思います。
原油高やインフレの再燃によって、これまで利下げに向かうと思われていた海外の中央銀行まで、利下げを延期したり、再び利上げを検討したりする流れが出てきました。
私はこれまで、日本の政策金利が1%程度まで上がり、一方でアメリカなど海外が利下げに向かえば、海外との金利差が縮まると考えていました。
そうなれば、これまで円安の一因となってきた円キャリートレードも巻き戻され、
1ドル155円前後まで円高になる可能性もあるのではないか
と考えていました。
ところが、ここにきて前提が変わってきました。
日本が利上げしても、海外も金利が高ければ差は縮まらない
日本が政策金利を1%まで上げても、アメリカやヨーロッパの金利まで高止まりしたり、さらに上昇したりすれば、海外との金利差は思ったほど縮まりません。
これは非常に重要だと思います。
円キャリートレードは、簡単に言えば、
金利の低い円で資金を調達し、金利の高い海外で運用する
という取引です。
日本が利上げしても、海外の金利も高いままなら、この取引の魅力は大きく失われません。
つまり、円を売って海外へ資金を移す流れが残りやすくなります。
すでに政策金利は1%。それでも円は弱い
現在、日銀の政策金利はすでに1%です。
それでもドル円は161~162円付近で推移しています。
ここから見えてくるのは、
「日銀が利上げすれば円高になる」というほど、今の為替は単純ではない
ということです。
以前であれば、日本の利上げは円高材料としてかなり意識されたと思います。
しかし今は、日本だけを見るのではなく、アメリカやヨーロッパとの金利差そのものを見る必要があります。
一番厄介なのは「円高にならないのに、国内金利だけ上がる」こと
そして、私が一番気になるのはここです。
海外の高金利が続いている間に日銀がさらに利上げすると、
円高になる効果はあまり出ないのに、日本国内には利上げの負担だけが出てくる
という状況になる可能性があります。
住宅ローンの金利は上がります。
企業の借入金利も上がります。
国の国債利払い負担も増えていきます。
それでも海外との金利差が十分に縮まらなければ、円安は思ったほど改善しない。
これは日本にとって、かなり苦しい状況です。
さらに「原油高」が重なる
しかも今回は、原油高という問題まであります。
日本は多くのエネルギーを海外から輸入しています。
そのため、
円安 + 原油高
が同時に起きれば、輸入価格が上昇し、国内の物価をさらに押し上げる可能性があります。
物価が上がれば、日銀にはさらに利上げ圧力がかかります。
しかし、海外も高金利なら、日本が利上げしても金利差はなかなか縮まらない。
すると、
円安が続く→ 輸入物価が上がる→ インフレが続く→ 日銀が利上げする→ 住宅ローンや企業の負担が増える→ それでも海外との金利差はあまり縮まらない→ 円安が十分に改善しない
という、かなり厄介な循環になる可能性があります。
私が以前考えていたシナリオとは、前提が変わってきた
私はこれまで、
日本が利上げする+海外が利下げする↓金利差が縮まる↓円キャリートレードが巻き戻される↓円高へ向かう
というシナリオを考えていました。
しかし今は、
日本が利上げする+海外も高金利が続く↓金利差があまり縮まらない↓円安が思ったほど改善しない↓日本国内の金利負担だけが増える
というシナリオまで考える必要が出てきたと思います。
私が今、一番気になっているのはここです。
日本が利上げできるかどうかではなく、利上げしても円高にならない状況になってしまうこと。
もしこの状態が続くのであれば、日本の金融政策はこれまで以上に難しい局面に入ったのではないかと思います。
協同組合かけはし/KAKEHASHI HUMAN MONGOL LLC 後藤友亮/GOTO YUSUKE
静岡県浜松市/モンゴル・ウランバートル 公式サイト:https://www.kakehasi.biz/




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