地方不動産が“負の遺産”になる時代20216年4月19日
更新日:7月26日

市場の原理は単純です。多くの人が欲しがるものは値上がりし、逆に物が余り、それを必要とする人がほとんどいなければ、価値は確実に無くなっていきます。
最近の日本の不動産情報を見ていると、正直かなり異様です。浜松や名古屋でも、一昔前とは考えられないような価格で中古物件が並び、大型中古住宅や一棟売りマンションまで普通に出ています。昔はそもそも土地すらもみつからず、そう簡単には見つからなかった物件が、今では当たり前のように出てくる。この時点で、地方不動産の流れは明らかに変わってしまったのだと感じます。
若い頃、私は会社の寮用に中古のマンションの一棟物件を探していました。それも費用対効果を考えてのことでした。ところが当時は、売り物そのものがほとんどありませんでした。それが今では、選べるほど出ている。これは単に売り物件が増えたという話ではなく、持ちきれなくなった不動産や、先行きに不安を感じた人たちの物件が、市場に流れ込み始めているようにしか見えません。
つまり今起きているのは、住む価値はあっても、資産価値は失われていくという現実です。
不動産は、そのものに価値があれば安い買い物です。ですが、資産価値が失われた瞬間、不動産ほど高い買い物はありません。しかもローンで買っていれば、ただの買い物では済まない。足に鎖をつけられたのと同じで、身動きが取れなくなり、人生そのものに重くのしかかってきます。
この先、地方不動産はますます資産ではなく、維持費と管理負担を抱える**「負の遺産」**になっていく地域が広がっていくでしょう。立地の良い一部を除けば、人口が減る地域の不動産は、需要そのものが細っていく以上、全体として下落の流れから逃れにくいと思います。
しかも日本には、他国にはない高い税負担、高い維持費、高い災害リスク、高い地政学(今は戦争)リスク、そして深刻な人口減少があります。ここまで悪条件が重なっている以上、日本の地方不動産は、持っているだけでも十分にリスクだと私は思います。
結局、これからの日本では、特に新築マンションや自身で使う新築不動産は贅沢品になっていくのでしょう。しかもそれは、目に見えない資産減少の一つでもあります。数字の上では資産に見えても、実際には維持費を払い続けながら、価値が削られていく。これほど厄介なものはありません。
よく、物価や材料費の上昇で建築費は高くなり、今後は今の金額では建てられなくなると言われます。だから今のうちに買うべきだ、と。それは確かにメリットであり、事実でもあるでしょう。
しかし、より大きな問題は、欲しい人が少ないということです。どれだけ建築費が上がっても、需要がなければ価値は維持できません。
これは、まるで不人気の高級車です。作るのにはお金がかかる。けれど、いざ売る時には驚くほど安くなる。地方不動産にも、まさにそれと同じ現実があるのです。
だから私は、今のこの日本で不動産を持つのは必要最低限で十分だと感じています。価値が下がり続ける地方不動産を抱えるよりも、成長が見込める海外の不動産や小規模事業、実需のある分野に少しの資金であったとしても、向けたほうが、将来的にはより豊かに暮らせると思います





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