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日本は金利3%で大騒ぎ、モンゴルは40%でも貸す資金が足りない――この違いは何なのか


モンゴルで生活し、現地の人たちと話していると、日本とは金利に対する感覚が大きく違うことに気づきます。


日本では、住宅ローン金利が3%台になっただけでも大きな問題になります。


一方、モンゴルでは年20%前後、借入先や条件によっては年40%ほどの金利でも、お金を借りる人がいます。


しかも、私が出資者として訪問した現地のノンバンクでは、借り手がいないのではなく、貸し出すための資金が不足していました。


年40%は、銀行の一般的なローン金利ではない


最初に明確にしておきたいことがあります。


年40%というのは、モンゴルの一般的な銀行ローンの標準金利ではありません。


現在、銀行が公開している一般住宅ローンは年16%~21%程度、自動車ローンは年17%~24%程度です。


年40%ほどになるのは、主にノンバンクからの借り入れや、借り手の条件、返済期間、各種手数料などが関係するケースです。


それでも、日本と比べれば、非常に高い金利であることに変わりはありません。



しかも住宅購入にもノンバンクが関わっている


モンゴルでは住宅を購入する際、購入資金のすべてを銀行の住宅ローンで用意するとは限りません。


銀行の一般住宅ローンには、住宅価格の20%~30%ほどの頭金が必要です。


現地では、その頭金や、銀行からの融資だけでは足りない購入資金の一部を、ノンバンクから借りて補う人もいると聞きました。


つまり、一つの住宅を購入するために、


  • 自己資金

  • 銀行の住宅ローン

  • ノンバンクからの借り入れ

を組み合わせる場合があるということです。


この場合、銀行の住宅ローン自体が年40%なのではありません。


住宅購入に必要な資金の一部を、銀行より金利の高いノンバンクから借りるため、借り手全体の負担が大きくなります。


それでも住宅を購入する人がいる。


自動車や事業資金についても、高い金利で借りる人が多い。


そして、ノンバンク側では貸し出すための資金が不足している。


ここに、日本とは大きく異なるモンゴル経済の特徴が表れているのではないでしょうか。



公開資料でも確認できるモンゴルの高金利


モンゴルの銀行が公開している一般住宅ローンを見ると、ゴロムト銀行は頭金20%、年利16.8%~21.6%となっています。


TDBの一般住宅ローンも、頭金の割合に応じて年18.6%~20.4%です。


また、モンゴル住宅金融公社には、銀行だけでなくノンバンクが扱った住宅ローン債権も買い取る仕組みがあります。


世界銀行も、モンゴルのノンバンクが住宅改修などの住宅関連融資を提供していると報告しています。


こうした公開情報からも、モンゴルではノンバンクが住宅関連の資金需要に関わっていることが確認できます。


ただし、銀行ローンの頭金や不足分をノンバンクで補う人がどの程度いるのかについては、公的な統計を確認できていません。この部分は、私が現地で聞いた実態として紹介しています。


参考:

出資者として、内部資料を確認した


私は現地のノンバンクを出資者として訪問し、経営者から事業について詳しい説明を受けました。


その際、貸出状況や貸し倒れに関する具体的な内部資料も見せてもらいました。


内部資料なので、会社名や具体的な数字の公表は控えます。


しかし、私が実際に確認した範囲では、貸し倒れは高金利から想像するほど多くありませんでした。


高い金利と聞けば、日本人は、

「返済できない人が多いのではないか」

「貸し倒れが多いから、金利も高いのではないか」

と考えると思います。


私も最初は、そのように考えていました。


ところが、実際には高い金利でも借りる人が多く、貸し出す資金の方が不足しています。そして、私が確認した範囲では、貸し倒れも想像していたより少ないものでした。


この状況を、単に「信用リスクが高いから金利も高い」と説明するだけでは不十分だと思います。



高金利でも借りるのは、それ以上の利益を出せるからではないか


年20%でお金を借りても、その資金を使った商売で30%、40%、あるいはそれ以上の利益を出せるのであれば、借りる意味があります。


年40%近い金利であっても、今すぐ資金を用意することで、それ以上の収入や利益を得られるのであれば、借り手にとって経済的な合理性があります。


自動車も、単なるぜいたく品とは限りません。


仕事や商売に使い、借入金利を上回る収入を得られるのであれば、高金利でも購入する理由があります。


モンゴルで高金利の融資がこれほど利用されているのは、さまざまな分野で日本より高い利益率を確保できる余地が残されていることの裏返しではないでしょうか。


リフォームを頼んで感じた、売り手の強さ


私がこの違いを強く感じたのが、モンゴルのマンションのリフォームを依頼したときです。

依頼したのは、現地でも一流とされている店でした。


ところが、日本の業者のように、何とか仕事を取ろうとする雰囲気はありませんでした。

「頼みたければ、頼んでくれればよい」

そのような感覚でした。


工事についても、こちらから何度も確認して催促しなければ、おそらく簡単には進まないでしょう。


そのような状況なので、私は値引き交渉など考えつきませんでした。


値引きを求めて条件が合わなければ、業者は無理に仕事を引き受ける必要がありません。ほかにも仕事があるからです。


現地の人も業者側に合わせている


興味深かったのは、業者の対応だけではありません。


現地の人たちも、日本人のように細かな要望や納期を厳しく求めるというより、業者の都合や仕事の進め方に自分たちが合わせているように感じました。


日本では、代金を支払う客の希望に業者が合わせるのが一般的です。


相見積もりを取り、価格を比べ、値引きを求め、工期や仕上がりを細かく確認することも珍しくありません。


業者側も、仕事を受注するために価格、納期、サービスで競争します。


しかし、モンゴルでは関係が少し違います。


質の高い仕事ができる業者には依頼が集まるため、業者側が無理に客の希望へ合わせる必要がありません。


依頼する側もその関係を理解し、業者の予定に合わせ、必要に応じて自分たちから連絡や催促をしています。


日本では業者が客に選んでもらう立場ですが、モンゴルでは客も業者に仕事を引き受けてもらう立場にあるように見えました。


これは、単なる接客文化の違いだけではないと思います。


需要に対して、質の高い仕事ができる業者や人材が足りていないのです。



値引きしなくても仕事が入るから、利益を確保できる

需要より供給が多ければ、業者は値段を下げ、サービスを良くして、客に選んでもらわなければなりません。


反対に、需要に対して供給が不足していれば、業者は値引きをしなくても仕事を受注できます。


原材料費や人件費が上がっても、その分を価格へ反映しやすくなります。

日本では、仕事を取るために値引きをし、丁寧な対応をし、納期を守り、そのうえで利益を確保しなければなりません。


競争が激しいため、費用が上がっても、その分を価格へ十分に転嫁できない企業も少なくありません。


モンゴルでは、少なくとも私が見たリフォーム業界では、需要の方が供給を上回っていました。


値引きをしなくても仕事が入る。


客の都合にすべて合わせなくても、次の依頼がある。


だから価格と利益率を維持しやすく、高い金利で資金を借りても商売が成立するのではないでしょうか。



日本では、なぜ3%台でも大きな問題になるのか


2026年9月の全期間固定型住宅ローン「フラット35」は、返済期間21年以上35年以下、融資率9割以下の場合、最も多い金利が年3.46%です。


モンゴルの一般住宅ローンと比較すれば、日本の3%台は非常に低い金利です。


それでも日本で大きな問題になるのは、住宅の借入額が大きいことに加え、賃金や事業利益が金利上昇に合わせて伸びていないからではないでしょうか。


金利が低くても、それを上回る利益を出せる仕事が少なければ、お金を借りて事業を拡大しようとは思いません。


金利が1%から3%へ上がっただけで採算が合わなくなるのであれば、それは金利だけの問題ではありません。事業の利益率が低くなっていることの表れでもあります。


モンゴルなら何をしても儲かる、という意味ではない


もちろん、モンゴルなら何をしても必ず利益が出るという意味ではありません。


高いインフレ、通貨の変動、法律や制度の違い、取引相手の信用など、モンゴル特有のリスクもあります。


業種や経営方法によっては、当然失敗も起こります。


しかし、需要に対して商品、サービス、人材、資金が不足している分野では、日本より高い利益率を確保できる余地が大きいことは、私自身の経験からも感じます。



高金利は、利益率の高さの裏返しではないか


モンゴルでは、高い金利でも借りる人が多く、ノンバンク側の貸出資金が不足しています。

私が出資者として内部資料を確認した範囲では、貸し倒れも想像していたより少ないものでした。


一流のリフォーム店は、値引きをしてまで仕事を取る必要がありません。


現地の人たちも業者の都合に合わせ、仕事を引き受けてもらう側にいるように見えました。

これらは、すべてつながっていると思います。


需要が強く、供給が不足している。


価格競争が起こりにくく、売り手が利益を確保しやすい。


その利益率が高いから、高い金利を払ってでも、住宅、自動車、事業などのためにお金を借りる。

その結果、貸し手側の資金まで不足する。


この流れが、現在のモンゴル経済には存在しているのではないでしょうか。


金利は購買力そのものではありません。


しかし、高金利でも借り手が絶えず、貸し手の資金が不足し、貸し倒れも比較的少ないという現実を見ると、金利はその国の資金需要と、それを上回る利益を生み出す力を測る一つのバロメーターにはなると思います。


日本とモンゴルの最大の違いは、単なる金利の数字ではありません。


借りたお金を使って、金利以上の利益や収入を生み出せる経済なのか。


そして、

値引きをしなくても仕事が入るほど、需要に力があるのか。


私がモンゴルで実際に経験し、出資者として内部資料も確認したうえで感じたのは、この違いでした。



補足

この違いは、円安の根本的な理由にもつながっているのではないか


ここまで考えて、私は、この日本とモンゴルの違いが、現在の円安の根本的な理由の一つにもつながっているのではないかと思いました。


日本国内では、金利が低くても、それを上回る利益を出せる投資先や事業が少なくなっています。


一方、モンゴルをはじめとする成長国には、金利が高くても、それ以上の利益を期待できる事業や投資先があります。


投資する立場で考えれば、より高い利益を期待できる場所へ資金を移そうとするのは自然なことです。


日本円で持っている資金を海外で運用するためには、円を売って現地通貨やドルなどの外貨へ換える必要があります。


日本の個人、企業、金融機関が同じように海外へ資金を移せば、それだけ継続的に円が売られることになります。


円安は、日米の金利差だけで起きているのではないと思います。


日本国内よりも、海外の方が高い利益を得られる。


日本で事業を拡大するより、成長している国へ資金を移した方がよい。


そう考える人や企業が増えていることも、円が売られ続ける根本的な要因の一つではないでしょうか。


私自身も、モンゴルで高い金利でも借り手が絶えず、ノンバンクの貸出資金が不足している現実を見ました。


一流のリフォーム店には値引きをしてまで仕事を取る必要がなく、現地の人たちも業者側の予定に合わせています。


日本では金利3%台で事業や家計への影響が心配される一方、モンゴルでは年20%前後、場合によっては40%近い金利でも資金需要がなくなりません。


この差は、単なる金利差ではありません。


国内で資金を使ったときに、どれだけの利益を生み出せるのかという「経済の収益力の差」ではないでしょうか。


日本円が弱くなっている背景には、日本の政策や貿易収支だけでなく、日本国内の利益率や成長期待が低く、資金が海外へ向かいやすくなっているという、より根本的な問題があるように思います。


協同組合かけはし/KAKEHASHI  HUMAN  MONGOL  LLC  後藤友亮/GOTO YUSUKE 

静岡県浜松市/モンゴル・ウランバートル     公式サイト:https://www.kakehasi.biz/

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