日米共同介入後のドル円――外貨交換は今、「一括」より「分散」の局面
更新日:9月5日

現在のドル円相場を見ると、外貨交換は「円安だから急いで全部を替える」という局面ではないと思います。
市場では、1ドル160円前後が日本政府にとって強く警戒される水準、いわば防衛ラインとして意識されています。
今回は実際に為替介入が行われ、日米共同介入によってドル円は155円程度まで円高に戻りました。さらに、追加介入の可能性も示されているため、しばらくは相場の値動きが荒くなりやすい状況が続くと考えられます。
ただし、現在の円高が長期間続くとは限りません。
155円程度という水準には、為替介入の効果だけでなく、日銀が今後、政策金利を1.5%程度まで引き上げる可能性も、ある程度織り込まれていると考えられます。
しかし、日銀が実際に1.5%まで利上げしたとしても、日米の金利差はなお大きく残ります。そのため、1.5%の政策金利だけで円安を完全に止めるのは難しいでしょう。
長期的に円の価値を安定させるためには、少なくとも2%程度まで政策金利を引き上げる必要があると思います。
一方で、3%程度まで利上げを進めれば、住宅ローンの返済負担や中小企業の資金繰り、国債価格の下落、政府の利払い負担の増加など、日本経済と財政を不安定化させる危険が大きくなります。
利上げをしなければ円安が続き、利上げを進めすぎれば日本経済と財政が傷む。
これが、現在の日本が抱えている大きな矛盾です。
今回の日米共同介入によって、短期的に円安を抑えることはできました。しかし、日本の低金利、財政不安、低成長、エネルギー輸入への依存といった、構造的な問題が解決したわけではありません。
したがって、日本の構造的な円安圧力と、思い切った利上げも簡単にはできない八方塞がりの状況は、今後も長期的に続く可能性が高いと考えます。
このような相場環境では、外貨への交換を一度に全額行うのは危険です。
「円高になった場面を見ながら、数回に分けて交換する方が現実的です」





コメント